宮崎駿の『風の谷のナウシカ』にも影響を与えた、
フランスの漫画『Arzach』の和訳です。
[
『Arzach』(アルザック)解説]
[
メビウス&宮崎駿対談動画:文字おこしと全和訳1]
誤訳のチェックとまとめです。
《ARZACH》 A UN COTE TRES NEGATIF.
LORSQUE J'AI COMMENCE A LE DESSINER,
J'ETAIS TOUT A FAIT DANS LA NORME DE LA SOCIETE QUE JE FREQUENTAIS,
CELLE DES CREATEURS DE BANDE DESSINEE,
OU ETRE NEGATIF ETAIT UN INDUBITABLE CRITERE DE QUALITE.
LA MORT EST TRES PRESENTE.
L'OISEAU EST UN BON EXEMPLE DE CES SYMBOLES MORBIDES :
IL RESSEMBLE A UN SAURIEN PREHISTORIQUE,
ESPECE ETEINTE, ET PARAIT FAIT DE BETON.
A L'EPOQUE,
JE N'ETAIS PAS HEUREUX,
JE VIVAIS DANS UN MONDE QUI ME SEMBLAIT DUR, INQUIETANT.
LA SEULE ISSUE POUR ECHAPPER A L'EMPRISE,
AU CONTROLE DE LA CONSCIENCE,
C'ETAIT LA VOIE DU BAS,
CELLE QUI MENE AUX ZONES SOMBRES DE L'AIME.
DERRIERE LA PORTE,
IL N'Y A PAS QUE DES IMAGES DE MORT, DE MALADIE,
DE SOUFFRANCE, DE TERREUR.
『アルザック』にはすごくネガティブな面もあると思う。
この作品を描きはじめた頃、
僕は当時関係していた会社にがんじがらめになっていたから、
その反動として、
バンド・デシネの作家としてはネガティブな状態にあった。
きっとそういうのが作品の性質に影響しているんだろう。
“死”はとても身近な存在だ。
作品の至るところに死が影を落としている。
なかでもとくに、
アルザックの乗っている鳥はその典型的な例だと思う。
この鳥は太古の恐竜、すでに絶滅した種によく似ている。
外見はまるでコンクリートで出来ているみたいだ。
当時僕は、とても幸福とは言いがたい状態だった。
僕にとって、世界はつらく、不安に満ちたものだった。
そして僕は、そういった抑圧から逃れるために、
自分の世界に閉じ篭(こも)るようになっていた。
いろいろな意識のしがらみから逃れて、
魂の深淵へと沈潜して行くようになっていた。
ある程度まで潜ってしまえば、
そこにはもう、死だとか、病(やまい)だとか、
不安や恐れといったイメージは無かったから。