フランスの新聞「ル・モンド」紙の公式サイト上に掲載された、
メビウスの最新作の書評の抄訳の準備稿です。
● 「ル・モンド」公式サイト内「Pratique>Livres>Blueberry mord la poussiere」
● 同上スナップショット
◆ 抄訳
さすがにこれの全訳を作るとなると時間が掛かりすぎてしまうので、
僕の気になったところだけ抄訳しておきたいと思います。
記事全体としては、
1, メビウスの経歴について概説したうえで、
2, メビウスの発言を紹介し、
3, 最後にメビウスの今後の活動について軽く触れています。
抄訳するのは2と3だけで良いでしょう。
Blueberry mord la poussiere
ブルーベリーが敗北を喫する
*メビウスの最新作の題名は『Blueberry Dust』ですが、
「poussiere」は英語の「dust」に相当する語で、
「ほこり、ちり、ごみ」という程の意味です。
「mord la poussiere」全体で、
「敗北する」という意味の慣用句になります。
(直訳すると「ごみを噛む」という意味)
記事の題名と最新作の題名を掛けてあるのでしょう。
あえて日本語で似た例を探すなら、
「砂を噛む」(味気ない思いをする)でしょうか。
ただ、掛詞をそのまま訳すこと自体に無理があるので、
上記のように訳しておきました。
『Blueberry Dust』の内容も表わしているのかもしれませんが、
僕は実作を見ていないので、判断は出来ませんでした。
"Dix ans pour arriver au bout de cette histoire,
c'est quand meme long.
Dix ans a faire des petits dessins,
ca peut paraitre un peu futile !"
Au rez-de-chaussee de son atelier en travaux,
qui jouxte le pavillon qu'il habite,
dans une rue tranquille de Montrouge (Hauts-de-Seine),
Jean Giraud, soixante-sept ans depuis le 8 mai,
tourne les pages de Dust.
「この物語に決着を着けるのに10年掛かりましたよ。
本当に長かった。
こんな絵を描くのに10年。
下らない事だと思われるかも知れませんがね」
ジャン・ジロー氏が、
自身のアトリエがある建物の1階の部屋で、
『ブルーベリー ダスト』のページを繰りながら語ってくれた。
ジロー氏は5月8日に67歳になったばかりだ。
アトリエはモンルージュ市(オー・ド・セーヌ県)の
閑静な一角に建つ、氏の自宅のとなりに構えられている。
*「モンルージュ市」(Montrouge)は
パリ市に南接する市です。
● 「multimap.com」内「Country:France, Town:montrouge, 」
(「Scale:1/100,000」)
メビウスのアトリエについては、
パリ市の南部モンパルナス地区にもあることが
分かっています。
[
田森庸介氏のメビウス雑記]
● 「タモタモの部屋Ver.2」内「日記>2003年1月29日」
メモ:「10年」は5巻分のエピソード、ってことを後で補足すること。