《基本情報》
書名:THE INCAL THE EPIC CONSPIRACY
絵:Moebius
話:Alexandro Jodorowsky
出版社:
DC Comics
ISBN:1401206298[
DC Comics社公式解説ページ]
初版発行年:2005年
公式解説ページ:
DC Comics社サイト内解説ページ
◆ 解説 - 「ランカル」の気軽な文庫版的存在
● 出版社DCコミック社公式サイト
● 同上内『THE INCAL VOL. 1: THE EPIC CONSPIRACY』
「ランカル」英訳版の上巻です。
『ランカル 第1巻 陰謀の叙事詩』という意味です。
● 同上内『THE INCAL VOL. 2: THE EPIC JOURNEY』
「ランカル」英訳版の下巻です。
『ランカル 第2巻 大いなる旅路』という感じでしょうか。
メビウスの代表作、「ランカル」シリーズの英訳版です。
「ランカル」シリーズについては以下の記事を参照してください。
[
「L'Incal」(ランカル)シリーズ解説]
フランス語原典では「ランカル」シリーズは全6巻ですが、
英訳版では3巻ずつ合冊した上下巻構成になっているようです。
本作はその上巻に当たります。
内容はデジタル彩色版と同じです。
価格はアマゾン日で買うなら1900円台と破格の安さなのですが、
(仏語のアルバム3冊分なら8000~9000円はします
[
浪花でメビウス買いまっせ:梅田篇])
装丁がかなり簡略化されています。
この装丁の違いというのが実は結構大きな問題で、
結果的にまったく違う作品になってしまっていると言っても
過言ではありません。
フランスのアルバムはA4見当の大きさ(24×32センチ)で、
ハードカバー装丁、
ページに使われている紙も厚みのあるものですが、
この英訳合冊版はB5見当の大きさ(19×26センチ)で、
ソフトカバー装丁、
ページに使われている紙も薄いものです。
仏版アルバムを「単行本」にたとえるなら、
英訳合冊版はちょうど「文庫本」という印象です。
携帯カメラの画像ですが、
並べてみると以下のようになります。
日本の「漫画」にも
「完全版」と「文庫版」という装丁の違いがありますが、
それよりもさらに決定的な違いがあるように思います。
苦労して手に入れた決して安くはないアルバムのページを
ワクワクしながら繰ってみる、
という、あのアルバム特有の特別な雰囲気は
英訳合冊版には全くありません。
むしろ、寝っころがって読める気軽さ、ハンディーさがあって、
悪い言い方をすれば、
作品の品位が下がってしまっているという感じでしょうか。
ベデにおけるアルバムという装丁の重要性を
逆に感じさせられました。
とは言っても、この気軽さは決して悪いものではなく、
メビウスに出来るだけ簡単に触れて見たいという人にとっては、
店頭で実際に触って見ることが出来るという点とあわせて、
とてもありがたいものだと思います。
*[
浪花でメビウス買いまっせ:梅田篇]を参照。
大阪に限らず、大型書店の洋書コーナーには
陳列されている可能性が高いと思われます。
アルバムをすでに持ってしまっている人にとっても、
まさしく「文庫版」として、
肩肘張らずに気軽にページを繰ってみるのに最適です。
(もちろん英訳されているので、仏語が読めなくても大丈夫です)
メビウスに出来るだけ気軽に触れて見たい、
という人に最適の書籍でしょう。
◆ 画像の紹介
作品の内容自体は、英訳されていることを除けば
仏語・デジタル彩色版とまったく同じです。
仏語・デジタル彩色版の画像は以下のページで見ることが出来ます。
● LES HUMANOIDES ASSOCIES社サイト内『ランカル』合冊版のページ
● 同上、『ランカル 1』のページ
● 同上、『ランカル 2』のページ
● 同上、『ランカル 3』のページ
さらにくわしくは、
[
「L'Incal」(ランカル)シリーズ解説]
を参照してください。
関連:
[
「L'Incal」(ランカル)シリーズ解説]
[
浪花でメビウス買いまっせ:梅田篇]