ようこそ! 新しい漫画の世界へ。
この記事は、『ハウル』DVDではじめてメビウスを知った方のための記事です。
これを機会に、宮崎駿に負けず劣らず素晴らしい漫画を描く
フランスの漫画家メビウスに興味を持ってみてください。
きっと「こんな素敵な漫画があったのか!」と驚くと思いますよ。
◆ 目次
以下のプログラムに従います。
(各項目のクリックで該当項目に移動)
1,
フランスの漫画、バンド・デシネ
日本とは違った独自のスタイルを築き上げているフランスの漫画。
あなたも、「タンタン」ならきっと知っているはずです。
2,
メビウスと『フィフス・エレメント』
宮崎駿や大友克洋をはじめ世界中のアーティストに影響を与えている、
フランス漫画界の手塚治虫的な存在、それがメビウスです。
3,
メビウスと宮崎駿
メビウスと宮崎駿は何年にも渡って深交を結んでいます。
『ナウシカ』に与えたメビウスの影響、
そしてメビウスの娘の名前を聞けば、
きっとびっくりすると思いますよ。
4,
もっとメビウスを!
メビウスは素敵な作品をたくさん描いてくれています。
画像の紹介、作品の購入方法、和訳などについてのガイドです。
◆ フランスの漫画、バンド・デシネ -
独自の境地とその魅力
今回はじめてメビウスの名前を知ったような方なら、
おそらく、フランスにも漫画があるなんてことも
初めて知ったのではないでしょうか。
たとえば日本の「漫画」やアメリカのアメコミが
それぞれ独自のスタイルを築き上げているように、
フランスの漫画も独自の境地を切り拓いています。
そういったフランスの漫画のことをとくに
「
バンド・デシネ」(Bande dessinee)、
略して「
ベデ」(B.D.)と呼びます。
「絵が帯状に連なったもの」というほどの意味です。
残念ながら日本ではバンド・デシネはほとんど知られては居ません。
でも、
じつは知らないうちに、あなたもベデに出会っている、
と僕は思うのです。
たとえばあなたは、次のようなイラストを見たことはありませんか?

おそらく彼の姿くらいなら、
大抵の方はご存知なんじゃないかと思います。
彼の名前は「タンタン」(Tintin)。
ヨーロッパの子供なら知らない子はいない、
バンド・デシネでもっとも有名な作品「タンタン」シリーズの主人公です。
邦訳版だってちゃんと出版されているんですよ。
図書館か大型書店の「絵本」のコーナーに行って見てください。
バンド・デシネの魅力は、まずはなんと言ってもその絵の美しさ。
ストーリーも魅力的なものばかりです。
バンド・デシネにちょっとでも触れてみれば、
きっとあなたの漫画観が変わるはずですよ。
● [
基本用語解説]
フランスの漫画についての基本的な用語の解説です。
まずはここで概要を押さえてください。
● [
メビウスの描いたタンタン]
メビウスと「タンタン」の関係について。
「タンタン」関連サイトへもこちらから。
● [
エンキ・ビラルと荒木飛呂彦]
荒木飛呂彦もまた、ベデの魅力を知る日本人の一人です。
● [
谷口ジロー特集記事@「Epok」]
日本よりもフランスでの評価が高い稀有な漫画家、
谷口ジローの特集記事の和訳です。
◆ メビウスと『フィフス・エレメント』 -
フランスの手塚治虫
日本に負けず劣らず素晴らしい作品を
たくさん輩出してくれているフランスの漫画界。
その
フランス漫画界で“神様”と目される偉大な作家、
それがメビウスです。
おそらく日本でもっとも有名なメビウスの作品は、
リュック・ベッソン監督の映画
『フィフス・エレメント』のデザインでしょう。
あなたは、あの映画のなかで、ミラ・ジョボビッチ演ずるリー・ルーが、
未来都市の超高層ビルから飛び降りるシーンを覚えてはいないでしょうか。
彼女の目には、
雑然としていながらもどこかお洒落な、
猥雑でありながらもファンタスティックな、
独特の魅力をもった超高層未来都市の姿が映ります。
――ところで次の画像を見てみてください。
(クリックで別窓で拡大、拡大画像は230Kb)

これは、1981年に発表されたメビウスの代表作、
『ランカル 第1巻 闇のアンカル』という作品の1ページです。
どうでしょう?
まさしく『フィフス・エレメント』のあのイメージではないでしょうか。
じつは、
あの映画のあの魅力的なヴィジュアル・イメージをデザインしたのが、
他でもないメビウスだったのです。
● [
メビウス&大友克洋対談記事:「OTOMOEBIUS」1]
おそらく日本でもっとも有名なメビウス・ファン、
大友克洋とメビウスの対談記事の和訳です。
● [
手塚治虫とメビウス:82年の邂逅]
手塚治虫ですら、メビウスの作品を研究したと言います。
◆ メビウスと宮崎駿 -
深交の軌跡
メビウスと宮崎駿は、おたがいに熱心なファンとして知られています。
宮崎駿は漫画『風の谷のナウシカ』を執筆している当時、
メビウスの代表作『アルザック』(Arzach)を手元において、
制作の参考にしていたと言います。
そしてメビウスは、
なんと自分の娘に「ナウシカ」(Nausicaa)と名づけてしまうほどの
熱心な宮崎駿ファンでもあります。
二人は1980年代におたがいの存在を知るようになり、
日米合作のアニメ映画『リトル・ニモ』の制作に際してニアミス、
1987年にはじめて実際に会ったのちに、
2004年には合同で展覧会も開いています。
二人の関係を簡単にまとめて置きましょう。
(各項目のリンクをクリックすると、
より詳しく解説してある記事に移ります)
1938年
メビウス誕生(0歳)
1941年
宮崎駿誕生(0歳)
1975年
メビウス(37歳)
宮崎駿(34歳)
メビウス、
「アルザック」を発表。
フランス漫画界に革命を起こす。
1980年ごろ
メビウス(42歳ごろ)
宮崎駿(39歳ごろ)
宮崎駿、『アルザック』に出会い、衝撃を受ける。
1981年
メビウス(43歳)
宮崎駿(40歳)
日米合作のアニメ映画
『リトル・ニモ』の制作が開始される。
宮崎駿、スタッフとして参加する。
1982年
メビウス(44歳)
宮崎駿(41歳)
漫画『風の谷のナウシカ』連載開始。
宮崎駿、
『リトル・ニモ』の制作から離脱。
1984年
メビウス(46歳)
宮崎駿(43歳)
映画『風の谷のナウシカ』が公開される。
1984~1985年
メビウス(46~47歳)
宮崎駿(43~44歳)
このころ、当時アメリカに住んでいたメビウスが
映画『ナウシカ』の日本版ビデオの海賊版を観て、
はじめて宮崎駿を知る。すぐに大ファンになる。
1985年
メビウス(47歳)
宮崎駿(44歳)
メビウス、
『リトル・ニモ』の制作に参加決定。
しかしすでに宮崎駿は制作から離脱した後だった。
1987年
メビウス(49歳)
宮崎駿(46歳)
メビウス、来日。
スタジオ・ジブリを訪れ、
はじめて二人が実際に会う。
1988年
メビウス(50歳)
宮崎駿(47歳)
漫画『風の谷のナウシカ』の英訳版の発刊を記念して対談をする。
1992年前後
メビウス(54歳前後)
宮崎駿(51歳前後)
メビウスに娘が誕生。
「ナウシカ」と名づける。
2002年
メビウス(64歳)
宮崎駿(61歳)
ナウシカ(10歳?)
メビウス、
ナウシカとともに来日。
三鷹の森ジブリ美術館に来館。
宮崎駿の歓待をうけ、
美術館の壁にイラストを残す。
2004年
メビウス(66歳)
宮崎駿(63歳)
パリで
「宮崎駿―メビウス」展が開催される。
11月29日、同展開催に合わせて
宮崎駿が渡仏、メビウスと対談する。
(DVDの対談動画はこの際のものです)
◆ もっとメビウスを! -
画像の紹介、購入方法、和訳
どうでしょう?
もしちょっとでもメビウスに興味を持ったという方がいらっしゃるなら、
まずは以下の記事はいかがでしょうか。
ウェブ上でのメビウスの画像を、大量に観ることが出来ますよ。
● [
タダでオンラインでメビウスの作品を読むためのリンク集]
メビウスの作品の画像を観ることのできる代表的なサイトを
集めてあります。
● [
メビウスを読む]カテゴリ
メビウスの画像を観ることが出来るサイトの情報を集めておくための
カテゴリです。
このカテゴリの記事を参照してもらえれば、
ウェブ上のメビウスの画像を大量に観ることが出来ると思います。
さらにもっとメビウスについて知りたい! という方は、
当ブログの左柱、「おすすめ記事」欄をチェックしてみて下さい。
僕のおすすめする順番に、
ぜひとも見てみて欲しい記事をリストアップしてあります。
フランス語が出来なくたって大丈夫ですよ。
僕が毎日すこしずつ
和訳を作っていますから。
ひとまずは、
当ブログの右柱「カテゴリ」欄のなかの、
一字下げになっているカテゴリ群
([
『ARZACH』和訳]や[
『L'Incal』和訳]など)
をチェックして見て下さい。
不出来ながら、僕のつくった訳文をまとめてあります。
● [
『InsideMoebius』和訳]
全画像付きでメビウスの短編作品の和訳をまとめてあります。
分量的にも手ごろ。入門篇にぴったりです。
● [
『L'Incal 1』和訳]
代表作『L'INCAL TOME 1 / L'INCAL NOIR』
(ランカル 第1巻 闇のアンカル)の全訳です。
この作品も、全画像をウェブ上で参照することが出来ます。
辛抱たまらんっ、
実際に作品を購入したい! という方は、
以下のカテゴリに収められている記事を参照して見てください。
● [
メビウスを買う]カテゴリ
日本に居ながらにして出来るだけ手軽に、
かつ安価にメビウスの作品を入手することを目的に、
購入方法を日々調査しています。
ひとまずは同カテゴリ内の最新記事をいくつか参考にして見てください。
さて、以上でメビウスの紹介記事は終わりです。
当サイトが、あなたがメビウスに出会うきっかけにならんことを。
あなたの知らなかった素晴らしい漫画の世界に、
ぜひとも足を踏み入れてみてください!
関連:
[
『ハウルの動く城』DVDレポート(メビウス関連のみ)]
[
メビウス&宮崎駿の対談動画6種]
*DVDに収録されている対談は、
すでにネットで公開されているものを再録したものです。
ネット公開版にはなんと、
DVD版には収録されていない内容が含まれています。
作品に登場する流れ星について二人がどう語っているのか、
興味深いとは思いませんか?
ぜひともネット公開版もチェックして見てください。