今年の12月からフランスのパリで開かれる
「宮崎駿-メビウス」展のサイトの和訳、
訳文のチェックとまとめです。
今回は「MOEBIUS(メビウス)」のまとめ、第二回目です。
「MOEBIUS」のページ、上から11行目、
ひとつ目のコンマの次からです。
Ensemble, ils vont creer les aventures du lieutenant 《Blueberry》.
Pendant les sixties, Giraud fait des aller-retours entre la France,
les USA et le Mexique pour enfin creer son double Moebius.
C'est sous ce nom qu'il va explorer des mondes lies a la S.F.,
un fil graphique qui va redefinir un dessin aux
antipodes de celui de 《Blueberry》.
Pendant les 70's,
il devient un des piliers fondateurs du magazine 《Metal Hurlant》
avec lequel il va marquer plusieurs generations de lecteurs
ainsi que de dessinateurs avec 《Arzach》.
Puls tard,
il rencontre le realisateur chilien Alexandro Jodorowsky
pour l'adaptation de 《Dune》(le roman de Frank Herbert).
彼らは一緒に、ある中尉の冒険物語、
『ブルーベリー(Blueberry)』シリーズを創り出すことになります。
*「ブルーベリー」シリーズについては、
この記事([(語る>「ブルーベリー」シリーズ解説])と、
「メビレンジャー」の
作品レビューを参照してください。
六十年代をとおして、
ジローは、フランスとアメリカ、メキシコとを頻繁に行き来し、
そしてまた、彼のもう一つの顔、
「メビウス(Moebius)」の名でも活躍しました。
この名こそは、S.F.の世界への、彼の新しい冒険の幕開けでもありました。
この名とともに彼は、『ブルーベリー』の世界とはまさに正反対の、
新しいストーリー漫画の世界を切り拓いて行きます。
*「fil graphique」と「dessin」との違いに
こだわっておきたいと思います。
「fil」とは「糸、筋、(話・思考などの)筋道、脈絡、つながり」
という意味で、
「fil graphique」でおそらく、
いわゆる「ストーリー漫画」に相当する語になるのだと思います。
一方、
「dessin」は「絵、デッサン、素描、模様、図案」といった意味です。
つまり、ここでは、ちょうど日本で、
手塚治虫が「ストーリー漫画」の道を切り拓いた、
というのと同じようなことが語られているのではないかと思います。
ただ、お恥ずかしながら僕はまだ
『ブルーベリー』を一度も読んだことがないので、
確かなことが言えません。
追々しらべて訳文を調整して行きたいと思います。
70年代になると、
彼は雑誌「メタル・ユルラン(Metal Hurlant)」発刊の立役者として
活躍するとともに、
同誌において『アルザック(Arzach)』を発表、
同世代の読者と漫画作家に大きな衝撃をあたえました。
*「メタル・ユルラン」と『アルザック』については、
それぞれ次の記事を参照してください。
→
[語る>「Metal Hurlant」(メタル・ユルラン)解説]
[語る>『Arzach』(アルザック)解説]
その後、
彼はチリ人の映画監督アレハンドロ・ホドロフスキー
(Alexandro Jodorowsky)と出会い、
『デューン(Dune)』(フランク・ハーバートFrank Herbertの小説が原作)
の映画化に協力します。
*アレハンドロ・ホドロフスキーについては、
下記のサイトを参照してください。
● はてなダイアリー「アレハンドロ・ホドロフスキー」
● アレハンドロ・ホドロフスキー/血と汚濁の中の清廉な祈り
● 「怪奇と幻想のページ」内「アレハンドロ・ホドロフスキー」
● 「DEBUMOVIE」内「アレハンドロ・ホドロフスキー」
● ウィキペディア米「アレハンドロ・ホドロフスキー」
● アレハンドロ・ホドロフスキー関連一覧
● goo映画内「アレハンドロ・ホドロフスキー」
*アレハンドロ・ホドロフスキー監督の『デューン』は、
結局実現には至りませんでした。
しかし、メビウスのデザイン画やストーリーボード等が残されています。
● 「DUNICLOPEDIE」内
メビウスのデザイン画のページ
大量のデザイン画を見ることができます。
● 「DUNE / BEHIND THE SCENES」内
デザイン画とストーリーボードのページ
大量のデザイン画に加えて、ストーリーボードを見ることができます。
● インタビュー「jean 'moebius' giraud, dessinateur」
最後から三番目、映画に関する質問に答えるなかで、
『デューン』にかんする発言があります。
のちのち和訳をしてゆきたいと思っています。
「DUNICLOPEDIE」は
「メビレンジャー」さんの
リンクで紹介されています。
あわせてご参照ください。