「LE CANYON DE BLUEBERRY」というメビウスのファンサイトの
バイオグラフィーの訳案です。
今日は1960年の4行目です。
Il signe pour la premiere fois Moebius dans Hara Kiri pour lequel
il ecrit des histoires courtes d'humour noir.
雑誌「ハラキリ」誌でのブラックユーモアをネタとした短編の掲載に際して、
はじめて「メビウス」という名を使用する。
*「ハラキリ」は風刺雑誌の名前です。
『フランスコミック・アート展 図録』より、
参考になりそうな箇所を引いておきます。
●諧謔と挑発のエスプリ『ハラキリ』
『ピロット』創刊の1年後、
1960年に『ハラキリ』誌が創刊された。
ユーモア画や写真など様々なページを盛り込み、
道徳や宗教、性などに関する既存の価値観を
すべて攻撃の対象とした、
アナーキーな雑誌だった[中略]。
ここに多くの才能が集まってきたのは、
出版社スクワール(Editions du Square)の代表者、
ジョルジュ・ベルニエ(Georges Bernier)の
リーダーとしての素質やエキセントリックな行動、
強烈なオーラのおかげといえるだろう。
[中略]サブタイトルは、
「バカで意地悪な雑誌」(Jornal Bete et Mechant)。[中略]
『ピロット』誌が健全で明るいイメージがあったのに対し、
『ハラキリ』や『シャルリー』の連中は不良っぽくて、
ストリッパーを招いたパーティをひらいて飲んだくれたり、
ハチャメチャなことで有名だった。
[貴田奈津子、91~92p]
● ウィキペディア仏内「Hara-Kiri(journal)」(仏語)
● 「ハラキリ」表紙画像(1967年)
● 「ハラキリ」表紙画像(1969年)
● 「ハラキリ」表紙画像(1976年)
● 「ハラキリ」表紙画像(1976年)
● 「ハラキリ」表紙画像(1976年)
ただし、メビウスがはじめて「メビウス」というペンネームを使用したのは、
どうやら1963年であるようです。
● LES HUMANOIDES ASSOCIES社サイト内メビウスのバイオグラフィー
上記のサイトの1963年の項に、以下の一節があります。
Parallelement, Jean Giraud se transforme
pour la premiere fois en Moebius,
le temps du quelques histoires breves dans Hara Kiri.
その一方で、
ジャン・ジローははじめて「メビウス」の名を使って、
雑誌「ハラキリ」誌へ短篇を掲載した。
● DARGAUD社サイト内エビウスのバイオグラフィー
上記のサイトの1963年の項に、以下の一節があります。
1963 - Hara Kiri publie les premieres planches
d'un jeune inconnu, Moebius.
1963年 雑誌「ハラキリ」誌上において、
メビウスの漫画が掲載される。
当時まだデビュー間もなかったこの漫画家は、
ほとんど無名であった。
● ウィキペディア米内「Jean Giraud」
上記のサイトに以下の一節があります。
The Moebius pseudonym was born in 1963.
In a satire magazine called Hara Kiri,
Moebius did 21 strips between 1963 and 1964 and then
disappeared for almost a decade.
「メビウス」というペンネームは1963年に誕生した。
風刺雑誌「ハラキリ」に、
メビウスは1963年から1964年にかけて
合計21篇の短篇漫画を掲載した。
しかしその後ほぼ10年にわたって、
この名は衆目から姿を消すこととなった。
● 「Bud Plant Illustrated Books」内「GIR & MOEBIUS」
上記のサイトのメビウスの肖像写真(一番上左側)から数えて
四つ目、文章の左側に掲載されている画像、
ゴリラのような顔つきの人がテレビ・カメラの前で尋問されている絵が、
メビウスが「ハラキリ」誌に掲載した作品として紹介されています。
調査の過程でおもしろいサイトを見つけたので、
メモ程度に紹介しておきます。
● 「senoirplanet.fr」内
「Petite histoire illustree de la bande desinee」
親サイトはどうやら雑誌の公式サイトのようです。
その中での特集、
「イラスト入りバンド・デシネの簡単な歴史」のページです。
仏語で表記されていますが、適度にイラストが挿入されていて、
眺めてみるだけでも結構興味深いんじゃないかと思います。