「LE CANYON DE BLUEBERRY」というメビウスのファンサイトの
バイオグラフィーの訳案です。
《本文》
1979 Parution de "Major Fatal" et du "Garage hermetique".
Creation de la serie Jim Cutlass avec Jean-Michel Charlier.
1979年 『ファタル少佐』と『隔絶されたガレージ』を出版する。
ジャン・ミシェル・シャルリエと共に「ジム・カットラス」シリーズを
創出する。
《注》
◆「Major Fatal」と「Garage hermetique」
「MAJOR FATAL」というのは、
1979年に出版されたアルバムの名前で、
1988年に重版がかけられたときに「le garage hermetique」と
題名が変更されているようです。
これは、現在でも『LE GARAGE HERMETIQUE』として認知されている作品です。
この『LE GARAGE HERMETIQUE』には
『L'Homme du Ciguri』(シグリの人)という続編があるのですが、
現在、「Major Fatal(直訳すると「運命少佐」)」は、
この2冊の総称として(つまりシリーズ名として)
使われることが多いように思います。
くわしくは以下のサイトを参照してください。
● 「BD GEST'」内「Major Fatal」紹介ページ
《公式バイオグラフィーサイトの記述》
● LES HUMANOIDES ASSOCIES社>該当記述なし
● DARGAUD社サイト内メビウスの伝記のページ
1979 - Creation de Jim Cutlass, avec jean-Michel Charlier,
et parution de Major Fatal.
1979年 ジャン・ミシェル・シャルリエとともに
「ジム・カットラス」シリーズを創出した。
『ファタル少佐』を出版する。
● 「INSIDE MOEBIUS」内「BIOGRAPHIE」
En 1979, et toujours avec Jean-Michel Charlier,
il cree une nouvelle serie western
aux Humanoides Associes, Jim Cutlass,
et acheve son Garage Hermetique, commence en 1976.
1979年に、引きつづきジャン・ミシェル・シャルリエとともに、
彼はウエスタン・コミックの新しいシリーズ、
「ジム・カットラス」をユマノイド・アソシエ社から発表した。
さらに、1976年から手をつけていた『隔絶されたガレージ』を
完成させた。
《公式ビブリオグラフィーサイトの記述》
● LES HUMANOIDES ASSOCIES社サイト内『隔絶されたガレージ』のページ
Le Garage hermetique, ou comment miner la bande dessinee de
l'interieur en en ebranlant les plus solides fondations,
en particulier narratives.
Moebius a cree un monde, un style, une ecole meme.
Un travail de destructuration euphorique et
graphiquement epoustouflant.
『隔絶されたガレージ』、それはバンド・デシネの根幹に
内側から揺さぶりをかける作品の名だ。
とくに物語の方法論における同作の冒険はすさまじい。
メビウスはこの作品によって、ひとつの世界を、
ひとつのスタイルを、そしてひとつの流儀を、
まったくあたらしく創り出してしまったと言っていい。
その破壊行為に、読者は胸を躍らせるにちがいない。
そしてそのグラフィックに、読者は驚愕するにちがいない。
これはそんな作品だ。
● LES HUMANOIDES ASSOCIES社サイト内『シグリの人』のページ
La suite, vingt ans apres, du mythique Garage Hermetique.
Une histoire frappadingue de major fatal
et de dimentions paralleles
ou se croisent des vaisseaux perdus,
des archers et meme un dessinateur.
Et le trait de Moebius,
toujours aussi incroyablement evident.
『隔絶されたガレージ』から20年のちに出版された神話の続編。
ファタル少佐の物語であると同時に、
複雑に交錯しあうパラレル・ワールドの物語でもあり、
キューピッドと作者本人の物語でもあるという、
とにかくイカレたおはなし。
驚くことに、今もなお、
メビウスの作品はすぐれてメビウス的であり続けている。
*「frappadingue」は「TLFi」にも載っていない語です。
「frappant(驚くほどの)」と「dingue(頭のいかれた)」の
合成語と考えて訳してあります。
● Casterman社サイト内「ジム・カットラス」のページ
En 1978, Jean-Michel Charlier et Jean Giraud
prennent le chemin des ecoliers pour creer un
nouveau western en parallele de leur serie
Blueberry: Mississippi River, mettant en
scene un certain Jim Cutlass. Dix ans plus
tard, ce dernier reprend du service sous la
houlette du dessinateur Christian Rossi et de
Jean Giraud, qui succede a Jean Michel
Charlier au scenario. Jim Cutlass est un
aucien officier qui a la suite de la guerre de
scession herite d'une plantation de coton.
Farouchement anti-esclavagiste, il doit lutter
contre le Ku Klux Klan. Mais un autre
organisation extremiste se devoile, bien
decidee a eliminer... les Blancs. La situation
se complique encore plus des lors que la
sorcellerie s'en mele et que les zombies se
dechainent. Jim Cutlass est une vraie serie
western moderne qui ravira les amateurs de
tous ages.
1978年、かねてより「ブルーベリー」シリーズを手掛けていた
ジェン・ミシェル・シャルリエとジャン・ジローは、
そのパラレル・ストーリーとして、
ひとつのウエスタン・コミック・シリーズを開始した。
ミシシッピ川を舞台とした一人の男の物語、
「ジム・カットラス」シリーズだ。
そしてそれから10年、今度は、
二人の衣鉢を継いだ漫画家クリスティアン・ロシと、
ジャン・ジローが、シナリオのジャン・ミシェル・シャルリエの
遺産を受け継ぐかたちで、
ふたたびこのシリーズを開始することとなった。
ジム・カットラスとは、南北戦争ののち、
ある綿花農場を相続することになったベテラン将校の名前だ。
熱心な奴隷解放論者でもある彼は、
やがて、白人至上主義の秘密結社クー・クラックス・クランと
対決することになる。
それにくわえて、別の過激派組織までベールをぬぎ、
こんどは白人を殺そうとする始末。
魔術師の乱入、ゾンビたちの暴走、
情勢は、さらに混迷をきわめて行くこととなるのだ。
「ジム・カットラス」は、まちがいなく全てのファンの心を奪う、
モダン・ウエスタン・コミックの傑作のひとつだろう。
*ジェン・ミシェル・シャルリエは1989年に死去しています。
さすがに今日はここまでです。
次回は、今回注をつけた作品の画像を紹介したいと思います。