フランスのアニメ専門誌「AnimeLand」の公式サイトで公開されていた、
メビウスの『メトロポリス』評の下訳です。
当サイトの訪問者真さんから提供していただいた資料です。
ありがとうございました。
● ウィキペディア日内「メトロポリス (漫画)」
● 『メトロポリス』公式サイト
● アマゾン日内『メトロポリス』
● フランス版『メトロポリス』公式サイト
*サイトの中が一種のゲーム仕立てになっています。
とりあえず「PLEIN ÉCRAN→CLIQUEZ ICI(右下)」と進んでください。
あとは画像のなかの色々な物をクリックで各コーナーに移ります。
画面左上の「QUITTER」で最初のページに戻ることが出来ます。
色々なアイテムを集めてティマを覚醒させ、
懸賞ゲームに参加することがサイトの目的になっているようです。
腕時計、Tシャツ、そしてなんと、オリジナル・フィルムが当たる、
などと書いてあるのですが、さすがに解説は割愛します。
AL:
Métropolis est pourtant issu d’un manga de TEZUKA
datant des années 50, mais les thèmes restent universels ?
アニメランド:
『メトロポリス』は手塚治虫の「漫画」が原作になっていますよね。
50年も前の作品なのに、
そのテーマは未だに生きているということなのですか?
M:
Le miracle également c’est ce fond de complicité
qui s’établi à travers plusieurs générations,
entre TEZUKA, OTOMO, et RINTARO.
Tout ces gens là se comprennent, se « touchent ».
On retrouve cette propension chez tous les grands artistes.
MIYAZAKI, lui, c’est l’apocalypse du passé, ici,
c’est la façon
dont TEZUKA et surtout OTOMO, montrent comment le futur s’effondre
qui est intéressante.
C’est une poésie de l’effondrement.
Et avec, en plus,
une prise de conscience des auteurs eux-mêmes
de la qualité, de la force de ces thèmes.
On sent bien qu’ils se sont rendus compte
qu’ils avaient un matériau unique, extraordinaire, entre les mains
avec le manga de TEZUKA.
C’est pour cela que ce film est « habité »
de la première image à la dernière.
メビウス:
もちろん。
しかも、手塚治虫、大友克洋、りんたろう、という
いつくもの世代を越えて一つの作品が出来上がっているわけだから、
これは本当に凄いことだと思うよ。
この三人の偉大なアーティストには明らかに共通するものがある。
破滅の美学だ。
そのことは彼ら自身も自覚しているんだと思う。
たとえば宮崎駿は、
滅亡を描くとしても、過去に起こったこととして描くだろう?
でも手塚治虫や、とくに大友克洋は、
未来に破滅の予兆を観るんだ。
この違いは興味深いよね。
さらにこの映画の制作者たちは、
自分たちが共有しているこのテーマの質や力を熟知している。
手塚治虫の原作を得て、自分たちは特別な素材を手に入れたんだという自信、
それが観ている側にも伝わってくるよね。
だからこそ、
この映画は徹頭徹尾とくべつなものに仕上がっているんだと思うよ。
*手塚治虫や大友克洋が
「le futur s’effondre」(崩壊する未来)を描くのに対し、
宮崎駿は「l’apocalypse du passé」(過去の大惨事)を描く、
とあるのですが、宮崎駿の作品で該当しそうなものが思い浮かびません。
『風の谷のナウシカ』は未来のお話のはずだし。
《付記》
手塚治虫の原作も読んでみました。
● 「手塚治虫のすべて」内「年代別>1949年>メトロポリス<大都会>」
*原作の『メトロポリス』に関して各版の情報がまとめられています。
初版は1949年09月15日に
育英出版から書き下ろし単行本として刊行された、とあります。
● 「Yahoo!コミック」内「メトロポリス」
*最初の数ページを試し読みすることが出来ます。要IE。
● アマゾン日内「メトロポリス 角川文庫」
*この版がもっとも入手しやすいのではないかと思います。
● 同上内「手塚治虫初期傑作集 (2)」
*僕はこの書籍に収録されているものを参照しました。
にしても、いいのか、ミキマウス・ウォルトディズニーニって……。
よく出版できたな。