[
1-1/
1-2/
2-1/
2-2/
3-1/
3-2/
4/
5]
『L'Incal』の解説については、
[語る>『L'Incal』解説]を参照してください。
使用したテキストは
『L'INCAL TOME 1 / L'INCAL NOIR』
(Alexandro Jodorowsky, Moebius,
1998 Nouvelle edition, Les Humanoides Associes)
です。
『L'INCAL TOME 1 / L'INCAL NOIR』
『ランカル 第一巻 闇のアンカル』
[ページ数>コマの順番数]
[1>0]
LES NUITS DE L'ANNEAU ROUGE
赤い環の夜
[1>1]
CE GENRE DE SPECTACLE EST FREQUENT A SUICIDE-ALLEE...
PLUS DE PRIVILEGES DE NIVEAU POUR VOIR LE SANG COULER
この光景を見てほしい。
今日もまた、「自殺通り」で血が流される。
この階では何時だってこうなのだ。
VAS-Y!
TUE-LE
やれぇ!
殺っちゃえ!
PARLE!
吐け!
AU SECOURES!
助けてくれ!
AAIZZHR!
あ痛ててて!
*「AAIZZHR」が分かりません。
オノマトペなのは確かでしょうが、
どのような場面で、どのような様子を表現するものなのかが不明です。
文脈から判断して訳文を作ってあります。
[1>2]
CELUI QUI PREND DES COUPS S'APPELLE JOHN DIFOOL...
IL EST POSSESSEUR D'UNE LICENCE DE DETECTIVE PRIVE
DE CLASSE R
彼の名はジョン・ディフール。
今日はまたひどく痛めつけられているようだが、
Rクラスのライセンスを持つれっきとした私立探偵だ。
*「CLASSE R」については、英訳版、邦訳版でそれぞれ、
「CLASS-B」「B級」と訳されていることを確認していますが、
あえて従っていません。
くわしくは以下の記事を参照して下さい。
[
翻訳メモ:「CLASSE R」は「B級」なのか?]
[1>3]
NON!
PAS CA!
やめろ!
それだけは勘弁してくれ!
QUANT A SES AGRESSEURS,
ILS SOUT MASQUES,
DONC INIDENTIFIABLES
一方でこのディフールを痛めつけている連中だが、
残念ながら、マスクのせいで素性はまだ不明である。
[1>4]
AH! BRAVO!
おぉ!
ブラボー!
VITE! AU CAROSS!
さっさと落ちろ! カロスまでな!
*「CAROSS」というのは固有名詞、
おそらく、この下に広がるという酸の海の名前だと思います。
HOURA!
ばんざい!
*「HOURRA」で「万歳」という意味です。
OUAIIIS!
イェーイ!
AAAAHHAA
うわぁぁぁぁぁぁ
[1BIS(1の2)]→
■
DE SUICIDE-ALLEE,
C'EST LA CHUTE DIRECTE ET SANS ESCALE
JUSQU'AU GRAND LAC D'ACIDE QUI DISSOUT TOUT.
自殺通りから落ちてしまうと、
あらゆるものを溶かすという、酸の湖までまっさかさまだ。
LA!
UN SUICIDE!
見ろ! 自殺だ!
IL Y AVAIT LONGTEMPS
ひさしぶりだな。
GEEEK!
D'AUTRES VONT SUIVRE!
馬鹿がッ! こりゃあ後追い自殺が出るな。
*「GEEEK」はオノマトペなのかも知れません。
ただ、英語に「GEEK(変態、異常者)」という語があって、
フランス語のサイトをざっと検索してみたかぎりでも、
「GEEK」は大抵英単語として使われているようなので、
上記のように訳しておきました。
AARGHHHHH
うわぁぁぁぁぁぁ
*間投詞「AH」の異体ではないかと思います。
KOSKICH!
VA ME CHERCHER MON ARME.
CETTE FOIS, IL M'EN FAUT UN!
コスキシュ!
武器を持って来い。
こいつは手強そうだぜ。
*「KOSKICH」というのが分かりません。
グーグルで検索すると、
古代ギリシャの医者ヒポクラテスのページが引っかかります(→
■■)。
どうやら「Prognoz koskich」で一つの成句になっているようです。
「Prognoz」については、例えばこういうページがあって(→
■)、
なんとロシア語で「予測」という意味だそうですが、
英語にも「prognose(予知する)」という語があるので、
これらの語源であるラテン語もしくはギリシア語だと思います。
「KOSKICH」もラテン語かギリシア語だと考えるのが妥当でしょう。
ただ、これらの辞書を引いてみたのですが、
該当する語は検索できませんでした。
ここでは、固有名詞、人名として解釈しました。
SORTEZ LES FUSILS!
銃を用意しろ!
*この二つのセリフの意味がよく分かりません。
「KOSKICH」以外は、文の意味自体には致命的な誤訳はないと思うのですが、
この場面でなぜこのようなセリフが吐かれるのかが分かりません。
話の筋とは関係ないセリフが、
たまたま同じ場面に居合わせた人物によって発せられている、
という可能性も考えましたが、
二人ともディフールの方を見上げているようですし、
どちらも「武器」に関するセリフだというのが気になります。
次のコマで、ディフ―ル以外にも後追い自殺者が多数出ているのが分かります。
おそらく、これらの人びとに混じって、
火事場泥棒のように自殺者から金品を盗む人たちが
いるのではないでしょうか。
これらのセリフは、
まさしくディフールから何かを盗もうとしている人物のセリフ
(しかし、相手が手強そうなので武器を必要としているのです)
と解釈しました。
[2>1]
COMME D'HABITUDE A "SUICIDE-ALLEE
UNE CHUTE MORTELLE PROVOQUE
UNE EPIDEMIE DE SUICIDES
後追い自殺者たちだ。
自殺通りではいつもこう、
死のダイブはエピゴーネンを誘うのだ。
[2>2]
NON! CA
C'EST UN SUICIDE!
違う!
後追い自殺のやつだ!
LA
C'EST LUI!
あれだ!
ヤツだ!
[2>3]
HECK! AUSSS... AANON!
ひいっ!うわぁぁぁ……、ダメだぁぁ!
*仏語の「HECK」は、通常固有名詞(人名)として使われるようです。
英語に「HECK(HELLの婉曲語、ちきしょう、くそっ、なんだと、
とんでもない!、当惑・拒否・嫌悪など)」という語があるので、
それだと思います。
*「AUSSS」が分かりません。
フランス語のサイトを検索してみるといくつかヒットしますが
(僕が検索した時は20件)
明確にオノマトペとして使われている例はなく、
どうやら「AUSSI」のタイプミスがヒットしているようです。
● グーグル仏で「AUSSS」を検索
「AUSS」で検索しても同じような結果でした。
ここでは文脈から意味を推測して訳してあります。
*「AANON」は「AH NON」の異形だと思います。
ES-TU DECIDE A PARLER?
駄目押ししてみるか?
[2>4]
PLUS QUE TRENTE SECONDES
AVANT L'OCEAN D'ACIDE!
酸の海まであと30秒ちょっとだぞ!
JE... JE VAIS
TOUT VOUS DIRE!
わ、分かった。
言うよ。全部言う!
[2>5]
JE LE TIENS!
よし、つかまれ!
[3>1]
ALORS? OU L'AS-TU CACHE?
で? アレはどこだ?
HEE! HM... UNE SECONDE!
J'AI LE COEUR... LE COEUR QUI...
うわっ、ちょちょ、ちょっと待てよ。
いま言おうと思ってたところさ。
実はさ……
*「HM」は英語の「H'M HMM(ウーン、フーム、ヘーエ、
思案・ためらい・疑い・当惑を表わす)」だと思います。
[3>2]
POLICE! PILOO 7CK! STOOP! STOP!
警察だ! PILOO 7 CK! 止まれ! 停止しろ!
LES FLIKS
フリックのやつらだ。
*「FLIKS」というのはおそらく「ROBFLIKS」の略で、
後に現われるロボットの警察官のことだと思います。
フランス語に「FLIC」という俗語があって、
「警官、デカ」という意味なので、
それに掛けてあるのでしょう。
CHIIIT! C'EST BIEN LE MOMENT!
チッ! いいところに現れやがって!
LE COGAN! C'EST CA OU LE REMODELAGE!
コーガンのことがバレたんだ、間違いない! それか革命組織のやつらだ!
*「COGAN」は固有名詞だと思います。
この後[4>4]に「COGAN 45」という語が出てきます。
このPILOO 7 CKというグループが持っている何かの物の名前だと
思うのですが、はっきりしません。
問題は「REMODELAGE」で、
これは直訳すると「組織の再編、都市の再開発、美容整形」
というような意味になります。
これも定冠詞の「LE」がついているので、
固有名詞で、語の意味から推して
革命組織や反政府組織か何かの名前だと考えました。
[3>3]
SLOMP
バシュゥッ
*「SLOMP」が分かりません。
文脈から推測して訳してあります。
[3>4]
RAAM!
バァァン!
*「RAAM」が分かりません。
文脈から推測して訳してあります。
[3>5]
RATE
外しました
ENVOIE LEUR UN PETIT CROC!
CA VA LES CALMER!
クロ・ミサイルをお見舞してやれ!
それで一発だ!
*「CROC」は直訳すると「フック、牙、歯、鉤(かぎ)」
というような意味になります。
[4>4]に「LE "CROC"」と引用符つきで出てくるので、
おそらくミサイルの名前なのでしょう。
[3>6]
STORHD
グワァァン
*「STORHD」が分かりません。
文脈から推測して訳してあります。
[4>1]
LE RECUPERATEUR COUINE!
IL EST ENCORE VIVANT!
CET HUMAIN A UNE ETOILE!
おい、聞こえたか?
あの回収機の人間、まだ生きてるぞ!
運のいい人間だ。
MAIS... JE LE CONNAIS!
ん? ……見覚えがあるぞ!
SON NOM EST JOHN DIFOOL, UN PRIVE DE CLASSE R.
SON BUREAU EST A CIUDAD ROSA...
C'EST UN MINABLE MAIS UN BON INFORMATEUR!
名前はジョン・ディフール、Rクラスの私立探偵だ。
シウダーデ・ロサに事務所がある。
パッとしないヤツだが、いいネタを持ってるはずだぞ。
*「CIUDAD ROSA」はスペイン語で、
「薔薇の都市」という意味です。
●スペイン語辞書のサイト→
■■■
(一つ目のサイトは結構重いので注意してください)
スペイン語の発音のカタカナ表記については
こちらのサイトを参考にしています。
TOOIII TOOIII
トゥイィィ トゥイィィ
*「TOOIII」が分かりません。
「COUINE>COUINER(〔ウサギが〕キーと叫ぶ、〔赤ん坊が〕ピーピー鳴く、
〔戸などが〕きしむ」を参考に訳してあります。
[4>2]
C'EST TOUT CE QUI RESTE DES TROIS HOMMES MASQUES?
こっちは全部、マスク族三人の残骸だよな?
UN JOUR L'IDENTIFICATEUR VA CRAMER!
こんなことばっかりやってると、
アイデンティフィケーターがイカレちまうぞ!
[4>3]
PY! CASSETTE AUTOPSIE!
PY! 検死記録用のカセットだ!
*「PY」というのはこの警察官の名前です。
胸に「PY」と書いてあります。
VAS-Y! J'ENREGISTRE...
TIENS!
VOILA LE RESCAPE DE SUICIDE-ALLEE
QUI DAIGNE REVENIR PARMI NOUS...
SALUT JOHN!
よし、任せろ!
ん゛、ん゛んー、
自殺通りの生存者が、我々の介護のもと意識を取り戻してくれた。
やあ、ジョン!
OOHSS!
QUI EST LE SALAUD QUI M'A TIRE DESSUS A COUP DE MISSILE?
う~ん。
ミサイルなんかぶっぱなしやがって、この馬鹿がッ!
*「OOHS」は「OH」の異形だと思います。
[4>4]
CLIC
カチッ
J'ADMETS QU'ON Y A ETE FORT AVEC LE "CROC"
MAIS TES COPAINS...EUX, AVAIENT UN COGAN 45
誰かがクロ・ミサイルで無茶をやったようだ。
君のお仲間の仕業なんじゃないのかね?
彼らはコーガン45を所持していた模様。
OUAIS, J'AI VU CA! LES SALAUDS
そいつはどうも、俺はちゃんと見てたぜ、クソッタレが。
JE SUPPOSE MAINTENANT QUE TU ATTENDS MA
VERSION DE L'HISTOIRE DEPUIS LE DEBUT
どうせ、最初っから洗いざらい話せってんだろ?
[4>5]
C'ETAIT DONC UNE BELLE MATINEE DE MAI...
さて、こういうわけで、五月のあるうららかな朝……、
TOUT E'TAIT CALME DANS LA GRANDE CITE ENTERREE
ここ大埋没都市では、今日も平穏無事に日が過ぎて行くのであった。
ON ARRIVE AU CENTRAL!
ON PARLERA DE TOUT CA DANS MON BUREAU...
中央警察に着いたぞ!
取調室でゆっくり話し合おうじゃないか、色々とな。
POLICE CENTRAL
中央警察
[5>1]
...DE CETTE GRANDE FETE POLITIQUE...
CAR A JOUR J MOINS UN DU CLONAGE PRESIDENTIEL NOUS...
……が、政府の定めたこの大祝日であるわけです。
つまり「Jの日」には、大統領のクローン一体をのぞいて、私たちは……
TOUT A COMMENCE HIER SOIR...
休暇だって? みんな昨日の晩からどんちゃん騒ぎさ……。
CETTE AGITATION AU CENTRAL STOC 117...
MAUVAIS QUAND ON VEUT GARDER L'ESPRIT CLAIR...
中央警察STOC117のこの喧騒……。
心の平安を望む人びとが警察にどっと押しかける、世は不安の時代なのだ。
[5>2]
FACE A CES ROBFLIKS SANS TRIPES...
ロブフリックのやつらと差し向かいでお話だ。
適当にデタラメを混ぜといてやったがな……。
*「ROBFLIK」といのは、ロボットの警察官のことだと思います。
「ROB」は「ROBOT(ロボット)」の略、
「FLIK」は「FLIC(警官、デカ)」に掛けてあるのでしょう。
グーグル検索をしても『ランカル』の例しかヒットしないので(→
■)、
メビウスの造語と考えてよいと思います。
J'ETAIS TRANQUILLEMENT EN TRAIN D'ARROSER
MON STEAK AVEC DU FAUX BOURBON LORSQUE...
昨日、俺が人造バーボンとステーキで優雅に食事を楽しんでいた時のことだ……
SILENCE DEEPO!
うるさいぞ、ディーポ!
CROTT!
クルゥ~!
DONC
ドンッ
[5>3]
C'EST VOUS JOH DIFOOL,
JE VOUS ATTENDS DANS UNE HEURE...
POUR TRAITER UNE AFFAIRE IMPORTANTE...
HM... ESPACE 771643
ジョン・ディフールさんですね?
一時間ほどお時間をいただけないかしら……、
とても重要な件についてお話をしたいのです……、
その……、771643地点のことなんですが。
SECTEUR 28... CEINTURE BELLEVUE... TERMINE!
28地区……、ベルヴュ帯状地域の人間か……、話すことなんか何もないぜ!
*「BELLEVUE」というのは実在する地名です。
→
■■■
直訳すると「良い眺め」というような意味になります。
[6>3]の訳注も合わせて参照してください。
[5>4]
SON AUREOLE, SON ACCENT...
C'ETAIT BIEN UNE ARISTO DU CONE DE SURFACE...
L'AFFAIRE SENTAIT L'ARGENT FRAIS...
ELLE SENTAIT AUTRE CHOSE...
MAIS FAUT CROIRE QUE J'AVAIS LE NEZ BOUCHE...
彼女のあの背光とあのしゃべり方……、
地表地区の丘に住む「アリスト」階級のお偉いさんに間違いないと思ったね。
重要な件ってのにも、金のにおいがぷんぷんしやがった。
彼女も何か隠してるようだったしな。
まあ間違いないね。俺の目が節穴じゃない限りな。
*「CONE」は「円錐、円錐型の丘」というような意味、
「SURFACE」は英語と同様「表面」という意味です。
「ARISTO>ARISTOCRATIE(貴族、特権、上流階級)」が
「地表の丘」に住んでいるということで、
どうも
『The Long Tomorrow』と同じような設定の
街が舞台になっているようです
(
『The Long Tomorrow』の[1/5>3>2]の注を参照)。
また、「ARISTO」は[16>4]でも使われているところを見ると、
この物語独自の用語で、
この世界での「貴族」を指す語として設定されているようです。
そして、貴族は全員キンクのような背光を背負っている、
という設定になっているようです。
D'APRES LES COORDONNEES,
IL S'AGIRAIT DE DAME NIMBEA S. QUINQ!
で、連絡先を確認したところ、
光上位ネーべ・S・キンク婦人だったわけか!
*「NIMBE」で「光輪で囲まれた、後光のさした」という意味、
「S.」は[5>6]から「SUPER」の略で、
これは英語の「SUPER」に相当する語なので、
「NIMBEA SUPER」で上流階級のこの婦人の位をあらわす
名なのだと思います。
「光上位」という語を新規に作ってみました。
[5>5]
...EXACT... A PEINE DIX MINUTES PLUS TARD,
JE FOULAIS LA MOQUETTE DE SON CONAPT
……それからきっちり十分もしないうちに、
俺は彼女のコナプト(アパートメント)のカーペットの踏み心地を確かめていた。
*「CONAPT」は
『The Long Tomorrow』にも出てきました。
SF作家フィリップ・K・ディックの造語で、
アパートメントと同じようなものです
(
『The Long Tomorrow』[1/5>3>4]の注を参照)。
HEU... JE SUIS JOHN DIFOOL...
LE DETECT PRIVE DE CLASS R QUE VOUS...
えーと、あの、ジョン・ディフールです。
Rクラスの私立探偵で、あなたが……、
JE SAIS.. VENEZ VOUS ASSEOIR
存じ上げておりますわ。どうぞこちらへ。お掛けになってください。
[5>6]
MON NOM EST NIMBEA SUPER QUINQ,
J'AI BESOIN D'UN GUIDE- GARDE-DU-CORPS
CE SOIR POUR UNE RANDONNEE A L'ANNEAU ROUGE...
JE PENSE QUE VOUS ETES COMPETENT...
わたくしの名前は光上位ネーベ・シュペール・キンク、
いまは警護兵による保護下に置かれています。
今晩は「赤い環」まで行っていただきたく、お呼び立てした次第です。
この任務はぜひともあなたにお願いしたいのです。
QUOI? L'ANNEAU ROUGE!!? MAIS...
何ですって? 「赤い環」!!? しかし……、
VOUS POUVEZ REFUSER...
LE CONTRAT EST LA...
もちろん断られてもかまいませんわ。
契約内容としては、そこにある……
CINQUANTE CUBLARS!
POUR UNE SOMME PAREILLE,
JE VOULAIS BIEN LUI FAIRE VISITER LES ENFERS
謝礼はなんと50キュブラ!
そんな大金のためなら、火の中水の中、どこにだって行ってやるってものさ。
[5>7]
CINQUANTE CUBLARS!!?
ET JE DOIS VOUS RAMENER ICI A MINUIT PILE?
50キュブラですか!!?
で、あなたをそこまで送り届けて、
午前零時までにここに戻って来なきゃならないんですか?
MINUIT PILE, SINON PAS D'HONORAIRES
きっかり午前零時までにです、さもないと謝礼をお支払いすることは出来ません。
つづく→
[『L'Incal 1』和訳 第1章(2)]
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3-1/
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