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フランスの漫画家
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メビウス、『メトロポリス』を語る - 下訳その3
フランスのアニメ専門誌「AnimeLand」の公式サイトで公開されていた、
メビウスの『メトロポリス』評の下訳です。
当サイトの訪問者真さんから提供していただいた資料です。
ありがとうございました。
● ウィキペディア日内「メトロポリス (漫画)」
● 『メトロポリス』公式サイト
● アマゾン日内『メトロポリス』
● フランス版『メトロポリス』公式サイト
  *サイトの中が一種のゲーム仕立てになっています。
  とりあえず「PLEIN ÉCRAN→CLIQUEZ ICI(右下)」と進んでください。
  あとは画像のなかの色々な物をクリックで各コーナーに移ります。
  画面左上の「QUITTER」で最初のページに戻ることが出来ます。
  色々なアイテムを集めてティマを覚醒させ、
  懸賞ゲームに参加することがサイトの目的になっているようです。
  腕時計、Tシャツ、そしてなんと、オリジナル・フィルムが当たる、
  などと書いてあるのですが、さすがに解説は割愛します。


Moebius parle de Métropolis
メビウス、『メトロポリス』を語る

Jean GIRAUD, dit MOEBIUS,
est certainement l'un des auteurs fondamentaux
de la bande dessinée moderne française.
Sous son nom, il aura dessiné la vie du fameux Lieutenant Blueberry,
entre autres créations.
Sous son pseudo,
on le connaît pour la saga de L'Incal
et bien d'autres titres de science fiction.
MOEBIUS a eu l'occasion de rencontrer TEZUKA et OTOMO,
et ne cache pas son admiration pour le manga et l'animation japonaise.
Il fut l'un des premiers à prêcher
pour une découverte de l'anime tiré de Akira.
ジャン・ジロー・メビウスは、
現代フランスのバンド・デシネ界の重鎮の一人だ。
本名でもあるジャン・ジロー名義で
彼があの「ブルーベリー」シリーズを描いていることは、
すでにみなさんご存知のとおりだろう。
主人公ブルーベリー中尉の生涯を中心に数々の傑作が描かれている。
もう一つのペンネームであるメビウス名義では、
「ランカル」シリーズをはじめとしたSF作品でつとに有名である。
メビウスはまた、日本のアニメや「漫画」の熱心なファンでもある。
手塚治虫や大友克洋とも実際に会見を開いているくらいだ。
『Akira』をはじめてとして、
ヨーロッパに日本のアニメを紹介して来た先達の一人でもある。

AnimeLand:
Quel est votre sentiment par rapport au Métropolis de RINTARO ?
アニメランド:
りんたろう監督の『メトロポリス』をご覧になって、
どうお感じになられましたか?

MOEBIUS:
Avant tout, pour moi, c’est vraiment un film d’amour.
Tout ce qui est autour de ce film relève de l’amour
et on en ressort avec une impression de beauté,
une beauté secrétée non seulement par les auteurs,
mais aussi par une expression nationale, très asiatique.
Par rapport à tout, aux personnages comme au reste.
Au fond, on voit bien le traumatisme de la destruction de masse,
on comprend tout de suite la référence,
mais cette destruction n’est pas négative, nihiliste.
On voit cela en plus chez TEZUKA,
lorsqu’il introduit toute la problématique du Moderne,
quand il appelle l’Histoire, originelle.
Tout ça pour dire que c’est beau !
Métropolis est un film d’une beauté sans faille.
Il y a une accumulation de tout ce qu’on aime dans une histoire.
Et puis il y a une telle foi dans l’Histoire,
et tout ça s’assemble avec grâce.
Comme l’arrivée de la chanson finale « I can’t stop loving you »,
c’est sublime !
メビウス:
“愛”ですね。『メトロポリス』はまず何よりも愛の物語です。
そしてそこには一種の“美”がある。
登場人物やその他のすべてのものに美が宿っています。
ああいう美意識というのは、たんに作者の資質だけではなくて、
お国柄のようなものもあるんでしょうね。
すごく東洋的なものを感じました。
この作品には無常観のようなものも表れているでしょう?
すべては無に帰すのだという諦念。
でもそれは決してネガティブなものではなくて、
ニヒリスティックなものなんですよね。
手塚治虫の作品はさらにその傾向が強い。
手塚さんは、現代が抱える諸問題を糾弾し、
本源のあるがままの状態に帰ることを提唱しています。
すべては無に帰す、そしてそこにこそ美があるのだ、と。
『メトロポリス』はとても洗練されたかたちで美を表現しています。
観客の嗜好をちゃんと押さえたうえで、
無常観への信条を歌い上げてある。
エンディング・テーマの『I can't stop loving you』が始まるあの一瞬!
この世のものとは思えないよ。
 *思い切って意訳してあります。
 「無常観」は原文では「le traumatisme de la destruction de masse」
 (巨塊が破壊されることに対するトラウマ)と言われています。
 「l’Histoire」(大文字の"Histoire"〔物語〕)は、
 無常観を説く東洋の物語全般、仏典などを指しているのでしょう。

AL:
Comment pensez-vous
que le film Métropolis va être reçu par le public français ?
アニメランド:
『メトロポリス』はフランスでもヒットすると思いますか?

M:
Ce que je vois, c’est que, en France,
on risque d’avoir des réactions d’enthousiasme et de rejet
comparables à ce que l’on a connu avec Akira.
Je me rappelle qu’à la projection d’Akira,
à la suite d’un festival,
les gens étaient pour une part en colère
tandis que d’autres manifestaient leur plaisir,
car tous avaient été déstabilisés par le film.
C’est aujourd’hui un film culte.
De la même manière
beaucoup de gens risquent d’être trompés
par le design des personnages,
qui reprend le trait de TEZUKA.
On pourrait croire que Métropolis relève,
par ce dessin faussement naïf de personnages à l’aspect enfantin,
d’un film pour enfant, or il n’en est rien.
Métropolis est un film grand public
et l’utilisation volontaire de ces design de personnages
sert surtout à augmenter la sympathie que l’on éprouve pour eux.
C’est vraiment voulu pour
que ça rentre directement dans le cœur des gens.
Et le cœur, c’est aussi le fin mot du film.
メビウス:
そこなんですよね。
フランスでは評価が分かれてしまうかも知れません。
熱狂的に受け容れる人もいれば拒絶する人もいるでしょう。
『Akira』の時もそうでした。
とあるイベントで『Akira』を上映したときにも、
観客の評価はまっぷたつに分かれてしまいました。
怒り出す人もいれば賞賛する人もいました。
でも、いずれにしろ観客の心が動かされたことは確かなんです。
いまや『Akira』は確固たる地位を築いているでしょう?
それと同じように、今回は、
手塚治虫風のキャラクター・デザインが鍵になるでしょうね。
手塚さんのキャラは一見すると子供向けっぽいところがあるから、
『メトロポリス』も子供向けの映画だと思われてしまうかも知れません。
でも本当は違う。
『メトロポリス』はあくまで一般向けの映画です。
手塚風のデザインを踏襲しているからこそ、
観客がキャラクターに感情移入しやすくなっているし、
だからこそ、キャラクターが観客の心にじかに届くのです。
「心」。それはこの映画の最後の言葉でもあるでしょう?
 *『メトロポリス』の最後のせりふは「ワタシハ ダレ」です。
 「le cœur」(心)ではありません。
 仏語版の字幕は未見ですが、
 ふつう「私はだれ?」は「Qui suis-je ?」と訳されると思います。
 ケンイチが最後に見つけたティマの残骸が心臓(らしきもの)だったので、
 それを指しているのかも知れません。 

AL: Les principaux ambassadeurs de l’amour, dans Métropolis,
sont aussi ceux qui n’en ressentent pas, à savoir les robots.
アニメランド:
さきほど“愛”とおっしゃいましたが、
この作品で愛を教えてくれるのは、じつは愛を知らないものたちですよね。
ロボットですから。

M:
C’est tout à fait clair.
Les obstacles que l’on met à leur accession au bonheur
fait qu’ils rentrent dans une rage destructrice
qui est tout à fait à l’image de la destinée des humains,
on retrouve le même schéma.
Comme c’est surmultiplié par la surpuissance technologique,
ce processus psychique du refus de l’amour
qui débouche sur le désir de destruction
prend des proportions tout à fait spectaculaires.
Comme, à contrario,
c’est pourtant l’amour qui empêche la destruction totale.
Je trouve qu’il n’y a pas beaucoup de films
qui débouchent sur une thématique aussi essentielle,
aussi enthousiasmante de profondeur.
メビウス:
そうだね。
この作品のなかで人々が幸福を手に入れられないでいるのは、
愛を拒絶してしまっているからなんだ。
そしてそれが破滅を招いている。
それはまるで人類全体の運命を物語っているかのようだ。
しかも過剰な技術力によって箍(たが)が外れてしまっているから、
愛を知らない人々の破壊衝動は止まるところを知らない。
最後には大規模な破滅を招いてしまった。
しかし一方で、世界を滅亡から救ったのもまた愛なんだ。
これほど深く、かつ面白く仕上がった映画はそうはないと思うよ。


《付記》
やはり手塚治虫の原作も読んでおく必要があるように思います。
http://www.phoenix.to/49/49-11.html
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4041851203/ref=ase_osamutezukdic-22/250-7468364-7912226
http://comics.yahoo.co.jp/10days/tedukaos01/metoropo01/shoshi/shoshi_0001.html
メビウスは「le fin mot du film」(映画の最後のことば)が
「le cœur」(心)だと言っていますが、
いちおう原作の「漫画」の最後のことばも
可能性として確認しておくべきかも。


《私信的なメモ》
http://www.dvdanime.net/critiqueview.php?id_critique=490
Un petit mot enfin sur le packaging, très classe avec notamment ce motif impeccablement détouré de la Ziggurat, qui permet de ranger le livret fourni avec cette édition (booklet qui renferme photos et informations supplémentaires, aux côtés d'un bref entretien avec le dessinateur Moebius).
パッケージについてひとこと。
品良く仕上がっている。
とくにジグラットのモチーフをあしらった部分は申し分ない。
このバージョンに付いて来るパンフレットを収納することが出来る。
(特典の写真や情報を掲載したブックレット。
 側面に漫画家メビウスの簡単な会見が載っている)

http://www.dvdanime.net/critiqueview.php?id_critique=490
のページ右上から張られているアマゾンへのリンクは、
フランス版コレクターズエディションのもの。

http://www.amazon.fr/exec/obidos/ASIN/B00006JNZG/ref=ase_dvdannu-21/403-5209624-2046060
特典の内容は「DVDANIME.NET」のものと一致する。
ただし、ブックレットに関する情報は記載されていないようだ。
ASIN : B00006JNZG(実質的にISBN番号と同じコードのはず)
by moebius-labyrinth | 2005-11-25 23:59
Merci pour votre visite :o) Un manuel pour envoyer votre commentaire :
http://moebius.exblog.jp/2993114/

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