メビウスの
バイオグラフィー、
前回のつづきです。
今日は1953年(メビウス15歳)からです。
1953(environ) Son pere lui fait decouvrir la litterature
de science-fiction.
1953年(前後)
父の影響でSFに興味を持つようになる。
*両親の離婚にともなって、
一時となりの市に住む祖父母に預けられていたメビウスですが、
この時点ではまた父のもとに帰っていた、ということなのでしょうか。
この時点ですでに母はメキシコに渡っていた、ということなのでしょうか。
よく分かりません。
1954 Il entre aux Arts Appliques. Il y reste 2 ans.
Il publie ses premieres illustrations
(publicite, mode, decoration et revues
(Coeurs vaillants, Fripounet Marisette, Far West)).
1954年
応用芸術学校に入学。二年間在学する。
イラストが何点か、雑誌に掲載される
(広告、ファッション誌のイラスト、装飾用イラスト、風刺漫画などが
雑誌「クール・ヴァイヤン(Coeurs Vaillants)」
「フリプネ・エ・マリゼット(Fripounet et Marisette)」
「ファー・ウエスト(Far West)」
に掲載される)。
*「Arts Appliques」というのが、
どういう性格のものなのか、いまいちはっきり分かりません。
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どうも、美術の世界では「応用芸術」と訳すのが定訳のようです。
たぶん、「デザイン学校」とでも訳すのが
一番ぴったりくるのではないかと思うのですが、例に従っておきました。
Wikipediaフランスでも「Arts Appliques」の項は立っているのですが、
正直、まだまだ編集中の観がぬぐえません。
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Wikipediaフランス内
「Arts Appliques」のページ
また、Arts Appliquesにも色々あるようで、
メビウスがその中のどれに入学したかについても
特定するには至りませんでした。
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また、
「クール・ヴァイヤン(Coeurs Vaillants)」
「フリポンヌ・エ・マリゼット(Fripounet et Marisette)」
「ファー・ウエスト(Far West)」
は全て漫画の雑誌の名前で、それぞれ直訳すると、
「猛(たけ)き心」「フリプネとマリゼット」
「西部」というような意味になります。
フランスの漫画雑誌については、
以下のページに一覧があります。
●Wikipediaフランス内
「Liste de Journaux periodiques de bande dessinee」のページ
「クール・ヴァイヤン」については、
下記のページで画像を見ることが出来ます。
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「フリプネとマリゼット」は、
雑誌の名前であることは上記のWikipediaフランスの記述から判断して
間違いないとは思うのですが、
じつはこれは、「ヴァレリアン(Valerian)」シリーズなどで有名な
バンド・デシネの巨匠、ジャン・クロード・メジエールの作品の名前でも
あります。
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●
メジエール公式サイト内
ビブリオグラフィーのページ
●同ページ内
「フリプネとマリゼット」の画像1と
画像2
あと、「ファー・ウエスト」なのですが、
これは上記のフランスの漫画雑誌一覧に名前が見当たりません。
また、いろいろと調べては見たのですが、
よく分かりませんでした。
ただ、名前から判断して、
ウエスタン・コミック専門の雑誌と見てまず間違いないでしょう。
「クール・ヴァイヤン」と「フリプネ・エ・マリゼット」の
原語によるつづりですが、
原文では明らかに間違っていたので、
「Coeurs vaillants→Coeurs Vaillants」
「Fripounet Marisette→Fripounet et Marisette」
と訳文で直しておきました。
すいません。今日はここまでです。
この時代の漫画の画像を見ていると、
さすがにまだまだシンプルなものが多いですね。
メビウスもまだこの時代にはこういう作品を書いていたのでしょうか。
あと、おもしろそうなサイトを見つけたのでリンクしておきます。
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パリ発マンガ情報サイトEURO JAPAN COMIC
また、今回の記事を書くにあたって、
『フランスコミック・アート展 図録』
(細萱敦、柴田勢津子編 2003)を参照しています。
くわしくは、
[語る>『フランスコミック・アート展 図録』の解説]
を参照してください。