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ライフログ
カテゴリ: 『L'Incal 1』和訳( 9 )
『L'Incal 1』(ランカル 1)和訳インデックス
◆ インデックス
第1章前半(p1~5)第1章後半(p6~9)
第2章前半(p10~14)第2章後半(p15~19)
第3章前半(p20~24)第3章後半(p25~29)
第4章(p30~p35)
第5章(p36~p43)


◆ テキスト
使用したテキストは
『L'INCAL TOME 1 / L'INCAL NOIR』
(Alexandro Jodorowsky, Moebius,
 1998 Nouvelle edition, Les Humanoides Associes)
です。


◆ 凡例
・[ページ数>コマ数]という形式で、各セリフにインデックスを付けてあります。
・*(全角のアステリスク)は訳注、
 *(半角のアステリスク)は原注です。


◆ 解説
「ランカル」シリーズの詳細は、
語る>「L'Incal」(ランカル)シリーズ解説
を参照してください。


◆ 画像
なんと本作の画像をすべて紹介してくれているサイトがあります。
● 「Cafe Boelen」内「Dinge>Bilder>Moebius」
上段で紹介されているものが本作の画像です。
数字を順次クリックして行ってください。
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by moebius-labyrinth | 2004-09-03 23:59 |  『L'Incal 1』和訳
『L'Incal 1』和訳 第1章(1)
[1-1/1-2/2-1/2-2/3-1/3-2/4/5]


『L'Incal』の解説については、
[語る>『L'Incal』解説]を参照してください。

使用したテキストは
『L'INCAL TOME 1 / L'INCAL NOIR』
(Alexandro Jodorowsky, Moebius,
 1998 Nouvelle edition, Les Humanoides Associes)
です。




『L'INCAL TOME 1 / L'INCAL NOIR』
『ランカル 第一巻 闇のアンカル』

[ページ数>コマの順番数]

[1>0]
LES NUITS DE L'ANNEAU ROUGE
赤い環の夜

[1>1]
CE GENRE DE SPECTACLE EST FREQUENT A SUICIDE-ALLEE...
PLUS DE PRIVILEGES DE NIVEAU POUR VOIR LE SANG COULER
この光景を見てほしい。
今日もまた、「自殺通り」で血が流される。
この階では何時だってこうなのだ。

VAS-Y!
TUE-LE
やれぇ!
殺っちゃえ!

PARLE!
吐け!

AU SECOURES!
助けてくれ!

AAIZZHR!
あ痛ててて!
 *「AAIZZHR」が分かりません。
 オノマトペなのは確かでしょうが、
 どのような場面で、どのような様子を表現するものなのかが不明です。
 文脈から判断して訳文を作ってあります。

[1>2]
CELUI QUI PREND DES COUPS S'APPELLE JOHN DIFOOL...
IL EST POSSESSEUR D'UNE LICENCE DE DETECTIVE PRIVE
DE CLASSE R
彼の名はジョン・ディフール。
今日はまたひどく痛めつけられているようだが、
Rクラスのライセンスを持つれっきとした私立探偵だ。
 *「CLASSE R」については、英訳版、邦訳版でそれぞれ、
 「CLASS-B」「B級」と訳されていることを確認していますが、
 あえて従っていません。
 くわしくは以下の記事を参照して下さい。
 [翻訳メモ:「CLASSE R」は「B級」なのか?

[1>3]
NON!
PAS CA!
やめろ!
それだけは勘弁してくれ!

QUANT A SES AGRESSEURS,
ILS SOUT MASQUES,
DONC INIDENTIFIABLES
一方でこのディフールを痛めつけている連中だが、
残念ながら、マスクのせいで素性はまだ不明である。

[1>4]
AH! BRAVO!
おぉ!
ブラボー!

VITE! AU CAROSS!
さっさと落ちろ! カロスまでな!
 *「CAROSS」というのは固有名詞、
 おそらく、この下に広がるという酸の海の名前だと思います。

HOURA!
ばんざい!
 *「HOURRA」で「万歳」という意味です。

OUAIIIS!
イェーイ!

AAAAHHAA
うわぁぁぁぁぁぁ

[1BIS(1の2)]→

DE SUICIDE-ALLEE,
C'EST LA CHUTE DIRECTE ET SANS ESCALE
JUSQU'AU GRAND LAC D'ACIDE QUI DISSOUT TOUT.
自殺通りから落ちてしまうと、
あらゆるものを溶かすという、酸の湖までまっさかさまだ。

LA!
UN SUICIDE!
見ろ! 自殺だ!

IL Y AVAIT LONGTEMPS
ひさしぶりだな。

GEEEK!
D'AUTRES VONT SUIVRE!
馬鹿がッ! こりゃあ後追い自殺が出るな。
 *「GEEEK」はオノマトペなのかも知れません。
 ただ、英語に「GEEK(変態、異常者)」という語があって、
 フランス語のサイトをざっと検索してみたかぎりでも、
 「GEEK」は大抵英単語として使われているようなので、
 上記のように訳しておきました。

AARGHHHHH
うわぁぁぁぁぁぁ
 *間投詞「AH」の異体ではないかと思います。

KOSKICH!
VA ME CHERCHER MON ARME.
CETTE FOIS, IL M'EN FAUT UN!
コスキシュ!
武器を持って来い。
こいつは手強そうだぜ。
 *「KOSKICH」というのが分かりません。
 グーグルで検索すると、
 古代ギリシャの医者ヒポクラテスのページが引っかかります(→)。
 どうやら「Prognoz koskich」で一つの成句になっているようです。
 「Prognoz」については、例えばこういうページがあって(→)、
 なんとロシア語で「予測」という意味だそうですが、
 英語にも「prognose(予知する)」という語があるので、
 これらの語源であるラテン語もしくはギリシア語だと思います。
 「KOSKICH」もラテン語かギリシア語だと考えるのが妥当でしょう。
 ただ、これらの辞書を引いてみたのですが、
 該当する語は検索できませんでした。
 ここでは、固有名詞、人名として解釈しました。

SORTEZ LES FUSILS!
銃を用意しろ!

 *この二つのセリフの意味がよく分かりません。
 「KOSKICH」以外は、文の意味自体には致命的な誤訳はないと思うのですが、
 この場面でなぜこのようなセリフが吐かれるのかが分かりません。
 話の筋とは関係ないセリフが、
 たまたま同じ場面に居合わせた人物によって発せられている、
 という可能性も考えましたが、
 二人ともディフールの方を見上げているようですし、
 どちらも「武器」に関するセリフだというのが気になります。

 次のコマで、ディフ―ル以外にも後追い自殺者が多数出ているのが分かります。
 おそらく、これらの人びとに混じって、
 火事場泥棒のように自殺者から金品を盗む人たちが
 いるのではないでしょうか。
 これらのセリフは、
 まさしくディフールから何かを盗もうとしている人物のセリフ
 (しかし、相手が手強そうなので武器を必要としているのです)
 と解釈しました。

[2>1]
COMME D'HABITUDE A "SUICIDE-ALLEE
UNE CHUTE MORTELLE PROVOQUE
UNE EPIDEMIE DE SUICIDES
後追い自殺者たちだ。
自殺通りではいつもこう、
死のダイブはエピゴーネンを誘うのだ。

[2>2]
NON! CA
C'EST UN SUICIDE!
違う!
後追い自殺のやつだ!

LA
C'EST LUI!
あれだ!
ヤツだ!

[2>3]
HECK! AUSSS... AANON!
ひいっ!うわぁぁぁ……、ダメだぁぁ!
 *仏語の「HECK」は、通常固有名詞(人名)として使われるようです。
 英語に「HECK(HELLの婉曲語、ちきしょう、くそっ、なんだと、
 とんでもない!、当惑・拒否・嫌悪など)」という語があるので、
 それだと思います。
 *「AUSSS」が分かりません。
 フランス語のサイトを検索してみるといくつかヒットしますが
 (僕が検索した時は20件)
 明確にオノマトペとして使われている例はなく、
 どうやら「AUSSI」のタイプミスがヒットしているようです。
 ● グーグル仏で「AUSSS」を検索
 「AUSS」で検索しても同じような結果でした。
 ここでは文脈から意味を推測して訳してあります。
 *「AANON」は「AH NON」の異形だと思います。

ES-TU DECIDE A PARLER?
駄目押ししてみるか?

[2>4]
PLUS QUE TRENTE SECONDES
AVANT L'OCEAN D'ACIDE!
酸の海まであと30秒ちょっとだぞ!

JE... JE VAIS
TOUT VOUS DIRE!
わ、分かった。
言うよ。全部言う!

[2>5]
JE LE TIENS!
よし、つかまれ!

[3>1]
ALORS? OU L'AS-TU CACHE?
で? アレはどこだ?

HEE! HM... UNE SECONDE!
J'AI LE COEUR... LE COEUR QUI...
うわっ、ちょちょ、ちょっと待てよ。
いま言おうと思ってたところさ。
実はさ……
 *「HM」は英語の「H'M HMM(ウーン、フーム、ヘーエ、
 思案・ためらい・疑い・当惑を表わす)」だと思います。

[3>2]
POLICE! PILOO 7CK! STOOP! STOP!
警察だ! PILOO 7 CK! 止まれ! 停止しろ!

LES FLIKS
フリックのやつらだ。
 *「FLIKS」というのはおそらく「ROBFLIKS」の略で、
 後に現われるロボットの警察官のことだと思います。
 フランス語に「FLIC」という俗語があって、
 「警官、デカ」という意味なので、
 それに掛けてあるのでしょう。

CHIIIT! C'EST BIEN LE MOMENT!
チッ! いいところに現れやがって!

LE COGAN! C'EST CA OU LE REMODELAGE!
コーガンのことがバレたんだ、間違いない! それか革命組織のやつらだ!
 *「COGAN」は固有名詞だと思います。
 この後[4>4]に「COGAN 45」という語が出てきます。
 このPILOO 7 CKというグループが持っている何かの物の名前だと
 思うのですが、はっきりしません。
 問題は「REMODELAGE」で、
 これは直訳すると「組織の再編、都市の再開発、美容整形」
 というような意味になります。
 これも定冠詞の「LE」がついているので、
 固有名詞で、語の意味から推して
 革命組織や反政府組織か何かの名前だと考えました。

[3>3]
SLOMP
バシュゥッ
 *「SLOMP」が分かりません。
 文脈から推測して訳してあります。

[3>4]
RAAM!
バァァン!
 *「RAAM」が分かりません。
 文脈から推測して訳してあります。

[3>5]
RATE
外しました

ENVOIE LEUR UN PETIT CROC!
CA VA LES CALMER!
クロ・ミサイルをお見舞してやれ!
それで一発だ!
 *「CROC」は直訳すると「フック、牙、歯、鉤(かぎ)」
 というような意味になります。
 [4>4]に「LE "CROC"」と引用符つきで出てくるので、
 おそらくミサイルの名前なのでしょう。

[3>6]
STORHD
グワァァン
 *「STORHD」が分かりません。
 文脈から推測して訳してあります。

[4>1]
LE RECUPERATEUR COUINE!
IL EST ENCORE VIVANT!
CET HUMAIN A UNE ETOILE!
おい、聞こえたか?
あの回収機の人間、まだ生きてるぞ!
運のいい人間だ。

MAIS... JE LE CONNAIS!
ん? ……見覚えがあるぞ!

SON NOM EST JOHN DIFOOL, UN PRIVE DE CLASSE R.
SON BUREAU EST A CIUDAD ROSA...
C'EST UN MINABLE MAIS UN BON INFORMATEUR!
名前はジョン・ディフール、Rクラスの私立探偵だ。
シウダーデ・ロサに事務所がある。
パッとしないヤツだが、いいネタを持ってるはずだぞ。
 *「CIUDAD ROSA」はスペイン語で、
 「薔薇の都市」という意味です。
 ●スペイン語辞書のサイト→
  (一つ目のサイトは結構重いので注意してください)
 スペイン語の発音のカタカナ表記については
 こちらのサイトを参考にしています。

TOOIII TOOIII
トゥイィィ トゥイィィ
 *「TOOIII」が分かりません。
 「COUINE>COUINER(〔ウサギが〕キーと叫ぶ、〔赤ん坊が〕ピーピー鳴く、
 〔戸などが〕きしむ」を参考に訳してあります。

[4>2]
C'EST TOUT CE QUI RESTE DES TROIS HOMMES MASQUES?
こっちは全部、マスク族三人の残骸だよな?

UN JOUR L'IDENTIFICATEUR VA CRAMER!
こんなことばっかりやってると、
アイデンティフィケーターがイカレちまうぞ!

[4>3]
PY! CASSETTE AUTOPSIE!
PY! 検死記録用のカセットだ!
*「PY」というのはこの警察官の名前です。
 胸に「PY」と書いてあります。

VAS-Y! J'ENREGISTRE...
TIENS!
VOILA LE RESCAPE DE SUICIDE-ALLEE
QUI DAIGNE REVENIR PARMI NOUS...
SALUT JOHN!
よし、任せろ!
ん゛、ん゛んー、
自殺通りの生存者が、我々の介護のもと意識を取り戻してくれた。
やあ、ジョン!

OOHSS!
QUI EST LE SALAUD QUI M'A TIRE DESSUS A COUP DE MISSILE?
う~ん。
ミサイルなんかぶっぱなしやがって、この馬鹿がッ!
 *「OOHS」は「OH」の異形だと思います。

[4>4]
CLIC
カチッ

J'ADMETS QU'ON Y A ETE FORT AVEC LE "CROC"
MAIS TES COPAINS...EUX, AVAIENT UN COGAN 45
誰かがクロ・ミサイルで無茶をやったようだ。
君のお仲間の仕業なんじゃないのかね?
彼らはコーガン45を所持していた模様。

OUAIS, J'AI VU CA! LES SALAUDS
そいつはどうも、俺はちゃんと見てたぜ、クソッタレが。

JE SUPPOSE MAINTENANT QUE TU ATTENDS MA
VERSION DE L'HISTOIRE DEPUIS LE DEBUT
どうせ、最初っから洗いざらい話せってんだろ?

[4>5]
C'ETAIT DONC UNE BELLE MATINEE DE MAI...
さて、こういうわけで、五月のあるうららかな朝……、

TOUT E'TAIT CALME DANS LA GRANDE CITE ENTERREE
ここ大埋没都市では、今日も平穏無事に日が過ぎて行くのであった。

ON ARRIVE AU CENTRAL!
ON PARLERA DE TOUT CA DANS MON BUREAU...
中央警察に着いたぞ!
取調室でゆっくり話し合おうじゃないか、色々とな。

POLICE CENTRAL
中央警察

[5>1]
...DE CETTE GRANDE FETE POLITIQUE...
CAR A JOUR J MOINS UN DU CLONAGE PRESIDENTIEL NOUS...
……が、政府の定めたこの大祝日であるわけです。
つまり「Jの日」には、大統領のクローン一体をのぞいて、私たちは……

TOUT A COMMENCE HIER SOIR...
休暇だって? みんな昨日の晩からどんちゃん騒ぎさ……。

CETTE AGITATION AU CENTRAL STOC 117...
MAUVAIS QUAND ON VEUT GARDER L'ESPRIT CLAIR...
中央警察STOC117のこの喧騒……。
心の平安を望む人びとが警察にどっと押しかける、世は不安の時代なのだ。

[5>2]
FACE A CES ROBFLIKS SANS TRIPES...
ロブフリックのやつらと差し向かいでお話だ。
適当にデタラメを混ぜといてやったがな……。
*「ROBFLIK」といのは、ロボットの警察官のことだと思います。
 「ROB」は「ROBOT(ロボット)」の略、
 「FLIK」は「FLIC(警官、デカ)」に掛けてあるのでしょう。
 グーグル検索をしても『ランカル』の例しかヒットしないので(→)、
 メビウスの造語と考えてよいと思います。

J'ETAIS TRANQUILLEMENT EN TRAIN D'ARROSER
MON STEAK AVEC DU FAUX BOURBON LORSQUE...
昨日、俺が人造バーボンとステーキで優雅に食事を楽しんでいた時のことだ……

SILENCE DEEPO!
うるさいぞ、ディーポ!

CROTT!
クルゥ~!

DONC
ドンッ

[5>3]

C'EST VOUS JOH DIFOOL,
JE VOUS ATTENDS DANS UNE HEURE...
POUR TRAITER UNE AFFAIRE IMPORTANTE...
HM... ESPACE 771643
ジョン・ディフールさんですね?
一時間ほどお時間をいただけないかしら……、
とても重要な件についてお話をしたいのです……、
その……、771643地点のことなんですが。

SECTEUR 28... CEINTURE BELLEVUE... TERMINE!
28地区……、ベルヴュ帯状地域の人間か……、話すことなんか何もないぜ!
*「BELLEVUE」というのは実在する地名です。
 →
 直訳すると「良い眺め」というような意味になります。
 [6>3]の訳注も合わせて参照してください。

[5>4]
SON AUREOLE, SON ACCENT...
C'ETAIT BIEN UNE ARISTO DU CONE DE SURFACE...
L'AFFAIRE SENTAIT L'ARGENT FRAIS...
ELLE SENTAIT AUTRE CHOSE...
MAIS FAUT CROIRE QUE J'AVAIS LE NEZ BOUCHE...
彼女のあの背光とあのしゃべり方……、
地表地区の丘に住む「アリスト」階級のお偉いさんに間違いないと思ったね。
重要な件ってのにも、金のにおいがぷんぷんしやがった。
彼女も何か隠してるようだったしな。
まあ間違いないね。俺の目が節穴じゃない限りな。
*「CONE」は「円錐、円錐型の丘」というような意味、
 「SURFACE」は英語と同様「表面」という意味です。
 「ARISTO>ARISTOCRATIE(貴族、特権、上流階級)」が
 「地表の丘」に住んでいるということで、
 どうも『The Long Tomorrow』と同じような設定の
 街が舞台になっているようです
 (『The Long Tomorrow』の[1/5>3>2]の注を参照)。
 また、「ARISTO」は[16>4]でも使われているところを見ると、
 この物語独自の用語で、
 この世界での「貴族」を指す語として設定されているようです。
 そして、貴族は全員キンクのような背光を背負っている、
 という設定になっているようです。 

D'APRES LES COORDONNEES,
IL S'AGIRAIT DE DAME NIMBEA S. QUINQ!
で、連絡先を確認したところ、
光上位ネーべ・S・キンク婦人だったわけか!
*「NIMBE」で「光輪で囲まれた、後光のさした」という意味、
 「S.」は[5>6]から「SUPER」の略で、
 これは英語の「SUPER」に相当する語なので、
 「NIMBEA SUPER」で上流階級のこの婦人の位をあらわす
 名なのだと思います。
 「光上位」という語を新規に作ってみました。

[5>5]
...EXACT... A PEINE DIX MINUTES PLUS TARD,
JE FOULAIS LA MOQUETTE DE SON CONAPT
……それからきっちり十分もしないうちに、
俺は彼女のコナプト(アパートメント)のカーペットの踏み心地を確かめていた。
*「CONAPT」は『The Long Tomorrow』にも出てきました。
 SF作家フィリップ・K・ディックの造語で、
 アパートメントと同じようなものです
 (『The Long Tomorrow』[1/5>3>4]の注を参照)。

HEU... JE SUIS JOHN DIFOOL...
LE DETECT PRIVE DE CLASS R QUE VOUS...
えーと、あの、ジョン・ディフールです。
Rクラスの私立探偵で、あなたが……、

JE SAIS.. VENEZ VOUS ASSEOIR
存じ上げておりますわ。どうぞこちらへ。お掛けになってください。

[5>6]
MON NOM EST NIMBEA SUPER QUINQ,
J'AI BESOIN D'UN GUIDE- GARDE-DU-CORPS
CE SOIR POUR UNE RANDONNEE A L'ANNEAU ROUGE...
JE PENSE QUE VOUS ETES COMPETENT...
わたくしの名前は光上位ネーベ・シュペール・キンク、
いまは警護兵による保護下に置かれています。
今晩は「赤い環」まで行っていただきたく、お呼び立てした次第です。
この任務はぜひともあなたにお願いしたいのです。

QUOI? L'ANNEAU ROUGE!!? MAIS...
何ですって? 「赤い環」!!? しかし……、

VOUS POUVEZ REFUSER...
LE CONTRAT EST LA...
もちろん断られてもかまいませんわ。
契約内容としては、そこにある……

CINQUANTE CUBLARS!
POUR UNE SOMME PAREILLE,
JE VOULAIS BIEN LUI FAIRE VISITER LES ENFERS
謝礼はなんと50キュブラ!
そんな大金のためなら、火の中水の中、どこにだって行ってやるってものさ。

[5>7]
CINQUANTE CUBLARS!!?
ET JE DOIS VOUS RAMENER ICI A MINUIT PILE?
50キュブラですか!!?
で、あなたをそこまで送り届けて、
午前零時までにここに戻って来なきゃならないんですか?

MINUIT PILE, SINON PAS D'HONORAIRES
きっかり午前零時までにです、さもないと謝礼をお支払いすることは出来ません。


つづく→[『L'Incal 1』和訳 第1章(2)]


[1-1/1-2/2-1/2-2/3-1/3-2/4/5]
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by moebius-labyrinth | 2004-09-03 23:58 |  『L'Incal 1』和訳
『L'Incal 1』和訳 第1章〈2)
[1-1/1-2/2-1/2-2/3-1/3-2/4/5]


[『L'Incal 1』和訳 第1章(1)]からのつづき


[6>1]
JE L'AI DONC EMMENEE A LA CEINTURE ROUGE...
TOUJOURS PLUS BAS!
ELLE ETAIT INSATIABLE... CA, JE DOIS DIRE QUE,
QUESTION BAMBOULA, ELLE M'EN A BOUCHE UN COIN...
ENFIN... TOUT AVAIT L'AIR DE DEVOIR SE PASSER,
PAS TROP MAL LORSQU ELLE A VOULU TERMINER EN BEAUTE
AU "DAREDEVIL"!
C'EST LA QU'ELLE EST TOMBEE SUR KILL "TETE-DE-CHIEN"
そういうわけで、おれは彼女を「赤い環」まで送り届けてやった。
そうすると、さらに地下まで潜れとか言いやがる。
まったく注文の多いレディだよ。そうだろ?
バンブーラとか言うところまで行けとか言うんだが、
辺鄙な場所だとか何だとか言うだけでさ。
結局、みんな彼女の言うなりさ。
最後に「デア・デビル」ってクラブに行き着いた。
彼女にはまんまとしてやられたけど、まああれで済んで良かったと思うよ。
で、そこが、
彼女が犬頭族のキルってやつに偶然出会った場所だった、ってわけさ。
*「BAMBOULA」というのがよく分かりません。
 参照→
 「BAMBOULA(バンブーラ、バンブラ)」は地名、
 もしくはダンスの名前のようです。
 ただ、今回のこの文脈には関係しそうにないものばかりです。
 架空の地名だと思います。

[6>2]
MM! KILL,
TON MUSEAU NOIR ME DONNE DES IDEES ROSES!
HIHIHI...
ああ、キル、
あなたの黒いお顔を見てるとなんだか心がバラ色になるわ、
うふふふふ……。

MON LOUP!
愛してるわ、狼さん!

MA REINE!
俺もだぜ王女さま!

PLUS QUE DIX MINUTES
あと十分少々だぞ。

C'EST PAS SOUVENT QUE KILL
DEVAIT LEVER DES ARISTOS DE CETTE CLASSE!
IL LUI A SORTI LE GRAND JEU!
キルがこのクラスのお偉いさんに本気になるなんてことは
まずないことだ。
ちょっと火遊びが過ぎるんじゃないか?

[6>3]
RRM!..RRM!.. DAME QUINQ!!
PLUS QUE DIX MINUTES AVANT MINUIT...
IL EST TEMPS DE RENTRER CHEZ VOUS!
A BELLEVUE...
おいおい、キンクさんよ!
午前零時まであと十分ちょっとしかないんだぜ……。
そろそろお家に帰る時間じゃあなかったっけ?
ベルヴュまで戻らなきゃやばいぜ。
*「A(綴り字記号アクサン・グラーヴ付き)」は
 その後ろに場所を表わす名詞をともなって
 「~まで」という意味なので、
 「BELLEVUE」というのは地名だと思います。
 ナーブ・シュペール・キンクがコナプトを構えている
 土地の名前なのでしょう。
 [5>3]の訳注も合わせて参照してください。

[6>4]
RIEN A FAIRE!
SI CETTE CINGLEE CONTINUAIT COMME CA JE POUVAIS DIRE ADIEU
A MES CINQUANTE CUBLARS...
まったくお手上げだ!
もし、この気違い沙汰がこのまま続くんなら、
50キュブラにはバイバイしてもいいかもな……。

[6>5}
BON SANG!
JE DOIS TROUVER UN MOYEN!
ちくしょう!
こうなったら何か手を打たなきゃ!

...SURTOUT QU'AVAC LA VITALITE LEGENDAIRE DE KILL,
CA POUVAIT DURER COMME CA TOUTE LA NUIT...
しかも、キルの野郎の絶倫さと言ったら尋常じゃないからたまらない。
見てみろよ、このまま一晩中でもやりまくりやがるぜ。

[6>6]
IL ALLAIT FALLOIR EMPLOYER LES GRANDS MOYENS!
どうやら、こいつにお出まし頂かなきゃならないようだ!

[6>7]
MINUIT MOINS DES POUSSIERES!
LE COUP DEMANDAIT UNE PRECISION PARFAITE!
午前零時までもう間がない!
一発で完璧に決めなきゃな!

S'IL NE REMUAIT PAS TANT!
頼むから騒がないでくれよ!

STONN!
バァァン!

[6>8]
BON DIEU!
MAIS CE CON M'A TROUE L'OREILLE!
くそっ!
このマヌケはどこのどいつだ?

LAISSE-MOI T'EXPLIQUER, KILL!
J'AI SIGNE UN CONTRAT AVEC LA PETITE...
ET C'EST LE...
この場は私に任せて! 事情を説明しよう、キル!
わたしはそこのレディーと契約を交わしている者です。
つまり、これは……

LE SALAUD! LE SALAUD!
JUSTE AU MOMENT OU J'ALLAIS ENFIN AVOIR MON ORGASME!
KILLY! MON LOUP, FAIS-LUI LA PEAU A CE SALAUD!
この馬鹿! 馬鹿!
もうちょっとでイキそうだったってのに!
キルちゃん、ねぇ、キルちゃん、そんなやつ殺っちゃって!

[7>1]
KILLY! TUE-LE!
JE VEUX SA PEAU!!! JE VEUX...
EARG! RAG! KOF KOF!
キル! 殺しちゃって!
殺っちゃて!!! 思い切って……、
殺し、うぐっ、げぇ、ゲホッ、ゲホッ!

GRRR!
ガルルル!

LA... LA FILLE!
お、おい、彼女が!

QUOI, LA FILLE?
何? 彼女?

[7>2]
BON DIEU!
クソっ、何なんだよこれは!

OUCH
痛てっ

[7>3]
EN FIN DE COMPTE, NIMBEA SUPER QUINQ ETAIT UNE VIEILLARDE
DONT L'HOLOMAQUILLAGE TOMBAIT A MINUIT
結局のところ、ネーベ・シュペール・キンクってのは実は老婆で、
彼女のホログラフィック・メイクは、午前零時までしか持たない代物だった、
というわけさ。
*「HOLOMAQUILLAGE」は「HOLO(類似)」と
 「MAQUILLAGE(化粧)」の合成語でしょう。
 「HOLO」は英語の「hologram(ホログラム、立体画像」などの
 構成要素となっている接頭語です。
 検索しても見事に『L'Incal』の解説しかヒットしないので(→)、
 この作品での造語と考えてよいと思います。
 思い切って「ホログラフィック・メイク」という言葉を
 新規に作ってみました。

VOUS ETES TOUS QUE DES SALAUDS DE BATARDS
このふにゃチンどもがっ!

LA FOUGUE AMOUREUSE DE KILL "TETE-DE-CHIEN"
AVAIT FAIT PERDRE LA TETE A CETTE SORDIDE CENDRILLON
というわけで、犬頭族キルの熱烈なる愛情は、
この醜いシンデレラへの愛情へと成り果てたのだった。

[7>4]
JE NE VOIS PAS LE RAPPORT ENTRE CETTE HISTOIR
ET CELLE DE SUICIDE-ALLEE! ALORS?
その話と自殺通りの事件との間にどういう関係があるんだ?
それでどうなった?

C'EST-A-DIRE QUE "TETE-DE-CHIEN" EST DEVENU COMME FOU...
IL S'ETAIT MIS DANS L'IDEE QUE C'ETAIT MOI LE RESPONSABLE DE
LA TRANSFORMATION DE NIMBEA...
IL S'EST MIS A ME COURIR APRES A TRAVERS LA FOULE DU "DAREDEVIL"
まあこういうわけで、犬頭族のやつは気が狂ったように怒り出しやがった。
やつは、ナーブの変化は俺に責任があると思ったようだ。
そこで、クラブ「デア・デビル」の人ごみを押し分けて
俺を追いかけて来やがったんだ。

IL Y A AUSSI UN TRUC...
IL GUEULAIT QU'IL SE VENGERAIT EN M'ARRACHANT LES OREILLES
POUR ME LES FAIRE MANGER
そのうえこうも言ってたな。
必ず復讐してやる、お前の耳を引きちぎって、
お前自身に食わせてやる、とか何とか。

[7>5]
JE REUSSIS ENFIN A LUI ECHAPPER EN UTILISANT UNE CONDUITE DE VENTILATION...
KILL ETAIT TROP GROS POUR ME SUIVRE
どうにか逃げ出すことが出来て、通風管にもぐり込んだ。
キルってのはとにかくでかいやつだから、俺を追っては来れなかったってわけさ。

[7>6]
セリフなし

[7>7]
UNE HEURE PLUS TARD, J'ETAIS COMPLETEMENT PERDU
一時間後、今度は俺が道に迷っちまってた。

[7>8]
LORSQUE SOUDAIN, UN FRACAS DE COURSE RESONNA
DANS L'IMMENSE ET NAUSEABOND COULOIR
突然、何かが走る大きな音が、
吐きそうなほど汚い大通路の中に響きわたったんだ。

SERAIT-CE KILL?
キルか?

[8>1]
CE N'ETAIT PAS KILL,
MAIS CA M'AVAIT TOUT L'AIR D'ETARE PIRE!
それはキルじゃなかった、
でも、俺にとっちゃそれよりも悪いものだったね。

QU'EST-CE QUE C'EST QUE CA?
な、何なんだありゃ?

[8>2]
JE N'AVAIS JAMAIS ENTENDU PARLER D'UN MONSTRE SEMBLABLE
..IL ME FONCAIT DESSUS COMME UN BULLDOZER
AVEC UNE EXPRESSION AUSSI AMICALE DANS LE REGARD!
あんな怪物見たことも聞いたこともなかったね。
やつはまるでブルドーザーのように俺に襲いかかって来やがった、
しかも、その目の中に愛(いと)おしそうな表情を浮べながらだぜ!

[8>3]
...MAIS CHANCE INOUILE,
CETTE ENORME CHOSE N'ETAIT ARRIVEE JUSQUE LA,
QUE POUR S'ECRASER ET MOURIR
しかし、思い付きもしなかったことが起こった。
そのデカブツは俺のところまではたどり着けなかった。
途中でくずれ落ちて死んじまったんだ。

J'EUS LE TEMPS DE DISTINGUER UNE CURIEUSE LAME FICHEE
DANS LE DOS DU MONSTRE
そのとき俺は、変わった刀が怪物の背中に刺さっているのに気がついた。

[8>4]
LE CHOC FUT SI VIOLENT QUE JE TOMBAI AUSSI SEC DANS LES POMMES
しかし、怪物が倒れた衝撃があまりに激しかったおかげで、
その後すぐに、俺も一緒に倒れて気絶しちまったってわけさ。

[8>5]
JE NE DEVAIS REPRENDRE CONSCIENCE QU'A SUICIDE-ALLE,
AVEC CES TROIS ENFOIRES QUI ME TABASSAIENT...
TU CONNAIS LA SUITE...
で、気が付いたら自殺通り、
あの馬鹿三人に殴られてたってわけさ。
その後のことはあんたも知ってるだろ?

ET BIEN ENTENDU
TU NE LES CONNAISSAIS PAS...
ET TU N'AS AUCUNE IDEE DE CE QU'ILS TE VOULAIENT...
ああ、もちろんだとも。
ヤツらのことなんて何も知らないって言いたいんだろう?
ヤツらがお前に何を求めていたのかについても、何も分からないってことだな?

BEN NON! AUCUNE IDEE!
D'AILLEURS, ILS AVAIENT DES MASQUES... ET...
ああ、知らないね! 何も分からない!
だいたい、ヤツらはマスクを被ってたし……、それに……、

[8>6]
..TE FATIGUE PAS... ON LES A IDENTIFIES...
DE PETITS TUEURS IMMATRICULES A L'"AMOK"...
IMPOSSIBLE DE CONNAITRE LUER COMMANDITAIRE...
O.K.... TU ES LIBRE, DIFOOL...
MAIS TU AS TORT DE NOUS CACHER LA VERITE,
CETTE AFFAIRE EST PUANTE!
ET TOUT CE QUE TU RISQUE DE GANGER, C'EST...
……悪あがきはよせ。ヤツらの素性ならもう判明している。
「AMOK」に登録されているケチな殺し屋だ。
依頼主を割り出すのはたぶん不可能だろう……。
オーケー、帰っていいぞ、ディフール。
しかし、ウソをついても無駄だからな。
どうもきな臭い事件だ。
そこまでしたって、どうせお前が得るものなんてのは……

...MAIS, J'AI DIT LA VERITE!
JE N'AI RIEN A CACHER MOI...
D'AILLURES TU PEUX TOUT VERIFIER : L'HISTOIRE DE LA VIEILLE,
TETE-DE-CHIEN LE CADAVRE DU MONSTRE, ETC...
いや、本当のことを言ってるさ!
全部、つつみ隠さず言ってるとも。
そんなに言うんなら、全部調べてもらったって構わないんだぜ。
年寄りの話も、犬頭族も、怪物の死体も、それから……

C'EST TON "ETC" QUI SENT MAUVAIS, DIFOOL!
ああ、分かった、分かった、「それから、それに、他には……」、
君の話にはうんざりだよ、ディフール!

[8>7]
BON SANG... PY A RAISON! BAH...
LE PLUS URGENT MAINTENANT EST DE ME REFAIRE UNE BEAUTE,
TROUVER DE QUOI FUMER ET M'HUMECTER LE GOSIER...
EN COMPAGNIE DE QUELQU'UN DE DOUX,
ROSE ET TENDRE!
くそっ……。PYのやつ、感づいてやがる! ……まあ、いいさ。
さあて、とりあえずこのナリをどうにかしなきゃな。
たばこでも吸って、渇いた喉もうるおして、
おんなの肌も恋しいぜ。若くてピチピチしたやつがな!
*「ROSE ET TENDRE」というのがイマイチよく分かりません。
 グーグルで検索するとそれなりにヒットする句なので(→)、
 慣用句だとは思うのですが、はっきりした意味が分かりません。
 形容詞を二つ並べた「バラ色で、年が若い」というような意味だと思い、
 上記のように訳しておきました。

PLUS TARD DANS UNE GALERIE D'ANIMATION DU QUARTIER FRANCAIS
この後、フランス地区のアニメーション・ギャラリーの場面につづく。
*「GALERIE D'ANIMATION(アニメーション・ギャラリー)」というは、
 この後ディフールが行く、いわゆるソープランドのことだと思います。
 [10>4]でパネルの中から好みの女性のパーツを選んでいる場面がありますが、
 これがまさしく「アニメーション・ギャラリー」なんじゃないでしょうか。
 ちなみに大祝日「Jの日」なので、この女性もロボットか何かなのでしょう。

TIENS! VOILA D'AILLEURS CE QU'IL ME FAUT
ふんっ! それに、やつも肝心のことには気付いてないしな。


[1-1/1-2/2-1/2-2/3-1/3-2/4/5]
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by moebius-labyrinth | 2004-09-03 23:56 |  『L'Incal 1』和訳
『L'Incal 1』和訳 第2章(1)
[1-1/1-2/2-1/2-2/3-1/3-2/4/5]


[10>0]
LE BAL DE L'INCAL
アンカルのダンス

[10>1]
"AU CREDIT SEXUEL DE LA REGION PARISIENNE"
TOUT A FAIT LE GENRE "ETABLISSEMENT RESPECTABLE"
QU'IL ME FAUT...
「セクシャル・クレジット・カード、パリ地区のやつで払うよ」、
住人全員が管理されている仕組み、
彼が提示を求めてるのは、そいつのカードさ。

ENTREZ "MONSIEUR" LE CREDIT SEXUEL EST A VOTRE SERVICE
ようこそムッシュー、セクシャル・クレジット・カードをご提示いただけますか?

[10>2]
JOHN B12
DIFOOL
21760037
CREDIT
CART
ジョン B12
ディフール
21760037
クレジット・カード

[10>3]
CRRZZZ
カタカタカタ

[10>4]
JE VAIS CARREMENT ME PAYER LE MODELE DE LUXE!
MERDE, J'EN AI BAVE...
JE MERITE BIEN CA!
今日は思い切って豪勢に行ってやる。
ちくしょう、たまんねぇ……。
ようし、これだ!

[10>5]
PLUS TARD
それからしばらくして……

MMH... UNE BOUTEILLE DE OUISKI, UNE BOITE DE SPV*,
UN CIGARE ET UN BAIN CHAUD... QUE DEMANDER DE PLUS?
ふぅ~、ウイスキーとSPV*、
葉巻と熱い風呂……、もう他には何にも要らねーな。
 *「OUISKI」というのは「ウイスキー」のことだと思うのですが、
 フランス語でウイスキーは「WHISKY」とつづります。
 ● My Tailor Irish > "whisker(prononcez "ouiski",...
 ● BabyCenter > "Ouiski Bayou(pronounced Whisky),... (google cache)
 上記のページの記述から判断するに、
 「OUISKI」は「WHISKY」の発音をそのまま写した語だと思われます。
 おそらく俗語的なニュアンスを出すために、
 わざとこのように綴ってあるのはないでしょうか。

*HALLUCINOGENE LEGER DE CONSOMMATION DOURANTE
*日常的に用いられている軽度の幻覚剤の名。

[10>6]
GOUZZI
CHERI...
イラ、イラッシャイマセ。
 *「GOUZZI>GOUZI」というのは、オノマトペで、
 「ゴシゴシ」と何かをこする音のようです。
 また、「グーグー」と寝息をたてる音も表すようです。
 ● gouzi(http://michelcambon.free.fr/hahaha/bd/...)
 ● Megalol>PHOTOS>ANIMALES>Gouzi Gouzi!
 ● ben qui c ceux la????>les potos>gouzi gouzi
 この娼婦はロボットなので、おそらく
 ロボットがしゃべる際に出るノイズのようなものを表現しているのだと
 思います。

YAOOU! VOILA CE QUI MANQUAIT
イェーイ! お待ちかねだぜ。

[10>7]
MAIS CE JOUR-LA, LE GAZOUILLIS DE L'HOMEOPUTE EST IMPUISSANT A
DISTRAIRE TOTALEMENT JOHN DES PENSEES QUI
ROULENT DANS SA TETE...
しかしその日、ロボット売春婦の甘いささやきはジョンの耳にはまったく入らず、
いろいろな考えが彼の頭のなかを駆け巡って、
まったく気晴らしにはならないのであった。
 *「HOMEOPUTE」は、「HOMEO(類似)」と
 「PUTE(売春婦)」の合成語でしょう。

DAMNATION!
くそっ!

[10>8]
...DES IMAGES QUI DEFILENT...
TOUT CE QU'IL A CACHE AU POLICIER MECANIQUE
……いろいろなイメージが浮んでは消えていった。
全部、ロボット警官には言わないでおいたことだ。

MERDE! QUELLE HISTOIRE!
くそっ! 何だったんだ、あれは?!

QU'EST CE QUE C'EST QUE CETTE BETE LA?
何だこの怪獣は?

EPINGEE COME UN PAPILLON!
こりゃあまるで、ピンで留められた蝶々の標本だな。

VDAM
バタン

[11>1]
OUSTA!
オラッ!

BORDEL!
J'AURAIS JAMAIS CRU QUE LES CONDUITS D'AERATION DE
CETTE PUTAIN DE VILLE SOIENT SI PEUPLES!
で、次はこれだよ。
このクソみたいな街の通風管に人が住んでるなんて、
思いも付かなかったぜ。

...ET JE RARIE QUE VOILA LES GARS QUI LUI ONT GENTIMENT PLONGE
L'EPINGLE DANS LE DOS
ああ、つまり、あの可愛い坊やたちが、
ご丁寧にもここに潜り込んで、こいつの背中にピンを刺した、
ってことなのか。

[11>2]
OUSTAAAAA
オラオラァァァァァ!

CHACUNE DE CES CHARMANTES BESTIOLES DEVAIT
PESER DANS LES HUIT CENTS LIVRES...
その可愛い怪物ちゃんどもときたら、
一匹あたり400キロはありそうなデカブツばかりだ……。

[11>3]
ZTOMPPP!!
ズドンッッッ!!

PAS LA PEINE DE GUEULER COMME CA!
まあ、そうガナリたてんなよ!

HEUREUSEMENT, J'AVAIS DE QUOI LES CALMER...
JE REGLAI MON VIPER-POLICE SUR
LA POSITION "BALAYAGE PARALYSANT SPECIAL ANTI-EMEUTE"!
MEME PAS LA PEINE DE VISER...
ついてたのは、そいつらを黙らせる道具を持ってたってことだ。
俺は、自分のヴァイパー・ポリスガンの出力を
「対暴動掃射用スペシャル・スタン・モード」に調整した。
これだといちいち狙いを定める必要がないからな。
 *「VIPER-POLICE」というのは英語で、直訳すると「毒ヘビ警官」です。
 たぶん「VIPER-POLICE」で、「無軌道な警官、アウトローな警官」
 というようなニュアンスがあるのではないかと思います。
 ここでは、ディフールがぶっぱなしている銃(のようなもの)
 の名前と見て間違いないでしょう。

[11>4]
JAMAIS VU CE GENRE D'HORREURS AUPARAVANT!
PEUT-ETRE UNE NOUVELLE RACE DE MUTANTS...
こんなおぞましい奴ら見たことないぜ。
新種のミュータントか何かか?

ILS EN AURAIENT POUR UNE PETITE HEURE ET
SE REVEILLERAIENT AVEC UNE BONNE GUEULE DE BOIS...
小一時間もすれば意識を取り戻すはずだ。
しばらくは足腰立たないだろうがな。

OU ALORS UNE VARIETE NON REPERTORIEE D'EXTRA-TERRESTRES?
...QUELLE EPOQUE!
それか、何かの変種か? 新発見の地球外生物とか?
えらい時代になったもんだぜ。

EEEK! EEEK!
ウゥゥゥ~、ウグゥゥゥ~。

[11>5]
LA SURPRISE, C'EST QUAND J'AI CONSTATE QUE
MON EPINGLE VIVAIT TOUJOURS...
MEME QU'IL PARLAIT "CITIZEN" COMME VOUS ET MOI
驚いたことに、標本ピンのやつはまだ生きていやがった。
そのうえさらに、俺やあんたらと同じように
「市民語」を話し始めやがったんだ。

AVEC UNE PETITE TRACE D'ACCENT BAS-NIVEAU...
地下階なまりがあったな。

[12>1]
JOHN DIFOOL EEK... ECOUTE!
ATTENDS! J'AI QUELQUE CHOSE POUR TOI!
ジョン・ディフール、ウググ……、聞いてくれ!
たのむ! あんたに渡したい物があるんだ!

?


AH OUAIS! HEU... ET... MAIS... DIS DONC!
COMMENT TU CONNAIS MON NOM?
えっ? えーと……、その……、でも……、何なんだよ、まったく!
なんでお前が俺の名前を知ってるんだよ!

[12>2]
PRENDS CA! J...JOHN DIFOOL! C'EST IMPORTANT
これを! ジョ、ジョン・ディフール! 大切な物なんだ。

ALORS, CETTE... CETTE... CHOSE CONNAIT MON NOM...
CA.. CA C'EST LA MEILLEURE!
何? これ? これって……、これに、俺の名前でも書いてあるのか?
これは……、こ、こりゃあすごい。

VITE!
はやく!

[12>3]
GARDE-LE! PRECIEUSEMENT!
DE CET OBJET DEPEND NON SEULEMENT LE SORT DE CETTE PLANETE,
MAIS CELUI DE CET UNIVERS!
これを守ってくれ! 大切なものなんだ!
この物体にこの星の命運が掛かっている、
いや、宇宙全体の命運が掛かっているんだ!

DE CET UNIVERS!?
宇宙全体の!?

LE MUTANT N'ALLAIT PAS FORT...
IL... IL "FONDAIT" MAIS JE COMMENCAIS A EN AVOIR MA CLAQUE ET
FIS CELUI QUI N'AVAIT RIEN VU...
ミュータントの言っていたことは誇張なんかではなかった。
ヤツは確かに本当のことを言っていた。
しかし、そのとき俺はいい加減ヤツの話にうんざりし始めていて、
ほとんど耳を貸しちゃあいなかったんだな。

C'ETAIT UNE PETITE BOITE SANS RIEN DE PARTICULIER...
A PART CETTE CURIEUSE SENSATION...
それは、なんとなく変な雰囲気を持ってはいたものの、
どこといって特徴のない、ありふれた一つの小さな箱でしかなかった。

[12>4]
QU'EST-CE QU'IL Y A DANS CETTE FOUTUE BOITE?
このぼろい箱のなかに何か入ってでもいるのか?

L'INC... L'INCAL! ARGGH..
アンク……、アンカルだ! ウググゥゥ……。
 *「INCALCULABLE」(数え切れない、はかり知れない)
 という語があるのですが、
 この「INCAL」という名前は、そういった語との連想から、
 「何か得体の知れないもの、はかり知れないもの」
 というようなニュアンスを持ちうる語なのではないかと思います。

L'INCAL!? QU'EST-CE QUE C'EST QUE CET ENGIN, ENCORE?
アンカル? だからさ、それって何なんだよ?

LA! ON DIRAIT QUE CA SOUVRE
なんか凄そうなシロモノだな。
 *「souvre」という語がよく分かりません。
 前後の文脈から推測して訳文を作ってあります。

[12>5]
?


[12>6-7]
セリフなし

[13>1]
JAMAIS JE NE M'ETAIS SENTI SI MAL DANS TOUTE MA PUTAIN DE VIE!
CETTE LUEUR M'AVAIT TRANSPERCE LE CRANE DE PART EN PART!
ET C'ETAIT PAS TOUT!
PENDANT CE TAMPS LA,
L'EPINGLE S'ETAIT MIS A SE DECOMPOSER A TOUT ALLURE!
気分が悪くなるとか、そういうことはほとんど無かったんだが、
まるでその光に、俺の頭のなかを刺し貫かれるようだった。
しかも問題はそれだけじゃあなかった。
俺がそうしている間に、
標本ピンのヤツが見る見るうちに腐って行ってやがったんだ。

TU N'ES PAS DROLE GOUZI GOUZI...
TU N'ARRETES PAS DE PENSER A AUTRE CHOSE!
モウ、困ッチャウワ。
ズ~ットウワノ空ジャナイ。

JE PENSE A CE QU'IL Y AVAIT A L'INTERIEUR DU CORS DE LA BETE
で、その怪物の死体の中から出てきたもの、ってのが問題なんだよな。
 *「CORS」というのは「COR」の複数形で、
 「角笛、らっぱ、ホルン、鹿の角の枝」
 もしくは「うおのめ、たこ」というような意味の語です。
 つまり、上の文を直訳すると、
 「俺はあの怪物のラッパのなかにあったものについて考え事をしていた。」
 というような意味になります。
 これでは全く意味が通りません。
 「CORS」というのは「CORPS(死体)」の誤りだと思います。

[13>2]
...ET QUAND JE REVINS A "MOI"
……で、俺が正気に戻って見ると……

UN CORPS FACTICE, MEERDE!
うわっ、何なんだ、この死体のありさまは? 

?!
?!

[13>3]
ET... A L'INTERIEUR DE CE CORPS FACTICE EN DECOMPOSITION...
で、すっかり腐っちまったその奇妙な死体のなかに……

UN BERG!
バーグ族じゃないか!

[13>4]
C'ETAIT LE BOUQUET!
J'AVAIS MIS LE DOIGT DANS UN ENGRENAGE A
EMMERDEMENTS D'UNE TAILLE REELLEMENT COSMIQUE...
まったく何てことだ!
その時俺は、本当に宇宙規模の厄介ごとに巻き込まれちまっていたんだ。

ENFIN, APRES DEUX BONNES HWURES DE CAVALDACE
たっぷり二時間は走り回った後に……。

HAAAA! UNE SORTIE
ふぅ~~、出口だ。

[13>5]
CA FAISAIT DES ANNEES QUE LES SONDES SPATIALES
NOUS REBATTAIENT LES OREILLES AVEC
UN SOIDISANT EMPIRE BERG QUI PARAIT-IL,
DEBOULAIT DE LA CONSTELLATION DU CYGNE DANS L'INTENTION DE
NOUS RAYER DE LA CARTE DU CIEL!
CE QUE JE VENAIS DE VOIR ETAIT PLUS CONVAINCANT QUE
LES VAGUES CLICHES PRIS JUSQU'A PRESENT PAR SATELLITE!
俺たち人類の宇宙観測船が、
いわゆる「バーグ」帝国の存在を最初に確認してからもう何年も経つ。
ヤツらは白鳥座から、
人類を宇宙空間から抹殺するために襲来して来たのだ。
俺がたったいま見聞きしたことは、
いままで星団中で囁(ささや)かれて来たどんな噂よりも、
事の核心に迫っているはずだ。

AINSI, CES FOUTUS BERGS EXISTENT VRAIMENT!
C'ETAIT DONC PAS UN BOBARD DE LA PROPAGANDE
まさか本当にバーグ族のやつらが居やがったとはな。
あの話は嘘じゃなかったんだ。

[14>1]
MAIS SI... C'ETAIT TRES BIEN, CHERIE!
TRES CHOUETTE!
アラッ、ドウシタノ? トッテモ良カッタワヨ、ネエッテバ!
トッテモ素敵ヨ。

GOUZI GOU!
ネエ、ネエッテバ!

[14>2]
LE TRAJET JOSQU'A MON CONAPT FUT SANS HISTOIRE!
自分のコナプト(アパートメント)に着くまでは、
とくに何の問題もなかった。
 *「CONAPT」はアパートメントの一種です。
 くわしくは
 [『The Long Tomorrow』和訳>〔1/5>3>4〕の注
 を参照してください。

SALUT DEEPO!
C'EST BON D'ETRE CHEZ SOI, A L'ABRI! EN SECURITE!
よう、ディーポ!
自分の家まで来りゃあもう大丈夫だろう。安心しろ、もう安全なはずさ。

A L'ABRI... EN SECURITE...
C'EST CE QUE J'AI CRU PENDANT UNE BONNNE DOUZAINE DE SECONDES
安心しろ……、安全なはず……、
そう思ったのも束の間……

[14>3]
SDOOM SDOOM OUVRE!
ドンッ! ドンッ! 開けろ!

QUE FAIRE DE CE TRUC!?
COMMENT EN TIRER UN PAQUET DE FRIC?!
こいつのせいで一体何が起こってるってんだ?!
大金でも絡んでんのか?

MERDE! QU'EST CE QUE C'EST ENCORE?
くそっ! 今度はいったい何だ?

[14>4]
IL ME FAUT UNE CACHETTE GENIALE DANS LA SECONDE QUI VIENT...
やばいな、どこか上手い隠し場所でもあれば……、

CROOOU!
クルゥゥゥ~!

SDOOM SDOM
ドンッ ドン

[14>5]
ROCHT!
ボコッ!

[14>6]
EVIDEMMENT,
ILS ETAIENT EQUIPES DE GENERATEURS DE CHAMPS DE FORCES
ANTI-ANTI-EMEUTE
JE POUVAIS ROUTRE MON INHIBEUR A LA POUBELLE!
ET JE SAVAIS DEJA CE QU'ILS VENAIENT CHERCHER!
どう見たってそいつらは、
「反・反・暴動」とか言いながら無茶をやらかす類のやつらだった。
俺はそのカス野郎どもに威嚇発射を食らわしてやった。
やつらの目的はもうはっきりしていたしな。

DES TUEURS DE L'AMOK!
AMOKの殺し屋どもだな!

C'EST BIEN LUI! SURTOUT NE TIREZ PAS!
IL DOIT RESTER VIVANT! ET CONSCIENT!
ヤツだ! 銃は使うな!
生け捕りにしろ! 意識も失わせるな!




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by moebius-labyrinth | 2004-09-03 23:55 |  『L'Incal 1』和訳
『L'Incal 1』和訳 第2章(2)
[1-1/1-2/2-1/2-2/3-1/3-2/4/5]


[15>1]→画像
OU L'AS-TU CACHE? PARLE!!
どこに隠しやがった! 言え!!

FOUILLONS LE CONAPT!
コナプト中を探せ!

J...JE VOIS PAS DE...DE QU...QUOI...V...VOUS...
な……何のことだよ……、あんた……あんたら、あんたらの……、

[15>2]
CE QUI EST BIZARRE C'EST QUE J'AI PLUSIEURS FOIS TENTE D'AVOUER...
MAIS CHAQUE FOIS... LES MOTS SE BLOQUAINET...
何回も白状しそうになったってのに、
どういうわけかその度に口ごもっちまって……。
あれは、一体どうした事だったんだろうな。

EN TOUT CAS, CES SALAUDS N'ONT RIEN TROUVE...
RIEN QUE LA MORT SOUS LE PONT DE SUICIDE-ALLEE
まあとにかく、あの馬鹿どもは何も見つけられなかった。
せいぜい自殺通りの橋のうえで、「殺すぞ」とか何とか脅しをかけたぐらいさ。

HE HE!!!
FAUT CROIRE QUE MA CACHETTE ETAIT PASSI MAUVAISE!
へっへっ!! 「うまく隠しやがって」とか何とか地団太踏んだに違いない!

[15>3]
DIFOOL,
QUI A DU SORTIR CINQ CUBLARS DE SON COMPTE POUR PAYER L'HOMEOPUTE
DOIT MAITENANT REGAGNER SON NIVEAU PAR
LA NAVETTE DE TRANSPORTS EN
COMMUN, PUANTE, BRUYANTE, MAIS ECONOMIQUE.
それからディフールは、自分の口座からロボット娼婦に5キュブラを払うと、
シャトルバスに乗って自分のコナプトがある階まで帰ることにした。
シャトルバスというのは、
臭いがひどくて騒がしいのを我慢すれば料金の手頃な交通機関のことだ。

[15>4]
LE PLUS CHIANT, MAINTENANT,
CE'EST QUE JE SUIS FORCE DE PASSER AU CONAPT!
さてと、コナプトまで戻るのがまたひと仕事だな。

[15>5]
MERDE! JE SENS QU'ON ME SUIT!
LES FLIKS? OU LES TUEURS?
くそっ! つけられてる! 
フリックの奴らか? 殺し屋の方か?

OU AUTRE CHOSE?
それともまだ他にいるのか?

EN EFFET... CE NEUVIEME CLONAGE PRESIDENTIEL S'ANNOUCE
COMME UN EVENEMENT DE TOUTE PREMIERE...
……そうなのです、この九体目のクローン大統領は、
まるで本人そのもののように仕事をこなすことができるのです……

[15>6]
BON DIEU... SI TANT DE MONDE CONVOITE CE TRUC...
くそっ……、まったく何人のやつらがあのブツを欲しがってるってんだ……。

...L'INCAL...
……アンカルか……

C'EST QU'IL Y A UN BON PAQUET CE CUBLARS A LA CLE
当然、ばくだいな金が動いているに違いない。

DEDUCTION FACILE... L'AFFAIRE DE MA VIE!
……となるともちろん、俺の命も狙われてるってことになるだろうね。

[15>7]
MERDE! MAIS QU'EST-CE QU'ILS ONT, LES CIGARES, AULOURD'HUI
ちくしょう! 
まあ、やつらが何者だろうと、今の俺にはタバコの方が問題なんだが。

POUAH!
うわっ!

[15>8]
QU'EST DE QUE C'EST ENCORE QUE CE BORDEL,
AVEC TOUS CES CONNARDS QUI BLOQUENT LA PORTE DE MON CONAPT!?
またかよ、今度は何の騒ぎだ!?
何だよこいつらは、コナプトに帰れないだろうが。

D'ICI ON LE VOIT PAS!
ここからじゃ見えないよ!

PUSSEZ PAS DERRIERE
押すなよ。

Y A DES MALADES
おい、病人がいるんだぞ。

[16>1]
LAISSEZ-MOI PASSER... ALLEZ! CIRCULEZ!
C'EST CHEZ MOI, ICI!
ちょっと通してくれよ……、おい、どけよ!
俺の家だぞ。

MERDE, MAIS QU'EST CE QUE CA VEUT DIRE?
くそっ、まったく、何の騒ぎだ?

PARAITRAIT QU'Y A UN OISEAU QUI PRECHERAIT,
LA-DEDANS DEPUIS CE MATION, PERCHE SUR UNE ARMOIRE...
Y AURAIT DEJA EU UN TAS DE GUERISONS TOUTES
PLUS MIRACULEUSES LES UNES QUE LES AUTRES,
SI VOUS VOYEZ CE QUE JE VEUX DIRE...
神の教えを説く鳥、ってのがいるらしいぜ。
今日の朝から、家のタンスにとまってしゃべり続けてるってぇ噂だ。
来た人間来た人間全部病気を治しちまうってんだから、
すげぇ奇跡さ、聞いたこと無ぇ。
おい、聞いてんのか、俺の話?

TOUS LES CREVARDS DE CE NIVEAU ARRETENT PAS DE RAPPLIQUER
おかげで、この階の病弱な奴らが大集合ってわけさ。

L'OISEAU SACRE!
おお、神聖なるお鳥さま!

C'EST DES BOBARDS!
ウソこけよ!

MOI J'Y CROIS
おれぁ信じるぜ。

ON VOIT RIEN!
見えねぇぞ!

REGARDEZ! JE SUIS GUERI!
ほら、これ! 治してもらったんだ!

MIRACLE!
奇蹟だ!

C'EST MON TOUR!
今度ぁおれの番だぞ!

[16>2]
APRES UNE DEMIHEURE D'EFFORTS
30分ばかり押し合いへし合いをした後……

FAITES LE PASSAGE, MERDE! SORTEZ TOUS DE CHEZ MOI!
通してくれ! くそっ! おまえら俺の家から出て行け!

ECRASE PAPA!
押してよ、パパ!

JE VEUX GUERIR, MOI AUSSI!
LAISSEZ-MOI L'APPROCHER BANDE D'ENFOIRES
ワシの病気も治して下され!
邪魔じゃ、退けっ、このタワケめらがっ。

IL EST BEAU COMME UN AIGLE
まるで鷲のように気高くてらっしゃるわ。

COMME UN ANGE DU CIEL!
空から天使さまが舞い降りたんだわ!

REPENTEZ-VOUS!
汝らの罪を悔い改めよ!

CODES
法律
(ディーポがとまっているタンスのうえに置かれている本の題名)

[16>3]
C'EST PAS VRAI! JE REVE
馬鹿な! 夢でも見てるのか?

[16>4]
AINSI SEULS UN REPENTIR SINCERE ET UNE PURIFICATION RADICALE PURRONT
VOUS AS SURER UNE VERITABLE...
しかるゆえ、汝らは、ただ一度、衷心より悔悛し己を清めることによりて、
至上にして正真なる……

VIVE L'OISEAU PROPHETE!
預言者お鳥さま、ばんざい!

IL BRILLE COMME UN ARISTO!
あの輝き、まるで貴族「アリスト」方々のようだわ!
 *「ARISTO」は
 おそらく「ARISTOCRATE(貴族、上流階級、特権階級)」の
 略だと思うのですが、
 [5>4]で、
 背光を背負っているキンクのことを指す語としても
 使われているところを見ると、
 おそらくこの物語独自の用語で、
 この世界における「貴族」を指す語として使われているようです。
 そして、貴族は全員キンクのような背光を背負っている、
 という設定なのでしょう。

GUERIS-MOI!
私をお治しください!

DEEPO!?
ディーポ!?

[16>5]
UNE VERITABLE REDEMPITON.
CAR, LES AMIS, LES TEMPS VIENNENT OU L'ARCHANGE VA DETRUIRE
CETTE MONSTRUEUSE CITE!
正真なる贖罪を果たし得るなり。
なんとなれば、汝らよ、時は来たれり!
今こそ大天使さまが、この汚辱に満ちた街を破壊せん!

OISEAU!
お鳥さま!

OISEAU SACRE! JE SOUFFRE TANT!
聖なるお鳥さま! 苦しい、とても苦しいのです!

ET MOI!,
J'AI PAS ETE A LA SELLE DEPUIS TROIS MOIS!
私もです!
もう三ヶ月も、排便もままなりません!

[16>6]
PSST! DEEPO! C'EST MOI... JOHN!
おい! ディーポ! 俺だよ……、ジョンだよ!

...OU L'ARCHANGE VA REDUIRE CE MONDE D'INFAMIE EN CENDRES...
OU L'ARCHANGE...
……大天使さまが、
この汚辱と痛恨に満ちた世界を浄化せん時なり……。
大天使さまが……

JE SUIS GUERIE! MIRACLE! MIRACLE!
治ったわ! 奇蹟よ! 奇蹟だわ!

[16>7]
LAISSE-MOI, DIFOOL! ARRIERE!
JE N'AI PAS FINI DE REVELER CE QUI DOIT ETRE REVELE!
邪魔するなよ、ディフール! ひっこんでろよ!
啓示の真っ最中なんだ。すごく大切な事なんだぞ!

EH LA! QUE FAIT CE TYPE SUR L'ARMOIRE!
おい! あいつ、タンスのうえに上がってるぞ、
何てことを!

ARRETEZ-LE!
止めろ!

DEEPO! ARRETE UN PEU TES CONNERIES MEERDE!
IL FAUT FILER D'ICI!
ディーポ! なんだその与太話は!
ここがバレちまうぞ!

[17>1]
ATTENDS! LES HOMMES DOIVENT SAVOIR CE QUI ATTEND LEUR CITE!
止めろよ! この街のことだぞ、人間たちに教えてやらなきゃ!

DEEPO, JE VOIS QU'UNE SOLUTION!
ディーポ! それなら良い手を知ってるぜ!

SACRILEGE
冒涜だ!

ARRETEZ-LE! C'EST UN DINGUE!
止めろ! 気違いめ!

[17>2]
TU VAS LE CRACHER, HEIN ...FOUTU BESTIAU
さあ、吐き出せ、ほらっ、……バカ鳥がっ!

L... LE FEU ARGH!
あ……、熱い! うげぇっ!

AT... ATTENDS!
や……、止めて!

SALAUD LACHE-LE!
馬鹿野郎! 放せ!

ROOOH!
うぉーーー!

[17>3]
AH! PAS TROP TOT!
おう、やっと出た!

[17>4]
CROOOK CROOT CRRT!
クルゥゥゥー クルゥゥー クゥゥー!

A MORT!!
殺れ!!

ON VA T'ARRANGER MON POTE!
こいつを食らわせてやる!

A MORT
殺せ

L'OISEAU A ETE PROFANE!
なんだ? あの鳥は神じゃなかったのか?!

ETRIPONS-LE!
のしちまえ!

LACHEZ-MOI TAS DE MALADES
放せよ。気違いどもめ!

MES YEUX! J'Y VOIS PLUS RIEN!
目が! 何も見えない!

[17>5]
SOUDAIN
その時突然

STAC STAAK STAAK
ストッ ストッッ ストッッ

ARGH!
うわっ!

[17>6]
ALORS*?
あれか?

*TRADUCTION INSTANTANEE
*同時通訳

AKARAR!
IL EST LA!
J'AI VU SON ECLAT A TRAVERS SES DOIGTS
アカラール!
あれだ!
あの光、ヤツの指から漏れてたのと同じだ。
 *「AKARAR」が分かりません。
 ロシア語ではないかと思われるのですが、
 語の意味を特定するには至りませんでした。
 以下のサイトを参考に、固有名詞(人名)として解釈してあります。
 ● 4x10.COM>Alev Akarar
 ● eFair>AKARAR.COM PTE LTD

QUI C'EST CES AFFREUX??
何だこのバケモノは??

HIIIIII!!!II
Y A DES MORTS..!!....
ヒィィィィィィィィィ!!!
死んでる!!

DES...DES BERGS!
あ、あいつらは……、バーグ族だ!

[17>7]
BON DIEU! UN COMMANDO BERG!
ILS ONT DECOUPE LA PAROI AU LASER
ちくしょう! バーグのコマンドーじゃねーか!
レーザーで壁をくり抜きやがった!

DES BERGS!
バーグ族だ!

C'EST IMPOSSIBLE
そんな、まさか。

ILS VIENNENT POUR L'INCAL!
アンカルのことを嗅ぎつけやがった!

MAIS PU // E L // UE CE SONT //ES BERGS
しかし、      バーグ
 *さすがにこれは分かりません。

QU'EST-CE QU'ON FAIT MAINTENANT, CHEF?
AVEC TOUTE CETTE FOULE, ON POURRA JAMAIS L'ATTEINDRE!
どうしますか、隊長?
この人込みでは目標を特定できません!

NE VOUS INQUIETEZ PAS DE CA ET SUIVEZ-MOI!
心配はいらん。あとに続け!

[18>1]
YAAAAAKK YAKK!
ヤァァァァァーー、ヤァーー!

A L'ATTAQUE!
攻撃開始!

CROOT CROT ROTT CROOT!
クルゥゥー クルゥー クルゥーー!

AAARH
ウワァァァーー

ON CROIT REVER!
ちくしょう!

HELP
タスケテ

NOOON
やめろぉぉぉ

AU SECOURS
助けて

[18>2]
SOUDAIN, UN ECLAIR AVEUGLANT
突然、一条の閃光がひらめいた。

IL NE PEUT PAS S'ECHAPPER! JE
逃さんぞ! 私が、

[18>3]
TROUVEZ L'INCAL!
アンカルを探せ!

IL FAUT D'ABORD DETRUIRE LE COMMANDO BERG
バーグのコマンドーを片付けるのが先だ。

QUI C'EST CEUX-LA ENCORE?
こっちもか?

!! LES MUTANTS
ミュータントだ!

[18>4]
LES W.C.! C'EST MA SEULE CHANCE!
W.C.の奴らだ! しめた!

[18>5]
LA POLICE ENTRE DANS LA DANSE
ついに警察のお出ましだ。

CA CHAUFFE!
ENVOYEZ D'URGENCE TROIS BRIGADES ANTI-EMEUTE
AU SECTEUR "COLLINE 210"
火だ!
対暴動部隊を三隊、緊急出動させろ。第210丘陵地区だ。

AU SECOURS!
助けて!

BOOM
バーーン

TANG
ガーン

CHERS T.V.ADDS! LA CONFUSION EST A SON COMBLE!
こんにちはアド・テレビです! 
事態はいままさに、混迷の極致に達しようとしています!
 *「T.V.ADDS(アド・テレビ)」というのはテレビ局の名前のようです。

LES FLIKS RAPPLIQUENT
フリックのやつらも出張ってきやがった。

LES REPORTERS DE TELE LOCALE AUSSI
おまけに、地元テレビ局のレポーターまでだ。

[19>1]
UN QUATRIEME PROTAGONISTE,
ENCORE PLUS MONSTRUEUX EMERGE TOUT A COUP DES
PROFONDEURS DE LA CITE
さてここで、物語の四番目の登場人物、
いままでよりももっとバケモノじみたやつらが、
この都市の最深部から、舞台へ登って来ることとなる。

CCRASHH
ドカァーーン

CIRCULEZ!
下がって!

CHERS T.V.ADDS!
C'EST A UNE VERITABLE BATAILLE QUE NOUS ASSISTONS...
LE SECIEUR SOLLINE 210 VIT DES INSTANTS TRAGIQUES...
SELON LES RUMEURS, UN COMMANDO BERG...
OUI, JE REPETE : UN DOMMANDO BERG SE...OH!
VOILA DU NOUVEAU...
UN ROBOT DE COMBAT VENU D'ON NE SAIT OU...
こんにちわ、アド・テレビです!
現場はまさにいま戦闘の真っ最中です……
第210丘陵地区で凄惨な光景が繰り広げられています……
聞くところによりますと、バーグ族のコマンドーが……
……そうです、そのとおりです、バーグ族のコマンドーが……うわっ!
また爆発です……
未確認の戦闘ロボットもいるようで……

KBANG STOMP! TAC TAKTAK
バン ドン! ガチャッ ガチャガチャ

AU SECOURS
助けて

C'EST DINGUE!
狂ってる!

REGARDEZ CA!
UN ROBOT DE COMBAT...
おい、見ろ!
戦闘ロボットだ……

[19>2]
CEPENDANT...
その間に……

REHH
ルゥゥー 

KOF KOFF
ゴホッ ゴホッッ

[19>3]
SUPER! LA VOIE EST LIBRE!
よし! こっちの道は大丈夫だ!

[19>4]
CROOTTTT
クルゥゥーーーー

NE BOUGEZ PAS!
動くな!

OH NON...
くっ、ちくしょう……

[19>5]
LES...LES BOSSUS DU PRESIDENT!
QU'EST-CE QUE VOUS ME...
お、お前ら……大統領の「せむし」部隊!
俺に一体何の……

NE POSEZ PAS DE QUESTION...
MONTEZ DANS LE GLISSEUR!
お前に質問する権利などない。
グライダーに乗れ!

VITE! ON VIENT PAR ICI!
急げ! こっちから行く!

[19>6]
PFFF...
SI LE PRESIDENT S'Y MET LUI AUSSI, Y A PLUS QU'A TIRER L'ECHELLE...
MOI J'ABANDONNE... IL VEUT L'INCAL...IL L'AURA!
ふん……、
大統領まで噛んでるとなると、こいつは相当でかいヤマだな。
それにしてもやばい、
大統領がアンカルをご所望となると、いよいよ守りきれそうにないぜ。




[1-1/1-2/2-1/2-2/3-1/3-2/4/5]
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by moebius-labyrinth | 2004-09-03 23:54 |  『L'Incal 1』和訳
『L'Incal 1』和訳 第3章〈1)
[1-1/1-2/2-1/2-2/3-1/3-2/4/5]


[20>0]
SON OPHIDITE MAJEURE
オフィディット閣下

[20>1]
CHERS T.V. ADDS,
NOUS SOMMES A L'INTERIEUR DU PALAIS
VOLANT A L'OCCASION DU CLONAGE PRESIDENTIEL...
LE 9eme COMME VOUS LE SAVEZ TOUS...
LE CORPS ENTRANT ET LE CORPS SORTRANT SONT EN PLACE PARMI
LE MERVEILLEUX APPAREILLAGE DE LA TECHNIQUE TECHNO!
やあ、アドテレビの時間だ。
ぼくはいま空中宮殿のなかにいる。
いまから大統領のクローンが造られるところさ。
君たちも知ってのとおり、大統領のクローンは今回で九体目。
新しいボディーと古いボディーが、
テクノ・テクニクスのエクセレントな施設のなかで
いま準備についたところだ!

[20>2]
...LE NOUVEAU CORPS EST MAGNIFIQUE!
DEUX METRES VINGT DE HAUT...
CENT DIX KILOS DE MUSCLES EN SUPER CONDITION.
ワオ! 今度のボディーはとびっきりクールだね!
身長は2メートル20センチ、
スーパー・モードなら、筋力1000キロを叩きだすそうだぜ。

...25...24...
...23...22...
……25……24……
……23……22……

[20>3]
C'EST LONG!
まだですか?!

...21...20...19...
……21……20……19……

QUE SON OPHIDITE MAJEURE ACCEPTE DE PATIENTER ENCORE
QUELQUES SECONDES
オフィディットさま、いましばらくお待ちください。

[20>4]
.18...17...
..16..
…18……17……
…16…

KABOS AS-TU DES NOUVELLES DE L'INCAL, ET DE CE JOHN DIFOOL?
カボ君、アンカルの件はどうなりました?
ジョン・ディフールは?

[20>5]
...JUSQU'AU COU... J'Y SUIS JUSQU'AU COU!
……やばいぞ、やばくなって来やがった!

IL EST ICI, SON OPHIDITE MAJEURE...
MAIS IL N'A PAS L'OBJET SUR LUI...
彼を連れてきました、オフィディット閣下。
しかし、問題のものは持っていないようです。

..15...14...
..13...12...
...11...10
……15……14……
……13……12……
……11……10

COMMENT?
何ですって?

[20>6]
FAITES FOUILLER TOUT LE SECTEUR CONCERNE...
ET FAITES LE PARLER
付近一帯を徹底的に捜索させなさい。
あと、尋問も忘れずに。

...9...8..
……9……8……

ENTENDU...
JE VAIS M'EN OCCUPER PERSONNELLEMENT, SON OPHIDITE MAJEURE
分かりました、オフィディット閣下。
このカボめが、かならずや発見してご覧に入れます。

[20>7]
...7...6..
...5...4..
……7……6……
……5……4……

DANS TROIS SECONDES!
あと3秒ですよ!

DANS LA SALLE DE CLONAGE, SOUS L'OEIL DES SPECIALISTES TECHNOS,
DES INVITES ARISTOS DES HAUTS NIVEAUX,
ET DES QUELQUES MILLIARDS DE CITADINS RIVES A LEUR 3D.T.V...
LE MIRACLE DU TRANSFERT S'ACCOMPLIT...
テクノの技術者や、今日招待された上階に住む貴族たち、
そして、3Dテレビに釘付けになっている多くの市民たちの環視のもと、
クローン・ルームのなかでは、
いままさに「転送」実験が行われようとしていた。

[21>1]
NON! KABOS! J'AI UNE MEILLEURE IDEE...
いや! ちょっと待ちなさい、カボ君。
いいことを思いつきましたよ……。

..JE VAIS M'OCCUPER...
…私が直接……

...3...2...1...0...TENSION
……3……2……1……0……転送開始。

[21>2]
COMMENCEZ IMMEDIATEMENT LA MOMIFICATION...
ただちにミイラ化作業を開始しろ。

...PERSONNELLEMENT DE CE JOHN DIFOOL!
……直接、ジョン・ディフール君に会うことにしましょう。

CONDUISEZ-LE A LA SALLE DES PETITES FETES D'AMOUR!
J' ARRIVE!
彼を「愛の祭典」室へ通しなさい。私もすぐに向かいましょう。

[21>3]
BRAVO!
LE CLONAGE PRESIDENTIEL S'EST DEROULE A LA PERFECTION...
ブラボー!
大統領の完璧なクローンの誕生だ!

...ET APRES CE GRAND SPECTACLE POLITIQUE,
NOUS ALLONS, CHERS T.V. ADDS,
REPERENDRE NOTRE PROGRAMME DE JEUX:
PIPI CACA POPO!
さあみんな、
グレイトな政治ショーは楽しんでもらえたかな?
ひきつづき、アド・テレビのバラエティーでお楽しみいただこう。
……うわーい、うんこうんこ、おしっこうんこ!えへへへー!
 *最後の一行が意味不明だとは思うのですが、
 「PIPI」「CACA」「POPO」は、それぞれ子供のことばで、
 「おしっこ」「うんこ」「うんこ」の意味です。
 いくらなんでも文意が不明なので、
 テレビの音声が途切れ途切れに聞こえて来る様子を、オノマトペで
 「ピピ、カカ、ポポ」というふうに表現しているのかとも思うのですが、
 同じような意味の単語が並んでいることが気に掛かります。
 番組の内容があまりに低劣だということを表現している、
 と解釈しておきました。

CHOUETTE!
すげぇや!

[21>4]
BRAVO!
SON OPHIDITE MAJEURE A ETE D'UN COURAGE EXEMPLAIRE DEVANT L'EPREUVE,
ET LE DANGER...
ブラボー!
危機と困難を恐れぬその勇気、
オフィディト閣下ほど勇敢な方はいらっしゃいますまい。

VIVE SON OPHIDITE MAJEURE
オフィディット閣下万歳!

UN MIRACLE DE LA SCIENCE TECHNIQUE TECHNO!
テクノ・テクニクスの科学技術は、まさに奇跡ですな!

QUEL BEAU CORPS A MAINTENANT SON OPHIDITE MAJEURE!
なんと美しいんだ、オフィディット閣下の新しいボディーは!

HOURRA POUR LA SCIENCE TECHNO!
テクノの科学技術万歳!

[22>1]
SON OPHIDITE MAJEUR! MOINS VITE! PITIE!
オフィディット閣下! お待ちください! お待ちを!

J'AI HATE DE VISIONNER CE JOHN DIFOOL!
EST-IL BEAU AU MOINS?
はやくジョン・ディフール君の姿を見たいものだな!
ハンサムなのだろうな?

HEU... SON OPHIDITE MAJEURE!
ON NE PEUT PAS DIRE!
い、いえ、オフィディット閣下、それがはっきりとは……。

[22>2]
MAIS POURQUOI NE PAS LEUR AVOIR TOUT SIMPLEMANT REFILE CETTE SALOPERIE
D'INCAL DE MALHEUR QUI NE M'ATTIRE QUE DES... QUE DES...
にしても、なんだってみんなこんなものを欲しがるんだ?
アンカル……、こいつに出くわしてからろくな目に、

ET N'OUBLIEZ PAS LE PRESIDENT, C'EST : SON OPHIDITE MAJEURE!!!!
COMPRIS?
それから、相手はあの大統領閣下だということをくれぐれも忘れるな!!!!
話すときはつねに「オフィディット閣下」だ。
分かったか?

COMPRIS CHEF
オーケー、ボス。

HE! LES VOILA!
おい、ご到着だ!

[22>3]
HOO HOO HOO! C'EST CA? JOHN DIFOOL??
ほうほうほう、君かね? ジョン・ディフール君というのは?

QUAIS... C'EST CA! JOHN DIFOOL!
はあ……、まあ、そうですよ、ジョン・ディフールです。

QUE DES ENNUIS!!!
ろくな目にあってないぜ!!!

[22>4]
"SON OPHIDITE MAJEURE" VOUS ETES ETOURDI!!!
「オフィディット閣下」だろうが! 何べん言わせる気だ!!!

AIIE!
痛っ!

CROOO
クルゥゥゥー

ALLONS MES BOSSUS...
JOHN DIFOOL EST MON INVITE SPECIAL AUJOURD'HUI...
DE LA DOUCEUR, DE LA GENTILLESSE ET DE L'INDULGENCE
まあまあ、止めたまえ、セムシ。
今日はジョン・ディフール君に特別に来てもらっているのだから。
言葉づかいや態度に気をつけたまえ。丁重にお迎えするようにな。

[22>5]
PLUS TARD...
MOLLEMENT ALLONGES SUR DES COUSSINS-LUMIERE...
さて、このようなわけで、ライト・クッションに横たわりながら、
リラックスした雰囲気で話し合うことになったわけだが……

KOF KOF! CE CIGARE ME BRULE LES POUMONS!
HEU... UN OBJET QUI SERAIT EN MA POSSESSION?
JE NE VOIS PAS DE QUOI VOUS VOULEZ PARLER, SON ODIPHITE MAJEURE
ゴホッ、ゴホッ! このタバコ、ちょっとキツ過ぎやしませんか?
肺が焼けますぜ。ふぅ~、で? 俺が持ってるモノ?
何のことだかサッパリですねー、オディフィット閣下。

REGARDE CETTE LUEUR!!!
あら、何かしらあの光は。

CA ALORS!
え? 何ですって?

[22>6]
JOHN DIFOOL... MA PATIENCE A DES...
ジョン・ディフール君、私にも我慢の……

CROOO CROO
クルゥゥゥー クルゥゥー

DES LIMITES
「我慢の限界というものがあるぞ」ですか?

SON OPHIDITE MAJEURE VOYEZ!!! CET HOMME POSSEDE UN AURA!
オフィディット閣下、ご覧下さい!!!
この男め、背光をまとっておりますぞ!

CE N'EST PAS UN ARISTO! C'EST ILLEGAL!
ヤツめ、「アリスト」ではないはず! 違法だ!

C'EST UN SCANDALE
なんと破廉恥なっ。

[22BIS>1]
C'EST VRAI... JE BRILLE! JE BRILLE COMME UNE ENSEIGNE LUMINEUSE!
本当だ……、光ってる! ネオンサインみたいじゃないか。

ET CE N'EST PAS TOUT!
J'AI L'IMPRESSION ETRANGE QU'UNE FORCE ME TIRE VERS LE HAUT
いや、それだけじゃない。何だこの感じは?
なんだか、上のほうへ引っぱり上げられる気がする……。

[22BIS>2]
C'EST INCROYABLE!
馬鹿なっ!

INOUI!
信じられない!

...JE VOLE!
……飛んでる!

?


CROT
クルゥー

IL LEVITE!
浮いてる!

[22BIS>3]
JE... JE AAARHH!!! JE BRULE!
うっ、うわぁぁぁーーー! 熱い!

TOUT... TOUT BRULE!
CE PALAIS VOLANT EST DEVORE PAR LE FEU!
熱っ! 全身が焼ける! 
このままだと、この空中宮殿も焼いちまいそうだ!

PAR L'EMPIRE, FAITES-LE TAIRE!!
命令だ! ヤツを黙らせろ!!

ET... TOI! LE PUISSANT!! JE TE VOIS...
TU RAMPES DANS LA BOUE! JE... AARGH!
あとな……、おまえ! 
偉いさんだか何だか知らねーが、これだけは言っとくぜ!
お前はそうやって泥沼で這いずり回ってな! 俺は……、うわぁぁ!

[23>1]
CE... CET ALCOOL! JE ME SENS... MALAAADE! BEUH!
くっ……、さっきの酒か?! 気持ち悪い……、吐きそうだ。ウグッ!

FAITES CHERCHER MES BOSSUS!
セムシ隊を呼びなさい!

[23>2]
OOH?!
うわっ!!

DDDGLLARCC!
ドグシャァァ!

[23>3]
SON OPHIDITE MAJEURE!
オフィディット閣下!

C'EST EPOUVANTABLE!
なんと恐れ多いことを!

HORREUR!
何たること!

L'INCAL!
アンカルだ!

[23>4]
APPORTEZ DES PARFUMS!
香水をお持ちしなさい!

DES LINGES
替えのご衣裳もよ!

L'INCAL! L'INCAL! IL L'AVAIT AVALE!
アンカル、アンカルだ! こやつ、アンカルを飲み込んでおったのだ!

VITE! RATTRAPEZ-LE!
ほらっ! はやく捕まえんかっ!

OOOOHH
オォォォ

EEH!?
こいつ!

IL NE DOIT PAS S'ECHAPPER
逃がすか!

BLOQUEZ TOUTES LES ISSUES
出口をすべて閉鎖しろ!

CROOTTT
クルゥゥ

[23>5]
FOUILLEZ CES COULOIRS!
ロビーの方を探して!

PAR LA! JE L'AI VU!
こっちだ! 見えたぞ!

LE VOILA!
あちらです!

OU CA?
どこだ?

IL EST PASSE PAR ICI!
あっちを通って行きましたよ!

OOOK!
ウゥゥク!

[23>7]
VOILA EXACTEMENT CE QU'IL ME FAUT!
これだ! これで逃げられる!

[24>1]
LE VOILA!
居たっ!

ENFIN! NOUS LE TENONS!
よしっ! 捕まえた!

COMMENT CA MARCHE TOUT CE BAZAR?
どうやりゃいいんだ? このポンコツがっ!

CETTE FOIS IL EST CERNE
よし、今度は逃がさん。

C'EST LUI!
ヤツだ!

IL EST COINCE!
LA VEDETTE PERSONNELLE DE SON OPHIDITE MAJEURE EST
EXCLUSIVEMENT REGLEE SUR
SON SYSTEME D'ONDESCEREBRALES PERSONNELLES
挟み撃ちです!
オフィディット閣下専用のランチは、
閣下の脳波に反応しないと動かないはずですから。

..IL N'Y A PLUS QU'A APPUYER AU HASARD!
JE... JE SENS QUE... .....
PEUT-ETRE!!!
押してみるしかねぇよな、ボタンを……。
こ、これか?
こっちか?!

[24>2]
SOUDAIN, DANS UN SIFFLEMENT FEUTRE
LA VEDETTE S'ELANCE VERS LE SAS DE SOTRIE...
突然、鈍く鋭い音がしたかと思うと、
発射口のエアロックへ向けて、ランチが飛び出した。

ZZIIIFFFFFFFFFFFFFFFFFFFF.....
シュバァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ……

CA MARCHE!
動いた!

QUOI! MAIS... PAR QUEL PRODIGE!
なっ?! そんな馬鹿な!

ATTENTION!
危ない!

COUCHEZ-VOUS1
伏せて!

C'EST INCROYABLE!
信じられん!

[24>3]
IL FAUT A TOUT PRIX LE RATTRAPER!
TUEZ-LE, MAIS SANS ENDOMMAGER L'INCAL!
ET PRENEZ GARDE!
SON METABOLISME A ETE MODIFIE ET
SA PUISSANCE VITALE DECUPLEE PAR LA PRESENCE DE L'INCAL EN LUI!
CE N'EST PLUS LE MEME HOMME QUE TOUT A L'HEURE!
絶対に捕まえるのだ!
ヤツは殺してもかまわん、しかしアンカルに傷は付けてはならんぞ!
あと、ヤツはアンカルの影響で、代謝機能に変化が出ているはずだ。
ものすごい生命力を手に入れているぞ。充分気をつけろ。
すでに人間ではないと思え!

VEDETTE REPEREE, SON OPHIDITE MAJEURE
ランチを捕捉しました、オフィディット閣下。

UNE ESCADRILLE DE CHASSE!!
DECIDEMENT ILS METTENT LE PAQUET!
D'ACCORD... OPHIDITE MAJEURE!
MAIS JE NE SUIS PLUS DU TOUT DECIDE A ME LAISSER PRENDRE
追撃隊だ!!
容赦なしってわけか?!
オーケー、上等じゃねぇかオフィディット閣下さんよ!
絶対に捕まらねぇぞ、もうこうなったら、とことん逃げてやる。




[1-1/1-2/2-1/2-2/3-1/3-2/4/5]
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by moebius-labyrinth | 2004-09-03 23:53 |  『L'Incal 1』和訳
『L'Incal 1』和訳 第3章〈2)
[1-1/1-2/2-1/2-2/3-1/3-2/4/5]


[25>1]
LE NAIF!
IL CROIT NOUS ECHAPPER EN PLONGEANT DANS LA COUCHE DE NUAGES!
馬鹿め!
雲に隠れたくらいで俺たちを巻けるか!

L'ECHO EST NET...
IL ESSAYE DE NOUS TROMPER EN VOLANT AU RAS DU SOL!
エンジン音を捕捉しました。
地面すれすれに飛んで我々をやり過ごすつもりのようです!

[25>2]
LE VOILA!
あそこです!

[25>3]
MAIS UNE SURPRISE ATTEND LES CHASSEURS
しかし、この狩人たちは、見事に裏をかかれることとなる。

SHIT! LA CABINE EST VIDE!
くそっ! コクピットが空だ!

LA VEDETTE EST EN AUTOCOMMANDE!
COMMENT DIABLE A-T-IL FAIT POUR DISPARAITRE?
自動操縦に切り換えやがった!
どうやって隠れたんだ?

[25>4]
SON OPHIDITE MAJEUR VA ETRE FURIEUSE...
MAIS C'EST MAINTENANT A LA POLICE DE CHERCHER...
オフィディット閣下がお怒りになるな……。
あとは警察の捜査班に任せるしかないが……。

JE LEUR SOUHAITE BIEN DU PLAISIR!
せいぜい気張っていただくさ。

[25>5]
SAUVE! ILS ABANDONNENT LA POURSUITE!
助かった! あきめて帰って行きやがる!

CROOOTK!
クルゥゥゥ!

[25>6]
HM... SAUVE, SAUVE...
EN FAIT JE SUIS FICHU! CUIT!
NULLE PART OU ALLER...
ET... ET CE TRAIN?
OU M'EMENE-T-IL?
SUREMENT AU DIABLE!
QUOIQUE...
J'AI COMME L'IMPRESSION D'ETRE DANS LA BONNE DIRECTION...
ふん……、大丈夫だな、助かった……。
しかし、まずったな。
どこにも行くところがねぇや……。
とりあえず……、この列車は何だ?
どこに向かってる?
見当もつかねぇな。
……まあしかし、
そう悪い方向には向かってないよな?

[26>1]
VOYONS MAINTENANT CETTE PETITE MERVEILLE!
TSS!
EN TOUT CAS, IL N'EBLOUIT PLUS. C'EST DEJA CA!
さてと、こいつ、なかなか凄そうなシロモノじゃねぇか。
う~ん、もう閃光したりしないのか?
さっきので終りなのかな。

[26>2]
UNE SIMPLE PYRAMIDE DE CRISTAL!
SANS RIEN DE PARTICULIER A PART CETTE LUMINOSITE...........
ET...ET POURTANT
ただのクリスタルのピラミッドだ。
光ってる以外は、とくに変わったところもねぇしな…………。
う~~ん、……だが、

ET POURTANT, DEPUIS QUE JE L'AI PORTEE EN MOI.........
JE ME SENS COMME....COMME...
だが、こいつを持ち歩くようになってから…………、
やっぱりこいつが……、

[26>3]
JE SUIS SUR QUE LA REPONSE A TOUTES MES QUESTIONS EST
DANS CE MORCEAU DE VERRE!
やっぱりこのちっこいガラスが、
事件の真相を握ってるんじゃないのか?

INCAL... QUI ES-TU?
アンカル……、おまえ一体何物なんだ?

[26>4]
OOOH!
おいおいおいおい!

[26>5]
セリフなし
(ディフールが、光を発しながら宙に浮かび出したアンカルを見つめる)

[26>6]
JE SUIS L'INCAL
我ガ名ハ「アンカル」。

[26>7]
TU T'ES ENFIN DECIDE A POSER UNE QUESTION!
ツイニ「ソノ質問」ヲ口(くち)ニシタナ!

空白のセリフ
(ディフールが言葉を失っている様子を表わしているのでしょう)

JE SUIS FAIT AINSI...
JE NE PARLE JAMAIS LE PREMIER...
POURTANT, NOTRE TEMPS EST LIMITE!
問題ハ「ソノ質問」ダ!
通常ナラ私カラ話シ出スコトハ無イノダガ……。
シカシ、スデニ時間ガ無イ。

[26>8]
ET NOUS AVONS BEAUCOUP A FAIRE TOUS LES DEUX
二人キリニナル必要モアッタ。

EXTRAORDINAIRE!
UN ORDINATEUR PHOTONIQUE MINIATURISE...
JE COMPRENDS TOUT, MAINTENANT!
凄ぇな!
……分かった、光子コンピュータの小さいやつだ。
これなら知ってるぜ。

[26>9]
TU TE TROMPES JOHN DIFOOL!
ET TU N'AS RIEN COMPRIS!
JE NE SUIS PAS UN ORDINATEUR,
JE SUIS VIVANT!
TOUT COMME TOI!
ET LES LIGNES DE FORCES DU DESTIN NOUS ONT REUNIS,
TOUS LES DEUX POUR QUE S'ACCOMPLISSE LA JUSTICE!
嘘ヲツクナ、ジョン・ディフール!
オマエハ何モ分ッテハイナイ。
私ハ「コンピュータ」ナドデハナイゾ。
私ハ生キテイル。
君ト同ジヨウニナ!
ソシテ、我々ガ出会ッタノモ、決シテ偶然ナドデハナイダ。
運命ダ。
我々ハ、正義ヲ成スタメニ引キ合ワセラレタノダ!

[26>10]
OOH! EEEEEOOO...
おいおい、ちょっと待てよ!
 *「EEEEEOOO」が分かりません。
 オノマトペなのは確かでしょうが、
 どういった様子、音を表わすものなのか
 確実なソースを見つけることが出来ませんでした。
 文脈から推測して訳文を作ってあります。

ATTENTION!
MOI JE SUIS DETECTIVE DE CLASSE R.
JE N'AI RIEN A VOIR AVEC LA JUSTICE!
何だって?!
俺はただのRクラスの探偵だぜ。
正義なんて、そんなもん関係あるかよ!

...EN PLUS,
J'AI LES BOSSUS DU PRESIDENT AUX FESSES, MOI!
SANS COMPTER LA POLICE ET LES MUTANTS DES TUYAUX D'AERATION!
それに俺はいま、大統領のセムシ部隊に追いかけられてる身なんだぜ!
そのうえ、警察と通風管のミュータントまで付いて来やがってるしさ。

[26>11]
JE SAIS TOUT CELA!
C'EST POUR CETTE RAISON QUE JE DOIS TE TRANSFORMER.
ソレハ知ッテイル!
ダカラコソ、コレカラオマエヲ「トランスフォーム(変身)」サセヨウト
シテイルノデハナイカ!

AAHHHH!!!
M...MAIS NON!
JE VEUX PAS QU'ON ME TRANSFORME, MOI!
JE SUIS TRES BIEN COMME JE SUIS!
あぁ?!
な……、ふざんけんなよ!
トランスフォームなんてされてたまるか!
俺は今のままで充分満足だ!

[27>1]
NON-SENS...
TU'NE SAIS PAS QUI TU ES
愚カナ……。
オマエハ、自分ガ何者カモ分カッテハイナイノカ。

BON... ALORS PUISQUE TU SAIS TOUT...
DIS-MOI COMMENT ECHAPPER AU PRESIDENT ET A TOUS LES AUTRES?
DIS-MOI D'OU TU VIENS...
DIS-MOI OU VA CE TRAIN?
DIS-MOI... DIS MOI!
オーケー、オーケー、何もかもお見通しってわけか?
じゃあ、大統領を巻く方法を教えてもらおうじゃないか。
他のやつらは?
だいたい、お前はどこから来たんだ?
この列車の行き先は?
言えよ、ほら、言ってみろよ!

[27>2]
LE TEMPS NOUS MANQUE...
TOUTES CES QUESTIONS RECEVRONT LEUR REPONSE LE MOMENT VENU.
時間ガ無イノダ。
時ガ来レバ全テ分カルヨウニナル。

LE SEULE QUESTION IMPORTANTE EST :
QUI EST JOHN DIFOOL REELLEMENT?
CE QUI OBLIGE A DEMANDER : "COMBIEN SONT JOHN DIFOOL"?
ソレヨリ、「ジョン・ディフールトハ何者カ?」ヲ考エロ。
「ジョン・ディフールハ何人イルノカ?」コソガ問題ナノダ。

[27>3]
C'EST LA QUESTION LA PLUS IDIOTE QU'ON M'AIT JAMAIS POSEE!
何だよそのくだらない質問は。

ATTENDS DE CONNAITRE LA REPONSE AVANT DE JUGER...
JE VAIS TE...
ヨク考エモセズニ答エヲ急クナ。
今カラオマエニ……、

[27>4]
HEEYY!!
ウワァァ!!

...MONTRER
……見セテヤロウ。

[27>5]
ERKK!
ウゲェッ!
 *「ERKK」というのは、不快な心情を表わすための間投詞のようです。
 ● 「Doctissimo」内「Forums>Discussion a laquelle vous repondez」
erkk, un mec en collant!! pas tres sexy tout ca!!! :non:
erkk、しつこい男がいるのよね!! 
ちっともセクシーじゃないし!!! 最悪。

 ● 「liandli」内「Presentation>Tracey>41 BOISSON ALCOOLISEE...」
41/BOISSON ALCOOLISEE PREFEREE?
On m'a fait gouter le martini shweppes et le whisky-coca...
j'attends le grog(quoi que ca doit etre plutout erkk!
Donc tres peu specialiste de la chose...


41番/アルコール飲料はお好き?
マティーニ・シュウェップスとかウイスキー・コカなんかを
試してみろよって言われるんだけどさ……。
グロッグを呑んでみたいんだ(多分かなりerkk!な代物だと思う。
そういう方面には疎くて……。
[カタカナ表記のものは、すべてカクテルの名前なのでしょう]

 ● 「FORUM clio」内「...Clio>Divers/Sans theme>Peinture integrale」
Franchement c'est des foutaises.
Moi aussi avant que je fasse repeindre mes plastiques,
j'entendais "bahhhh, erkk,
elle va etre toute bleu ca va etre moche"


はっきり言って下らないことさ。
僕はまだプラスチックを塗り直してはいないんだけど、
絶対こう言われるね。「ふぅ~ん、erkk、
全部ブルーにすると、醜くなっちゃうだろうね。」


[27>6]
MON DIEU!
くそっ!

[27>7]
VOICI DEJA UN ELEMENT DE LA REPONSE!
答エハスデニ見エテイル!

TU VOIS QUE MA QUESTION N'ETAIT PAS SI IDIOTE QUE CA!
TE VOILA DEUX...
分カッテイタハズダ、私ノ質問ガ下ラナイ物ナドデハ無イト言ウコトヲ!
コレデオマエハ「二人」ニナッタ……。

[27>8]
...TE VOILA MAINTENANT : TROIS
……コレデオマエハ「三人」ダ。

LES JAMBES... QUATRE
脚モダ……。「四人」ニナッタ。

[27>9]
A PRESENT SEULEMENT, ON PEUT POSER LA QUESTION :
サテ、ココマデ来レバ、分カルダロウ――

JOHN DIFOOL QUI EST-CE?
汝ラニ問ウ、「ジョン・ディフール」ハ誰ダ?

[27>10]
C'EST MOI!
ワシじゃよ!

C'EST MOI!
俺だよぅ!

C'EST MOI!
俺様さ!

C'EST MOI!
オレ!

[28>1]
NE NOUS AFFOLONS PAS...
IL DOIT BIEN Y AVOIR UNE REPONSE RATIONNELLE...
CHERCHONS!
慌てるでない。
ちゃんと答えがあるはずじゃ。
おちついて考えるのじゃ!

O INCAL!
J'AI DEJA BIEN SOUFFERT POUR L'AMOUR DE CE MOI QUI EST MOI...
J'EN SUIS...
BRISE...
アンカルさんよぉ~!
俺こそが「俺」さぁ~。もう耐えらんねぇ~よぉ~。
俺だってば、俺! 頼むよぉ~。

QUI?
誰ダ?

BANDE DE LACHES!
ふざけんじゃねーぞ、てめぇら!

C'EST PAS CE FOUTU RAYON QUI VA DECIDER QUI JE SUIS QUAND MEME
こんな光線野郎ごときに、この俺様が誰だか決められるってのか?

J'Y COMPRENDS RIEN!
J'AI FAIM!
J'AI FROID!
J'AI SOMMEIL!
オレ、分からない!
オレ、腹へった!
オレ、寒い!
オレ、眠い!

[28>2]
VOYONS!
考えるんじゃ!

SOB! SOB!
うぅ~、うぅ~。
 *英語に「SOB(すすり泣く)」という語があります。
 ここはその語をオノマトペとして使っているのだと思います。
 グスン、グスン、という感じでしょうか。

JE PEUX DONNER LA FORCE DE VIE
我ハ生命ヲ与エル者ナリ。

MAIS... AUQUEL DE VOUS QUATRE AUQUEL?
シカルニ……、汝ラ四人ハ、一体誰ガ誰デアルノカ?

EH BIEN MAIS... A MOI!
はっ! そんなのぁおめぇ……、俺様に決まってらぁ!

BAH!
ILS NE PEUVENT RIEN FAIRE, SANS MOI!
ふん。お前ら、全部にせもの。オレ、本物!

MOI!!!
ワシじゃ!!!

MOI!!
俺さぁ!!

C'EST A MOI
ワシじゃて!

MOI
俺だよ

NON MOI!
どけ! 俺様だ!

MOE!
オィ!
 *「MOE」は「MOI(私)」の異形です。争っている場面なので、
 ちゃんとしゃべれていない様子を表わしているのでしょう。

AAA MOAAAAA!
オ、オレェェェェェ!
 *「MOA」も同様に「MOI(私)」の異形だと思います。
 「A MOI(私!)」のくずれた形なのでしょう。

FFLAMM
ボウワァァ
 *「flamme(炎、火炎)」という語があるので、
 そこから派生したオノマトペだと思います。

[29>1]
LE TEMPS A PASSE,
LENTEMENT, JOHN DIFOOL REVIENT A LUI...
しばらくして、ジョン・ディフールはゆっくりと意識を取り戻した。

AIE...
COMBIEN DE TEMPS SUIS-JE RESTE SANS CONNAISANCE?
う~ん……、どれくらい意識をうしなってたんだろう。

[29>2]
AI-JE REVE?
JE... NON! MA TETE... L'INCAL!
夢か? 
俺は……、いや違う! 頭が……、アンカルは?!

MA... MA TETE!!
MES JAMBES! JE SUIS DE NOUVEAU EN ENTIER!
あ……、頭が!!
脚も! ……いや、どこも怪我してないのか?!

CROOT
クルゥゥ

[29>3]
DEEPO!
TU AS L'AIR TERRORISE!
NE CRAINS PLUS RIEN! C'EST MOI! JOHN DIFOOL
ディーポ!
おまえ、恐がってるのか?
もう大丈夫だ。
俺だよ。ジョン・ディフールだよ。

CROOOT ROOOTKKK..
クルゥゥゥ ルゥゥゥゥゥゥ…

[29>4]
MOI!?
JOHN DIFOOL! MON DIEU!
QUELLE ETRANGE SENSATION SOUDAIN...
COMME... COMME SI MON COEUR BRILLAIT... BRILLAIT
俺?!
ジョン・ディフールだよな?! くそっ!
急に変な感じが……、
なんか……、体の芯が光ったような……、光が……。

CROOT! C'EST L'INCAL!
クルゥゥ! アンカルだよ!

[29>5]
?


JE CONNAIS!
JE L'AVAIS DANS L'ESTOMAC IL Y A ENCORE PAS LONGTEMPS!
知ってるぜ!
アンカルなら僕の胃の中さ。時間もまだあんまり経ってないぜ!
 *二行目は「ESTOMAC」と「IL」のあいだで文が切れていると解釈しました。
 文のくぎりを示すコンマなどはありませんが、
 そもそもセリフの文章でコンマが使われる例があまりないので、
 ここもコンマが省略されているのではないかと思います。
 二行目を全体でひとつの文として解釈しようとすると、
 文意が通じません。

[29>6]
MAIS... DEEPO... TU PARLES!
なっ?! ディーポ……、お前、しゃべれるのか?!

AH OUI? TIENS!
C'EST VRAI, JE PARLE...
C'EST VENU... COMME CA!
MAIS DIS-MOI!
OU SOMMES-NOUS ET OU ALLONS-NOUS?
え? 本当だ!
本当だ、しゃべってる……。
すごいや……、ほら!
でも、自分じゃないみたいだ。
……で、今どこらへんなの? 行き先は?

JE SAIS RIEN... JE... HE MAIS SI... JE SAIS!
いや、分からん……。……。
いや、もしかしたら……、そうだ!

[29>7]
NOUS SOMMES A L'INTERIEUR D'UN CONVOI FUNERAIRE QUI
SE DIRIGE VERS LA CITE TECHNO!
HEEEE!!! LA CITE TECHNO!
MEME LE PRESIDENT N'Y A PAS ACCES!
俺たちはいま葬式列車のなかだ!
テクノ市に向かうやつだよ。
へっへー!!! こりゃあいい、テクノ市か!
これで大統領を巻けるぞ。ヤツはテクノ市には入れないからな。

EH BIEN CA PROMET
ふぅ~、そりゃ良かったね。僕は先が思いやられるよ。

[29>8]
ET QU'EST-CE QU'ON VA Y FAIRE DANS CE TRUC SINISTRE?
で? そんな縁起でもないものに乗っちゃって、どうするつもりなのさ?

JE ME LE DEMANDE, DEEPO...
TOUT CE QUE JE PEUX DIRE, C'EST QUE CA NE ME PLAIT PAS...
HE! UN MOT ME REVIENT!...
L'INCAL... L'INCAL NOIR!
ああ、そこなんだよな、ディーポ。
まあ確かに、俺もそれは気にくわねぇ。
……うん?! 言葉だ。なんかの言葉を覚えてる。
……アンカル。「闇のアンカル」だ!

TECHNIQUES TECHNOS
「テクノ・テクニクス」につづく




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by moebius-labyrinth | 2004-09-03 23:52 |  『L'Incal 1』和訳
『L'Incal 1』和訳 第4章
[1-1/1-2/2-1/2-2/3-1/3-2/4/5]


[30>0]
TECHNIQUES TECHNOS
テクノ・テクニクス

[30>1]
SEPARATION TERMINEE!
AU SUIVANT!
分離作業終了!
次!

LE CONTINGENT B7.424610 EST SIGNALE A LA RECEPTION
B7.424610へ荷物が到着。

CE CONVOI FUNERAIRE PROVIENT DE LA VILLE-PUITS "MARGARITA"?
あの葬式列車、立坑都市「マルガリータ」から来たものだよな?

EXACT!
CEST LEUR ZONE ROUGE QUI A ETE IRRADIEE...
CORPS DE QUALITE MOYENNE CLASSES DE 3 A 7 ESZ
ああ、あそこのレッド・ゾーンからだ。
レッド・ゾーンもだいぶ広がっているそうだからな。
死体の質は平均して3~7ESZというところか。
 *「ESZ」が分かりません。
 おそらく、死体の質を格付けするための単位、として設定されている、
 架空の文字列なのでしょう。
 *原文二行目の「CEST」は「C'EST」の誤記です。

[30>2]
LES TYMPANS ET LES GLOTTES EN PRIORITE POUR "L'OEUF D'OMBRE"
鼓膜と声門は優先的に「ゴースト・エッグ」にまわせ。

CE N'EST PAS TOUS LES JOURS QU'ON A DES ARRIVAGES D'ARISTOS
COMME SELUI-CI...
VOYEZ CES BELLES PIECES
こんなにアリストの入荷があるのは久しぶりだな。
見てみろ、高級な部品ばかりだ。

[30>3]
OH!
CETTE THYROIDE EST ABSOLUMENT SUPERBE!
ほう、あの甲状腺、じつに見事じゃないか!

ATTENTION!
MISE EN ACTION DU BIO-SEPARATEUR
用意!
バイオ・セパレーター始動。

IL ME FAUT DOUZE SYSTEMES NERVEUX COMPLETS
POUR LE SERVICE DES URGENCES!
急いでくれ!
完品の神経系を12体分、すぐに配送せねばならんのだ!

[31>1-2]
セリフなし
(何かの機械が始動している様子)

[31>3]
IDIOT!
LA GLOTTE A ETE ENDOMMAGEE...
ET CA!
QU'EST-CE QUE C'EST QUE CA?
馬鹿ものっ!
声門が台無しではないか。
これもだ。
見てられん!

CHINDIGADA!
UN DEUXIEME COEUR!
シンディガダ!
これで心臓はふたつ目だぞ!
 *「CHINDIGADA」がまったく分かりません。
 辞書やウェブ検索、アマゾンのサーチ・インサイド・ブック機能などを
 試してみましたが、どれもヒットしません。
 一応「CHINDICADA」でも検索してみましたが、同じでした。
 固有名詞(テクノ・テクニクスの工員の名前)として解釈しておきました。

ENCORE UNE MUTATION CLANDESTINE!
CA DEVIENT DE PLUS EN PLUS FREQUENT!
HIER, J'AI EU UNE FEMME AVEC DEUX COLONNEES VERTEBRALES!
また違法な改造だ。
最近多いな。
昨日も、背骨を二つ付けていた女がいたぞ。

JA SAIS...
ILS DEGENERENT!
BON!
CONTINUEZ CETTE SERIE!
JE DOIS CONTROLER CE NOUVEAU CONVOI DE CADAVRES
ああそうだな。
まあ、ひきつづき作業にあたれ。
私はさっき来た死体列車の方に行かねばならん。

[31>5]
QUELQUES INSTANTS PLUS TARD
その直ぐ後

ALORS?
A-T-ON ASSEZ DE PIECES POUR TERMINER L'OEUR D'OMBRE?
うむ、「ゴースト・エッグ」に送る部品、
これだけでは足りんのではないか?

CE SERA JUSTE, INGENIERO!
BEAUCOUP DE CORPS SONT IRRECUPERABLES!
MAIS C'EST TOUJOURS AINSI APRES UNE IRRADIATION!
大丈夫でしょう、技師長。
だいぶ回収しそこなったようですが、
まだまだ一回回収をかければ、
こうやって充分集まって来ているではないですか。
 *「INGENIERO」はスペイン語で
 「エンジニア、技師」という意味の語のようです。
 ● 「BIENVENIDO A SU CASA」内「【語彙・表現】/***職業を表わす言葉」
 ● 「スペイン語使えるフレーズ集」内「使える単語集(職業)」
 ● 「ACALLI Study Spanish in Mexico」内「Jobs and Profesions」

IL Y AVAIT MEME UN OISEAU DANS LE LOT!
VOUS SAVEZ, UN DE CES PERROQUETS A BETON COMME ILS LES APPELLENT!
このロットに鳥が一匹紛れ込んでますぜ。
ほら、オウムで、コンクリートに寄ってくるヤツいるじゃないですか、
多分あれですよ。
 *二行目のコンマ以降が意味不明です。
 「UN DE CES PERROQUETS」で「オウムの一種」、
 「A BETON」で「コンクリートに居る」(「A」にアクサン・グラーヴ)、
 「COMME ILS LES APPELENT」が結構微妙なんですが、
 「コンクリートがオウムを呼び寄せるように」というほどの
 意味だと思います。

[32>1]
JOHN DIFOOL...
BAISSE TA TETE!
ON VA SE RAIRE REPERER!
ジョン・ディフール、頭下げてろよ!
バレちゃうぞ!

J'AIMERAIS QUAND MEME SAVOIR OU NOUS MENE CE TAPIS POULANT
いや、このベルトコンベアー、どこに向ってんのかね?

[32>2]
L'INCAL DOIT SAVOIR
アンカルさまの思し召すままに、さ。

C'EST VRAI CA!
INCAL!
QUELLE EST LA REPONSE A CETTE QUESTION!
けっ! アンカルさま?!
何を思し召しなんだかね。

[32>3]
AIE CONFIANCE!
ET RESTE IMMOBILE!
L'IMPORTANT EST D'ARRIVER LE PLUS PRES POSSIBLE DE
L'INCAL NOIR!
信ジテ待テ!
「闇のアンカル」ニ出来ルダケ近ヅクコト、
ソレコソガ重要ナノダ!

AH OUI!?
L'INCAL NOIR!?
MAIS CA NE REPOND PAS A LA QUESTION "TAPIS ROULANT"
オゥ、なに?!
「闇のアンカル」?!
ベルトコンベアーはどうなんだよ?

[32>4]
D'APRES CE QUE JE PRESSENS,
IL MENE A UNE SORTE DE MACHINE EN FORME DE BOULE,
ET DONT LA FONCTION EST DE SEPARER LES ORGANES DU CORPS
LES UNS DES AUTRES...
感ジルゾ……、
コノ先ニハ丸イ機械ノヨウナ物ガアル、
ドウヤラ、死体カラ器官ヲ切リ離ス装置ノヨウダ。
ソレカラ……。

QUOI!?
なにぃ!?

[32>5]
QUE SE PASSE-T-IL?
何なの?

IL SE PASSE QUE CE TAPIS NOUS MENE A L'ABATTOIR
このまま進むと、殺されちまうぞ!

[32>6]
JOHN DIFOOL!
ATTENDS!
NE TE PANIQUE PAS
ジョン・ディフール!
こら! 落ちつけったら!

MOI, JE RENTRE CHEZ MOI!
家に帰んぞ!

[32>7]
HEY!?
うわっ!?

[33>1]
IL A ETE LOCALISE, INGENIERO!
COULOIR C473 SEGMENT X9...
IL S'ETAIT MELE A L'ARRIVAGE DE PIECES DU PUITS MARGARITA!
位置情報出ました、技師長!
X9地区C473通路です。
マルガリータ立坑都市からの死体に紛れ込んでいた模様。

ETRANGE!
L'INSTRUMENTALITE A REAGI BIEN TARD...
PREVENEZ TOUT DE SUITE LA TECHNO-HIERARCHIE...
そんな馬鹿なっ!
機関士は何をやっていたんだ。
ただちにテクノ・ヒエラルキーに報告しろ!

[33>2]
IDIOT!
TU AS LAISSE TA PEUR T'OBSCURCIR
馬鹿っ!
恐がんなよぉ!

JE VOUDRAIS BIEN T'Y VOIR
おまえは何も知らねぇからさ。

[33>2]
CHAQUE FOIS QUE TU PERDRAS LA FOI...
C'EST UNE DE TES QUATRE PARTIES QUI TE CONTROLERA!
L'INCAL L'A DIT
あんたを支配してる四つの元素がある。
そうやって自信がなくなっちゃうのは、そのうちの一匹の仕業さ。
アンカルがそう言ってたじゃないか。

[33>3]
HEY!
MAIS C'EST QUE JE VEUX PLUS QU'ON ME COUPE EN MORCEAUX, MOI!
オゥ!
恐いよぅ。落とさないで!

[33>3]
LE SIGNALEMENT A L'AIR DE CORRESPONDRE, TECHNO-PAPE ADORE!
テクノ市市長サマ、目標物ハ男ノ特徴ト一致スル模様。

BIEN SUR QUE C'EST LUI...
LA TENEBRE EST PUISSANTE...
ELLE TIRE LES FILS DU DESTIN...
ATTIRANT SES VICTIMES INCONSCIENTES AU CENTRE DE SA TOILE...
MON CHER HECTOR,
JE RARIERAIS MEME QUE L'INCAL DE LUMIERE N'EST PAS LOIN...
HAHAHA!
当然だ。「闇」の力は絶大だからな。
すべては「闇」の定めるままに、
「闇」の前にはみな盲目の子羊、さ。
エクトール、どうやら「光のランカル」も近いようだぞ。
 *「TENEBRE」は、通常「TENEBRES」と複数形で使われて、
 「闇、暗闇。暗黒、なぞ。」と言った意味になります。
 おそらく、市長の頭の上に浮んでいる黒い卵のようなものの
 名前だと思います。

PLUS TARD
それからさらに後

JE PALPE EFFECTIVEMENT UNE EMANATION VIBRATOIRE DE 14
SUR L'ECHELLE DE KENTZ!
振動性放射物質ヲ感知シマシタ。振動値ハ14ケンツ。
 *「KENTZ」の意味は不明。
 おそらく、振動の数を測定するための架空の単位だと思います。

[33>5]
BIENVENUE DANS NOTRE BONNE ET BELLE CITE TECHO...
JOHN DIFOOL!
ようこそ、我がテクノ市へ。
気に入ってもらえたかな、ジョン・ディフール君?

AU NOM DE LA DOUCE TENEBRE,
NOUS TE REMERCIONS, D'AVOIR AMENE L'INCAL AVEC TOI...
EN TOI DEVRAIS-JE DIRE...
HA HA HA!
「闇」の名のもとに、礼を言っておこう。
アンカルを持って来てくれてありがとう。
まあ、追々ゆっくり話し合おうじゃないか。
ハッハッハッ!

[33>5]
PAR ICI, PETITE PIECE VIVANTE
コノ辺リデス。反応ハ依然トシテ陽性。

COMMENT CONNAISEZ-VOUS MON...
HEU...
JE NE VOIS PAS DE QUOI VOUS PARLEZ
なんで俺のことを?
それに、あんたの言ってることもさっぱりだね。

[34>1]
...JE PARLE DE CETTE PETITE CHOSE LUMINEUSE QUE
TU CACHES AU PLUS PROFOND DE TON COEUR DE MISERABLE REBUT BIOLOGIQUE
……小さな光る物体のことだよ。
君の体、「部品」としても大したことはなさそうだが、
その中に隠し持っているんだろう?

...JE N'AI AUCUNE PETITE CHOSE LUMINEUSE CACHEE A CET ENDROIT-LA...
……光る物? 
さぁね、知らねぇな。

[34>2]
NOUS AVONS PREPARE SPECIALEMENT POUR TOI
UNE SUBLIME CEREMONIE DE MISE EN PIECES...
PAR LA PANPUISSANTE TENEBRE!
LE GRAND PONDEUR D'OEUFS D'OMBRE ATTEND TA VENUE DEPUIS SI LONGTEMPS
君のためにちょっとしたセレモニーを開く予定だ。
君の体をバラバラにするためのね。
全能の「闇」の力を借りる。
偉大なる創造者「ゴースト・エッグ」が君をお待ちかねだぞ。

[34>3]
...D'ABORD, IL T'ENLEVERA LES YEUX,
CAR LES BESOINS EN YEUX SONT GRANDS DANS LA CITE TECHNO!
まず、その両目をくりぬく。
テクノ市では目の需要がとても高いからね。

JE... JE PREFERE NE PAS EN ENTENDRE DAVANTAGE
う、うるせぇ。知るかそんなもん。

[34>4]
ENSUITE LE MAINS, LE NEZ, LES GLANDES, LES BOYAUX ETC...
ET ENFIN, AU CENTRE, CET INCAL DONT TU NE SAIS QUE FAIRE,
ET QUI TE PESE TANT
次に両手だ。そして、鼻、分泌腺、腸、などなど。
そして最後に、君の胴体の中からアンカルが見つかるという寸法さ。
君はそれが何ものなのか、どれほど重要なものなのか、
何も分かってはいまい。

BLA BLA OOUDAA... OUDABLAA...
J'ENTENDS RIEN...
J'ENTENDS RIEN!
アァー、アァー、アァー。アァーアァー。
聞こえねぇ、聞こえねぇなぁ!
 *「BLA」は、他人の話を遮るために使われる言葉です。
 「OUDA」もおそらくそのような言葉なのでしょう。

CA NE M'ETONNE PAS!
VOUS AUTRES DANS LES CITES-PUITS,
N'ETES QU'UN RAMASSIS D'HYPOCRITES...
AVEC QUOI CROYEZ-VOUS QUE
NOUS FABRIQUONS VOS MACHINES A-TOUT-FAIRE,
VOS JOLIS ROBOTS SI PERFECTIONNES...
AVEC VOS CADAVRES!
そこまでだ!
諸君ら立坑都市の人間どもはいつもそうだ。何も知らずにっ!
このテクノ市が、ただ機械ばかり作っていると思ったら大間違いだぞ。
ほぼ完璧に近い汎用機械……、
君も可愛いロボットのお世話になったことくらいあるだろう?
それが何から造られているか知っているか?
諸君らの、死体からさ!

C'EST ABOMINABLE!
そ、そんなおぞましい……。

[34>6]
MAIS NON...
CE N'EST PAS ABOMINABLE...
AU CONTRAIRE, C'EST MERVEILLEUX...
SONGE QUE POUR LA PREMIERE FOIS DE TON EXISTENCE...
TU VAS ETRE UTILE...
「おぞましい」?
何がおぞましいものか。
反対だ。すばらしい、と言いたまえ。
それよりも、自分の心配をしてはどうかね。
君も、すばらしい「部品」になれると思うよ……。

RETOURNE-TOI ET TU VERRAS MAINTENANT LE GRAND PONDEUR D'OEUFS D'OMBRE
ようこそ!
紹介しよう、偉大なる創造者「ゴースト・エッグ」だ!

[35>1]
SENS COMME IL T'ATTEND!
「彼」もお待ちかねのようだぞ!

NON!
まっぴらだ!

INCAL! INCAL!
QUE DOIS-JE FAIRE?
CONSEILLE-MOI!
アンカル、アンカルって、俺にどうしろってんだ!
いい加減にしろよ!

HA HA HA!
IL NE TE REPONDRA PAS!
ICI, L'INCAL NOIR EST MAITRE ET LA TENEBRE REINE!
ハッハッハッ!
答える必要はあるまい。
ここでは「闇のアンカル」こそ全て。
そして、「闇」こそがその伴侶となるのだ。

[35>2]
CEPENDANT QUELQUE PART SOUS LA GRANDE CITE-PUITS...
TOUT PRES DU TERRIBLE LAC D'ACIDE
ちょうどそのころ、大立坑都市の地下のとある場所、
おそろしい酸の海のすぐ近くで……

PLUS VITE!
急げ!




[1-1/1-2/2-1/2-2/3-1/3-2/4/5]
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by moebius-labyrinth | 2004-09-03 23:51 |  『L'Incal 1』和訳
『L'Incal 1』和訳 第5章
[1-1/1-2/2-1/2-2/3-1/3-2/4/5]


[36>0]
META-BARON
メタ男爵

[36>1]
セリフなし
(メタ男爵が、酸の海に渡された橋をマスク族と一緒に渡っている)

[36>2]
AH... VOICI ENFIN VOTRE SINISTRE TROU A RATS!
フンッ、これがキサマらの隠れ家か。ひどい所だな。

[36>3]
セリフなし
(橋を渡った先に、隠れ家に続いているらしき階段がある)

[36>4]
BIENVENUE AU SIEGE DE L'AMOK, META-BARON!
AMOKの本部へようこそ、メタ男爵!

?..LE... LE META-BARON!
あ、あれがメタ男爵か……。

[37>1]
ARRETE TES SIMAGREES
OU EST-IL... EST-IL SAIN ET SAUF?
とぼけるなッ!
息子は、息子は無事なんだろうな?

META-BARON!
LACHEZ-LE!
メタ男爵!
放せ!

HI HI!
"TETE-DE-CHIEN" LES A A ZERO!
ヒヒッ!
犬頭の野郎、ビビってやがるぜぇ!

CALMEZ-VOUS META-BARON!
VOTRE FILS BIEN-AIME EST VIVANT...
PAR LA BIEN-AIMEE MARRAINE, JE LE JOURE!
落ち着け、メタ男爵!
あんたの息子なら無事だ。
親愛なるゴッドマザーの名にかけて誓う!

[37>2]
C'EST LE META-BARON?
あれがメタ男爵かぁ?

OUAIS! C'EST LUI!
LE GRAND TUEUR!
あぁ、間違いねぇ。
伝説の殺し屋だ。

LE PLUS GRAND CHASSEUR DE TETES DE TOUT LE SYSTEME!
組織のナンバー1、殺し屋の中の殺し屋さね。

VITE! LA REINE DE L'AMOK T'ATTEND!
急げ! AMOKのクイーンがお待ちだ!

IL A PAS L'AIR BIEN TERRIBLE
そんな恐そうにゃ、見えねぇよなぁ、おい。

IL EST ENFIN SORTI DE SON META-BUNKER
ついに隠れ家メタ・バンカーから出張ってきやがったか。

ON RACONTE QU'UN JOUR, IL EN A EU SEPT D'UN COUP!
なんでも、一度に七人殺ったこともあるらしいぜ!

[37>3]
BIENTOT, APRES UN LONG ET HUMIDE COULOIR TAILLE DANS LE ROC...
岩に掘られた長く陰気な通路を抜けると……、

C'EST ICI!
INCLINE-TOI DEVANT LA MARRAINE...
LA PUISSANCE DES PROFONDEURS, LA MAITRESSE DU DESSOUS...
LA REINE DE L'AMOK!
着いたぞ!
ゴッドマザーの前に出て、頭を下げろ。
深淵の支配者にして、地下階の実力者、
AMOKのクイーンだ!

[38>1]
AINSI, C'EST TOI LA REINE DE L'AMOK?
ON RACONTE DE BIEN ETRANGES ET SOMBRES HISTOIRES SUR TOI,
LA-HAUT...
ふんッ、キサマがAMOKのクイーン?
妙な噂や黒い噂しか聞かないがな、陛下?

ON EN RACONTE SUR TOI AUSSI...
MOI, JE LAISSE JASER...
ILS AVRONT BIENTOT DE VRAIES RAISONS DE ME CRAINDRE!
ふふっ、それはそなたも同じであろう?
まあよい、噂は噂よ。
わらわが恐れられる真の理由が、いずれ知られるようになる。

APPROCHE ET PARLONS...
TU ES RETIRE DE L'ACTION DEPUIS DIX ANNEES...
ET J'AI DU EMPLOYER LES GRANDS MOYENS POUR
TE FAIRE SORTIR DE TA TANIERE...
JE LE REGRETTE...
近こう寄れ、話し合おうではないか。
そなたが引退してもう10年、
隠れ家から引っぱり出すのに大層苦労したぞ。
少々無理もせねばならなかった……。

[38>2]
MARRAINE... O MARRAINE...
QU'IL LE RAMENE VIVANT!
VIVANT... POUR MOI!
ゴッドマザー。ゴッドマザー、お耳を。
ヤツは生かしたまま、
生かしたままここに連れて来させて頂きとうございます。
私めにも、

TETE-DE-CHIEN CRIE VENGEANCE!
この犬頭めにも、復讐のチャンスを!

CESSE DE ME BRAILLER AUX OREILLES, TETE-DE-CHIEN!
ALLEZ... COUCHE!
黙れ犬頭! 耳元で騒ぐでない!
下がれ、犬めがッ!

[38>3]
TU PRETENDS DETENIR MON FILS!
OU EST-IL?
EST-IL ENCORE...
息子は預かった、というのは本当か?
息子はどこだ?!
息子はまだ……

[38>4]
VIVANT? BIEN SUR, CHER META-BARON...
SINON, QUEL MOYEN DE PRESSION AURAIS-JE SUR TOI?
「無事か」とな? もちろんですよ、私のかわいいメタ男爵……。
それはそうと、そなたを意のままに操るには、
何をすれば良いであろうのぅ?

QU'ON TIRE LE RIDEAU!
IL DOIT VOIR!
幕を開けろ!
とくと見るがよい!

[39>1]
TU VOIS!?
TON FILS ADORE EST AUSSI EN SECURITE ICI
OU'UN FOETUS DANS LE SEIN MATERNEL...
分かったか?!
そなたの最愛の息子も、ここで大切に保護されておるぞ、
まるで母親の胎内に眠る胎児のようにな……。

PERE! AU SECOURS!
お父さん! 助けて!

BIEN SUR, LES AMIS QUI PEUPLENT MON AQUARIUM
NE SONT PAS PRECISEMENT DES ANGES...
MAIS CE SONT DE BONS GARDIENS!
AH AH AH!
もちろん、水槽にはお友達も用意してあるぞ。
必ずしも良いお友達ではないところが
困ったところではあるがの……。
まあしかし、良い保護者役になるとは思わんか?
アッハッハッハッ!

[39>2]
SOUDAIN, VIF COMME UN FELIN,
METABARON BONDIT SUR LE GARDE LE PLUS PROCHE
その時突然、猫のように機敏に、
メタ男爵が一番近くにいた監視員に襲いかかった。

?


[39>3]
ZZAF
ズバッ
 *「ZZAF」が分かりません。
 以下のページから、オノマトペなのは確かなようですが、
 どのような様子を表わすものなのかは分かりませんでした。
 文脈から推測して訳してあります。
 ● 「Bienvenue sur Dragonball」内「MANGA28」

[39>4]
SHARKSS!
シュバァァ!
 *「SHARKSS」が分かりません。
 文脈から推測して訳してあります。

HA HA!
TU CROIS BRISER DU VERRE ET TU NE FAIS QU ERAFLER DU BETON...
ハッハッ!
ガラスを割れると思うたか!
そなたが撃ったのはコンクリートの壁よ、
かすり傷ひとつ付きはせぬわ。

QUANT A MOI, JE SUIS A L'ABRI, D'UN CHAMP DE FORCES
わらわを狙っても無駄ぞ。親衛隊に守られておるからな。

[39>5]
FOU!
CECI N'ETAIT QU'UNE PROJECTION HOLOGRAPHIQUE...
NOUS CROIS-TU IDIOTS?
愚か者めがッ!
言うておくが、ホログラフなどでもないぞよ。
わらわ達とて馬鹿ではないわッ。

TON FILS EST LOIN D'ICI!
PRET A ETRE DEVORE PAR MES FRETILLANTS AMIS...
そなたの息子はここには居ぬ。
見よ、わらわの友達が、今にも喰おうとピチピチ跳ねておるわ。

A MOINS QUE...
頼む……

[40>1]
A MOINS QUE...
これだけは聞い……

VOICI LE DOSSIER JOHN DIFOOL!
ここに、ジョン・ディフールという男のファイルがある。

JE VEUX CET HOMME ICI DANS LES VINGT QUATRE HEURES,
MORT OU VIF!
生死は問わぬ、
24時間以内にここに連れて来るのじゃ。

TETE-DE-CHIEN!
犬頭!

DONNE LE DOCUMENT AU META-BARON!
資料をメタ男爵へ。

[40>2]
JOHN DIFOOL!
HM... CETTE TETE ME DIT QUELQUE CHOSE!
ジョン・ディフール、
ふむ……、この男、どこかで……、
 *「HM」は[3>1]にも出て来ました。
 何かを言いよどんでいる様子、と考えて良さそうです。

OUI!
C'EST CE DETECT MINABLE
RECHERCHE PAR TOUTES LES POLICES ROB DE LA CITE...
CA NE VA GUERE ETRE FACILE AVEC L'ETAT D'URGENCE...
LES EMEUTES PARTOUT
うむ、あのケチな探偵……、
街のロボット警官どもに人気の……。
すぐにとなると簡単には行かんぞ、
街のあちこちで暴動が起きている……。
 *「ROB」は「ROBOT(ロボット)」の略だと思います。

[40>3]
AUCUN PROBLEME,
IL N'EST PAS DANS LA CITE...
ACTUELLEMENT...
その点なら心配は無用じゃ。
そやつはいま街にはおらん。

IL SE TROUVE AU NORD...
AU COEUR DE LA VILLE TECHNO...
北じゃ。
テクノ市の中に紛れ込んでおる。

RAMENE-LE VIVANT...
J'AI UN COMPTE A REGLER AVEC L'HOMME QUI M'A TROUE L'OREILLE!
生かして連れて来い!
ヤツに撃たれた耳のこの穴、
落とし前をつけなきゃならんッ!

SILENCE, TETE-DE-CHIEN!
黙れ、犬頭!

[40>4]
LE CITE TECHNO...
EH BIEN, CE N'EST PAS NON PLUS UNE MINCE ARRAIRE
テクノ市……。
ぬう、そこも簡単には行くまい。

CE REPAIRE DE PUNAISES...
JE COMPRENDS MAINTENANT LA RAISON DE TON CHANTAGE...
クズどもの掃き溜め……、
俺を脅さねばならぬはずだ……。

[40>5]
AUCUNE PRIME NE M'AURAIT FAIT ACCEPTER CE CONTRAT...
MAIS JE N'AI PAS LE CHOIX...
J'ACCEPTE!
CEPENDANT, ATTENTION!
S'IL ARRIVE QUELQUE CHOSE A SOLUNE...
JE VOUS TUE... TOUS!
金は要らん。
選択の余地もなかろう……。
引き受けよう。
しかし、これだけは覚えておけッ!
ソリュンにもし何かあったら……、
キサマら全員を殺す!
 *ソリュン(SOLUNE)は、メタ男爵の息子の名前だと思います。

[41>1]
QUELQUES HEURES PLUS TARD
それから何時間か後……

TOUCHE!
ビンゴ!

[41>2]
C'EST PAS UNE CITY-EMEUTE COMME D'HABITUDE.
CA... CA RESSEMBLE CARREMENT A UNE GUERRE
COMME DANS CES VIEUX FILMS!
この市民暴動、ただ事じゃあないぞ。
ほとんど戦争じゃないか、古い映画かなんかのさ。

OUAIS, ET C'EST PAS CETTE OBSCURE HISTOIRE D'OISEAU SACRE
ET DE PRETENDU COMMANDO BERG OUI A PU DECLENCHER CETTE MERDE,
COMME LE PRETEND LA T.V....
POUR MOI, CA SENT LE COUP PRERARE DE LONGUE DATE...
ああ、テレビでも言ってる。
聖なる鳥の予言だとか、
自称バーグ族のコマンドーの仕業だとかな。
俺は、もっと綿密に時間をかけた策略だと思うんだが……。

[41>3]
HE!
CES SALAUDS NOUS ARROSENT AU GROS CALIBRE!
くそッ!
デカイ弾使ってくれやがる!

RRRRRMMMM
ゴゴゴゴゴォォォォ
 *「RRRRR」は、「仏語オノマトペ辞典」に
 「RONGLEMENT(うなる音)」とあります。
 「MMMM」はそこから推測して訳してあります。

ILS SONT ENRAGES
あいつら、狂ってやがる。

MOI JE CRAQUE!
JE PREVIENS LE PALAIS FLOTTANT...
ILS DOIVENT ETRE MIS AU COURANT
ダメだ!
空中宮殿に応援を要請する。
状況を報告して置かねば……。

[41>4]
DU CALME, ROBFLIK!
NOUS SOMMES PARFAITEMENT EN CONTROLE DE SITUATION...
CE N'EST NI LA PREMIERE NI LA DERNIERE CITY-EMEUTE
うろたえるなロブフリック!
状況は完全に把握している。
この市民暴動は第一級のものでも最悪のものでもない。

APPROCHE EN COURS!
MISE EN POSITION DE SEMI-BOUCLAGE A 300 PIEDS
DES VALVES DE FERMETUER
接近中!
300フィートまで降下、半包囲網を敷け!
バルブ閉鎖!
 *300フィートは約90メートルです。

CONTROLE DE SITUATION!
CELLE-LA, C'EST LA MEILLEURE!
完全に把握している?!
そりゃあ良かったですなっ!

[42>1]
NON MAIS REGARDE...
ENCORE UN DE CES NEO-URBANISTES QU'ESSAYE DE FORCER NOS LIGNES
待て、よく見ろ。
あれは新都市主義者の一人じゃないか?
我々の戦線を突破するつもりなんだ。

SON COMPTE EST BON!
うまいこと考えやがったな!

[42>2]
KABB000
ドガァァァン
 *英語に「KABOOM(ドドーン、ドッカーン、雷鳴・大爆発など)」
 という語があります。
 ここではそれを参考に訳してあります。

AH! ENFIN
クッ! まったくッ。

[42>3]
OUVREZ L'ECOUTILLE SUD-SUD!
LA VEDETTE EST-ELLE PRETE?
ハッチを開けろ! 南だ南!
ランチは使えるか?

[42>4-5]
セリフなし
(メタ男爵がハッチに向って飛び降りる)

[42>6]
JUDICIEUSEMENT EXPLOITE
LE SOUFFLE D'UNE EXPLOSION POURRA PROJETER
CELUI QUI CONTROLE LE PLACEMENT DE SON CORPS AVEC PRECISION
A L'ENDROIT EXACT QU'IL AURA PREALABLEMENT CHOISI
爆風にうまく乗って、彼は、
あらかじめ用意しておいたハッチへと、
1ミリの狂いもなく舞い降りた。

[42>7]
セリフなし
(メタ男爵がハッチに入る)

[42>8]
SALUT TONTO!
良くやった、トート。

COMMENT CA SE PRESENTE?
状況は?

TU AURAS DE MAL A ATTEINDRE L'EXTERIEUR
LE PALAIS PRESIDENTIEL EST,
PARAIT-IL, EN POSITION DE BOUCLAGE!
脱出ハ困難デス。
大統領宮殿ハ包囲網ヲ敷ク模様。

[42>9]
DEJA? HM... NON!
ILS VONT PLUTOT SE PLACER EN SEMI-BOUCLAGE
POUR EPARGNER LES NIVEAUX ARISTOS...
CE QUI M'INQUIETE, CE SONT CES VIBRATIONS...
LE META-BUNKER N'Y RESISTERA PAS LONGTEMPS...
なに、もうか?! うむ……、いかんな。
だが、アリストの階を守るために、
半包囲網に留まると見るべきだな。
それよりも振動が心配だ。
メタ・バンカーが持ちそうにない……。

JE SAIS!
IL Y A DES COMBATS INTER-NIVEAUX,
ET NOUS SOMMES EN SANDWICH!
ON N'A JAMAIS VU UNE PAREILLE FURIE...
VOUS AUTRES, HUMAINS, A MON AVIS, ETES COMPLETEMENT...
ハイ。
各階間デ戦闘ガ起キテイマス。
コノママデハ挟ミ撃チニ遭イマス。
コンナニ酷イ状況ハ初メテデス。
……ワタクシ個人ノ意見ヲ言ワセテ頂ケルナラ、
アナタガタ人間トイウモノハ、
全クモッテ……、

[42>10]
OUI!?? COMPLETEMENT QUOI?
ふむ、「全くもって」何だ?

TNIT TNIT! HEU...
J'AVOUE QUE LE MOT EXACT NE FIGURE PAS DANS ME BANK
全クモッテ……、全クモッテ……、……。
ソノ語ハ入力サレテイマセン。
 *「TNIT」は何かを言いかけて止めているのでしょうが、
 手元の仏和辞典には「TNIT」で始まるような語は
 採録されていません。

[43>1]
BROOOOOOOO
ブゥゥゥゥゥゥゥン
 *「仏語オノマトペ辞典」に、
 「MOTEUR(de course)/モーター(走行時)」として
 「VROOOOM」が載っています。
 それを参考に訳してあります。

[43>2]
セリフなし
(メタ男爵の乗ったランチが発射する)

[43>3]
UNE VEDETTE PRIVEE TENTE DE FORCER LE BLOCUS!
民間のランチが一台、包囲網を突破しようとしています!

ENVOYONS-LUI QUELQUES CROCS BIEN PLACES!
クロ・ミサイルで追撃しろ! ちょうど配備されているはずだ!

ENFIN L'EXTERIEUR!
CENT FOIS, J'AI CRU ETRE TOUCHE PAR CES FOUS
よし、脱出に成功した!
しかしあの馬鹿ども、絶対に撃ってくると思ったのだが。

[43>4]
NON! INUTILE...
NOUS EN AURONS PEUT-ETRE BESOIN, PLUS TARD...
POUR NOUS DEFENDRE...
いや、止めておけ。
クロ・ミサイルは後々の自衛のために取っておかねば……。

VOILA QUI N'EST GUERE OPTIMISTE MON CHER KABOS!
ふふっ、カボめ、やけに慎重だな。

[43>5]
LA META-VEDETTE VIRE, CAP AU NORD,
PUIS DISPARAIT DANS L'AZUR...
メタ・ランチは北へと針路を変え、
青空のなかへと姿を消した……。

HA!
SI SON OPHIDITE MAJEURE CONSENTAIT A
PRENDRE LA DIRECTION DES OPERATIONS!
うむ。
オフィディット閣下が、
今回の作戦の指揮をお取りになって下さっていたなら……

HELAS!
ああ、全く。

[43>6]
AINSI, VOICI L'HOMME... VOICI LA PROIE...
さて、この男……、この獲物……、

JOHN DIFFOOL
ジョン・ディフール

1°9VII
No1 9VII
 *「°」はフランス語でナンバーを表わす記号です。

[43>7]
JOHN DIFOOL...
DETECT DE CLASSER R...
HM...
UN MINABLE
ジョン・ディフール……。
Rクラスの探偵か……、
ふむ……、
小物だな。

ET C'EST POUR CE MINABLE QUE JE VAIS VIOLER MON SERMENT
こんな小物のために、俺は誓いを破らねばならんのか……。

[43>8]
QU'EST-CE QU'IL PEUT Y AVOIR DERRIERE CE REGARD STUPIDE
QUI INTERSSE L'AMOK A CE POINT?
しかし、AMOKがあそこまで必死になるとは、
この馬鹿面、いったい何を……。

[43>9]
LES FILS DE DESTIN DE JOHN DIFOOL
VONT-ILS SE DENOUER OU SE RELIER A D'AUTRES TAPISSERIES PLUS VASTES?
TOUT SERA-T-IL JOUE DANS LE PROCHAIN LIVRE :
L'INCAL LUMIERE
ジョン・ディフールの運命の糸はいま解き放たれた。
それはまた、さらに広大な冒険への幕開けでもあった。
彼の前途に何が待ち受けているのか、
すべては次巻で明らかになる。
その名は……

 「光のアンカル」



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by moebius-labyrinth | 2004-09-03 23:50 |  『L'Incal 1』和訳
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