今日は、メビウスが関わった幻のアニメ、
『The City of Fire』について調べてみたいと思います。
◆ ポートフォリオ『CITY OF FIRE』
問題のアニメよりもはるか前、1985年に、
『CITY OF FIRE』、『LA CITE FEU』(どちらも「火の街」という意味)
というポートフォリオが出版されています。
まずはそれから見てみることにしましょう。
限定小部数の希少な作品なので、
実際に入手している人はほとんどいないようですが、
かなりすばらしい内容のようです。
画像は下記のサイトで見ることができます。
● 「LES ARCHIVES NUMERIQUES DU MAJOR GRUBERT」内
「Portfolio>City of Fire>Afficher toutes les images(4135Ko)
(画像を全部見る〔4135Kb〕)←ページ最下段にリンクあり」
合計4Mバイトと決して軽くはないページですが、
待つだけの価値は充分にあります。
*上記のサイトおよびページは、「メビレンジャー」さんの
掲示板で報告されているものです。
日本語による『CITY OF FIRE』の解説としては、
「テクノドローム」さんのものがおそらく唯一にして充分です。
● 「テクノドローム」内「Moebius>ポートフォリオ(PART2)」
メビウスとジェフ ダーロウ[ジェフ・ダーロウか?]の
コラボレーションによる作品集。
合作でありながらも
メビウスの最高傑作と言いたくなるほどの完成度です。
う~む、たしかに「MAJOR GRUBERT」の画像を見るだけでも、
すばらしさが充分伝わってきますよね。
◆ CGアニメ『The City of Fire』
毎年夏にアメリカのロサンジェルスで
「SIGGRAPH」というCGのコンベンションがあるそうなのですが、
問題の『The City of Fire』は、
1999年8月9日に開かれた「SIGGRAPH99」の会場で上映されたもののようです。
● 「ACMSIGGRAPH」公式サイト
● 同サイト内「SIGGRAPH Video Review>
Issue 131: SIGGRAPH99 Electronic Theater Program」
小サイズながら、同作の画像を見ることが出来ます。
● 「AIN'T IT COOL NEWS」内「A look at the short films shown at ...」
上記のサイトで同作の画像を結構大きなサイズで見ることが出来ます。
(この記事の一番最初に挙げたものです)
どうやら、ポートフォリオ『CITY OF FIRE』とも
充分関連のある作品のようですね。
そして、おなじ記事のコメント欄に見逃せない書き込みが。
● 上記の記事のコメント欄「Electronic Theater Video」
上記のページの
「From: The_Scary, Subject: Electronic Theater Video」
という書き込みを見てみてください。
You can get "most" of the animation festival
on the siggraph video review according to the brochure:
www.siggraph.org/publications/video-review. [後略]
パンフレットによると、
「siggraph video review」に問い合わせれば、
アニメーション・フェスティバルで上映された作品のビデオは
たいてい手に入るらしいわよ。
さらに次のようなページも。
● IMAGICA社サイト内「Electronic Nomad at Si99RAPH」
上記のページの中の下のほうにある、
Moebius: The City of Fire
Director/Contact: Victor Wong
Producer: Thalla Tau
Mendond Electronic Art
・セルアニメ風の、トゥーン・シェーダの見事な一例。
'Moebius Style Render'なるシェーダを自作しているそうです。
という記事も見逃せませんが、
ページ上部に次のような一節がっ!
・今年から,
Electric Theater は DVD でも発売されるようになりました.
リージョンコードはフリーのようです.
な、なな、なんですとぉー!!!
たしかに「SIGGRAPH Video Review」のページを見てみると、
それらしきことが書いてあったりします。
● 「ACMSIGGRAPH」公式サイト内「SIGGRAPH Video Review」
長いので要約すると、
「SIGGRAPH Video Review」というのは、
CG製作者をはじめ、科学者やエンジニア等の教育や研究に役立てるための、
ビデオやプログラムのアーカイブのようです。
そういった教育や研究が目的なら、
ストックされているビデオやプログラムを配布してもらえるようです。
残念ながらビデオの配布はアカデミックな用途に限られているようなんですが、
『The City of Fire』を見ること自体は決して不可能ではないようですね。
そしてそんな幸運な人間のうちの一人、
当ブログの訪問者
hideさんの証言を引いておくことにしましょう。
内容は、とある不思議な集落に迷い込むスケボー少年、
といった簡単なものです。
一番驚いたのが
メビウス独特の浮遊感が非常にうまく出ていたことです。
ラスト『メビウス』の名前が出たとたん、
割れんばかりの拍手でした。
最後に、『The City of Fire』の情報が書かれたサイトを
いくつか挙げておきましょう。
● 某掲示板での書き込み
23
オールCGのメビウスの映画ってどうなりました?
メビウスシェーダーとかいうのを開発して
3Dモデルがメビウス調になるみたいだけど。
28
[前略]いや、23さんの言っているのは
「メビウス:The City of Fire」のことだと思うぞ。
香港のCGスタジオがパイロットフィルム作った奴。
1999年SIGGRAPHで紹介されて、話題になっていた。[中略]
スポンサー探してるって聞いたけど、まだ決まらないのかな。
● 「AWN」内「I Screen, You Screen, We All Screen Animation at...」
The City of Fire -- Moebius.
Rendering techniques that mimic an individual's artistic style.
Mobieus will also be in the papers section of SIGGRAPH
showing off a Dr. Seuss rendering style. A BIG must see!
『The City of Fire』―メビウス
メビウス独特のスタイルを再現する
レンダリング技術が使われている。
メビウスは、「SIGGRAPH」の研究発表の会場でも、
スース博士のレンダリングの方法に関する発表に
立ち会うそうだ。
要チェックだぞ!
● 監督Victor Wongの公式サイト
● 制作会社Menfond Electronic Art & Computer Design社公式サイト
残念ながら、いずれにおいても『The City of Fire』に関する記述は
見つかりませんでした。
残念ながら『The City of Fire』に関する情報はこれが限度でした。
しかし、CGに関わっている人間なら見ることは決して不可能ではない、
ということが分かりましたし、
情報処理関係のツテを使えば、あるいは僕も……。
み、見てみてぇぇぇ!!!
アニメ『The City of Fire』については
当ブログの訪問者hideさんから教えていただきました
ありがとうございました