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訂正『メトロポリス』:マンハッタンにもオベリスクはあった
「メビウス、『メトロポリス』を語る」の訂正記事です。


● [補足資料『メトロポリス』:ZONE-1の地図]で、
作中で映るオベリスクをワシントンのものと推定していましたが、
これはマンハッタンのセントラルパークにあるオベリスクのようです。
『メトロポリス』のオベリスク
[44:20~44:24を合成]

● 「岡本正二のホームページ」
● 同上内「オベリスクは今・・・>アメリカ,ニューヨーク>クレオパトラの針」
セントラルパークのオベリスクについて詳しいサイトです。
1881年の除幕式での
当時の合衆国国務長官ウイリアム・マクスウエル・エバートの演説が
引かれていることも見逃せません。
孫引きになってしまいますが、もっとも重要な箇所を引いておきましょう。
だがオベリスクは我々にこう尋ねるかもしれない。
『おまえたちは永遠にこの繁栄が続くと思っているのだろうか
 [後略]』

アメリカのオベリスクとしては
ワシントンにあるものの方が有名だと思うのですが、
作中の背景のビルとの比較から推定されるオベリスクの高さを考えれば、
(マンハッタンにあること、
 文明批判に通じることももちろん重要でしょう)
セントラルパークのオベリスクと考えるべきだと思います。
● ウィキペディア日内「ワシントン記念塔」
ワシントンのオベリスクの高さは169メートル、
セントラルパークのオベリスクの高さは21.6 メートルです。
ニューヨークの摩天楼の
エンパイアステートビルの高さは443.2メートル、
クライスラービルの高さは284メートルですから、
ビルの高さとの比較で考えるならオベリスクはセントラルパークのものです。
● ウィキペディア日内「エンパイアステートビルディング」
● 同上内「クライスラービル」

じつは、リュック・ベッソン監督の映画『レオン』を見ていて
セントラルパークのオベリスクに気づいたのですが、
この映画の冒頭で、
ニューヨークの摩天楼を背景にしたセントラルパークのオベリスクが
映されます。
『レオン』
[レンタル版DVD『レオン 完全版』、再生時間01:06]
● 「あっとニューヨーク」内「基本情報・旅行情報>地図/地下鉄マップ>ニューヨークの地図(ニューヨーク区・マンハッタン島全域)」
『レオン』の冒頭では、
セントラルパーク内の
Jacqueline Kennedy Onassis Resv'rという池の上空から
南へ向かってカメラが移動します。
途中でオベリスクが映されて、摩天楼を遠くに望む絵が提示されます。

位置関係から見て、
『メトロポリス』で映されるオベリスクの背景のビルは
メトロポリタン美術館だと思われるのですが、
実際の美術館の外観とは異なっているようです。
オベリスクとメトロポリタン美術館
[メトロポリタン美術館の外観の写真は下記ウィキペディアから]
● ウィキペディア米内「Metropolitan Museum of Art」
  *美術館の外観の写真を見ることができます。
● ウィキペディア日内「メトロポリタン美術館」


……よし、『レオン』のつづきを見よう。



訂正前の記事本文を移しておきます。

[以下、訂正前の本文]


44:20
44:24
[44:20]
[44:24]
中央の尖塔は、ワシントンD.C.に建つオベリスク様式の記念塔、
ワシントン記念塔ではないでしょうか。
● ウィキペディア日内「ワシントン記念塔」
アメリカ独立の記念碑です。
ただし、所在地はマンハッタンのあるニューヨークではなく、
アメリカの東海岸をニューヨークからさらに南下した
ワシントンD.C.です。




[目次:メビウス、『メトロポリス』を語る]
# by moebius-labyrinth | 2006-12-17 14:23
翻訳メモ:『The Long Tomorrow』改訳に際してのメモ
『The Long Tomorrow』の改訳に際してのメモです。
『The Long Tomorrow』和訳

拙訳について、当サイトの訪問者の
"ぞーさん"から非常に参考になる意見をメールでいただきました。
ありがとうございました。
● 「ぞーさん日記」
とくに[5/5>4]の「STORY」の掛け言葉の指摘が本当に助かりました。
ただ、遺憾ながら、僕の調査が至らないために
未だに訳文に反映させられない点がいくつかあります。
また、当サイトの方針上あえて従うことが出来ない点が
いくつか出てきてしまいました。
ひとまずメモとして書き出しておくことにします。


◆ 改訳点
改訂する前の僕の訳を示した後で、
ぞーさんからの提案を「ぞーさん:提案内容」という形式で示し、
僕からのコメントを示しておきます。

 ◆ 訳文全般
ぞーさん:漫画のコマ内のセリフに「。」は必要ないのではないか。

これについては説明し出すと非常に長くなってしまうのですが、
句点は意識的に付けてあります。

以前から感じていたことなのですが、
ベデのセリフの訳には独自の文体が必要とされているように思います。
日本の「漫画」のセリフの調子で訳すと軽すぎて、
小説のセリフの調子で訳すと硬すぎると思うのです。
(あくまで僕の主観による感じ方なのですが)
残念ながら、僕は未だにベデのセリフ用の文体をつくれないでいます。
そのため、僕の訳を実際にベデのフキダシのなかに入れてみると、
どうしても浮いてしまうように思うのです。
窮余の策として、現段階ではフキダシに入れることはあきらめて、
ひとまず参考的な訳として作ってみることにしました。
あくまで文章として読むための訳なので、句点を打ってある、
というわけです。
また、サイトの記事として提示する場合、
句読点を打っておいた方が読みやすい、という理由もあります。

 ◆ CONFIDENTIAL NOSE
[1/5>3>1]
I'M A CONFIDENTIAL NOSE.
これは人に知られるとやばいんだが、俺は警察のスパイをやっている。

ぞーさん:「CONFIDENTIAL NOSE」は「PRIVATE EYE」のもじりではないか。


非常に迷っています。
たしかにその通りだと思うのですが、
やはり自分の目で確証を得なければなりません。
何かあともう一押し、確実な根拠が欲しいと思っています。

ただ、やはり解釈としてはもじり説の方が格段に優れていると思うので、
(話しのつじつまも合います)
訳文に反映させておきました。

I'M A CONFIDENTIAL NOSE.
俺か? 俺は私立探偵ってヤツさ。

《補足》
「PRIVATE EYE」(私立の目/秘密の調査人)というのは、
私立探偵の異名です。
● 「時の流れは17ノット」内「Young Ridersのページ>The Young Riders エピソードとシーン一覧>8 False Colors 偽りの軍旗>ページ下部の[キーワード]」
  *日本語による解説として最もまとまっています。
● ウィキペディア米内「Private investigator」
● ピンカートン探偵社公式サイト(英語)
● ウィキペディア米内「Pinkerton National Detective Agency」

「CONFIDENTIAL NOSE」はそのまま訳すなら、
「秘密の鼻/内密の警察のイヌ」というほどの意味になります。
「秘密」=「PRIVATE/CONFIDENTIAL」
「体の一部分を譬喩として使う」=「EYE/NOSE」
というもじりが成立するわけです。
「PRIVATE EYE」はハードボイルド小説で好んで使われる語なので、
そういった意味でももじりになっているのでしょう。

 ◆ I'M AFRAID...
[1/5>4>4]
A RATHER DISREPUTABLE PLACE, I'M AFRAID...
あの、ずいぶんと評判の良くないところらしくって、その、恐くて……、

ぞーさん:「I'M AFRAID」はここでは、
「申し訳ない」「残念ながら」といった気分を表すだけではないか。


異論無しです。

[1/5>4>4]
A RATHER DISREPUTABLE PLACE, I'M AFRAID...
あの、ずいぶんと評判の良くないところらしくって、その……、

 ◆ CUTE LITTLE THINGS
[1/5>8]
CUTE LITTLE THINGS
気の利いた獲物だな……。

ぞーさん:「CUTE LITTLE THINGS」は(2本の)振動ナイフのことではないか。


くわー! 誤字です。
「獲物」ではなく「得物」と書いたつもりでした。
これは痛恨のミスだ……。

[1/5>8]
CUTE LITTLE THINGS
気の利いた得物だな……。

 ◆ THE ORBITAL DEFENSE SHIELD
[2/5>3>1]
THE ORBITAL DEFENSE SHIELD
街のディフェンス・シールド

ぞーさん:「軌道防衛シールド」の方が
分かりやすいしSFっぽくて良いのではないか。


「ORBITAL」は完全に僕の誤訳です。
ただ、これも説明し出すと長くなるのですが、
サイトの方針の問題で、
可能なかぎりSFっぽさは排除したいと考えています。
(あくまでサイト製作側の問題として処理したいので、
 くわしい説明は割愛させてください)

[2/5>3>1]
THE ORBITAL DEFENSE SHIELD
軌道のディフェンス・シールド

 ◆ THE HOMEO-TUBE
[2/5>4>1]
THE HOMEO-TUBE
ホメオ・チューブ
 *「HOMEO-TUBE」というのはチューブ状の通行施設のことなのでしょうが、
 よく分かりません。

ぞーさん:HOMEO-TUBEとは「テレビ」かそれに類するものではないか。
「HOMEO」は「Homeopathy」を連想させるが、不明。


おー! 「YouTube」の「Tube」だ。
となると、「HOMEO」というのは、
「同種の、類似の」という意味の接頭語で良いのではないでしょうか。
(「Homeopathy」も「同種療法/類似療法」と訳されますし)
単なるテレビではなくて、現実と非常に良く似た姿を映し出すテレビ、
つまり、SFに良く出てくる3Dホログラムのような装置のこと
なのではないでしょうか。

ただし、これも確証があるわけではありませんし、
そもそも“分かりにくい言葉”として造られている語だと思うので、
訳語は迷うところです。

THE HOMEO-TUBE
3Dテレビ
 *(訳注をつける予定)

 ◆ A MEMBER OF THE ASSASSIN'S GUILD BY HIS UNIFORM
[3/5>2>1]
A MEMBER OF THE ASSASSIN'S GUILD BY HIS UNIFORM.
ユニフォームから察するに、暗殺者ギルドのメンバーってところだろう。

ぞーさん:暗殺者が「ユニフォーム」を着て自ら正体を明かすのはおかしい。
明らかに暗殺者と分かる間抜けな格好をしていることへの皮肉ではないか。
しかし、絵を見るとユニフォームに見えないこともないので、迷うところ。


たしかに言われてみるとその通りだと思います。
僕もよく分かりません。
ひとまず以下のように訳してみました。

[3/5>2>1]
A MEMBER OF THE ASSASSIN'S GUILD BY HIS UNIFORM.
格好から察するに、暗殺者ギルドのメンバーってところだろう。

 ◆ STORY
[5/5>4]
JUST ANOTHER STORY... THERE ARE 100 MILLION STORIES IN THE CITY.
THIS WAS TWELVE OF THEM.
ありふれたお話……。この街には、幾万ものストーリーが満ちている。
これもそのうちの一つさ。
*「TWELVE(12)」というのが良く分かりません。
 「100MILLION(一億)」のうちの12ほどの割合だということなのでしょうか。
 それとも、この『The Long Tomorrow』にはあと11話収められている
 ということなのでしょうか。

ぞーさん:「STORY」は「話」と「階」の掛け言葉ではないか。


これは本当に助かりました。
まったくもって仰(おっしゃ)るとおりです。

[5/5>4]
JUST ANOTHER STORY... THERE ARE 100 MILLION STORIES IN THE CITY.
THIS WAS TWELVE OF THEM.
ありふれたお話……。この街には、幾万ものストーリーが満ちている。
12階(ストーリー)のストーリー、
気の利かないジョークさ。




『The Long Tomorrow』和訳
# by moebius-labyrinth | 2006-12-01 19:08
「ネイティブの人」が新潟県人だったら
個人的なメモです。
訳文を改訂するにあたって気になることがあったので、
メモしておきます。

外国語に関する疑問を解消するために、
ネイティブの人(その言語を母国語として話す人)に
意見を訊きに行くばあいがあります

これははたして有効な解決方法でしょうか。
僕はそうではないと思うのです。
むしろ、場合によっては非常に危険な方法だと思います


◆ 納豆ってどんなもの?
外国語に関する疑問を解消するために
ネイティブの人に意見を訊いたとしましょう。
この“ネイティブの意見”というのは、
はたして信用できるものなのでしょうか


例えばあなたが外国人から、
「納豆ってどんな食べものですか?」
と聞かれたとしたらどうでしょうか。
あなたが関東の人なら、
「納豆というのは、日本の伝統的な食べもので、
 大豆を発酵させたものです。
 朝食に食べるのが一般的です」
と答えるかも知れません。
でも関西の人なら、以下のように答えるかもしれません。
(最近はそうでもないんですが)
「あんなもん腐った豆や。人間の食うもんちゃうで!」
さらにもう一例ご紹介しましょう。
僕の知人に新潟県出身の人がいるのですが、
新潟ではなんと、納豆を混ぜるときに砂糖を入れるのだそうです。
その人は生まれも育ちも新潟で、
小さいころからずっと納豆に砂糖を入れていて、
周りの人もみんなそうしていたので、
日本人は皆そうやって納豆を食べているとばかり思っていたそうです。
その人ならきっと自信たっぷりにこう答えたでしょう。
「納豆というのは砂糖を入れて食べるものだ。
 日本人なら誰でもそうやって食べている」

とうぜん上記の三者はすべて“日本語のネイティブ”なのですから、
三つの答えはすべて“ネイティブの意見”であるはずです。
はたしてどの意見を採るべきでしょうか。
“納豆には砂糖”は極端な意見として排除すべきでしょうか。
いいえ、これだって立派な“ネイティブの意見”であるはずです。
そして、僕たちが外国語の質問をしたネイティブの人が、
この新潟県人でないという保証はどこにも無い
と僕は思うのです。


◆ ネイティブってどこの誰なの?
問題はさらにあります。
「ネイティブ」というのは具体的にどこの誰を指しているのでしょうか

たとえば、(これも僕の知人ですが)
両親が韓国人の二世の人は、
日本語のネイティブとして認定されるのでしょうか。
日本語を流暢に話し、一見日本人にしか見えないシンガポール人
(こいつは関西弁も流暢に話しますが、国籍はシンガポールのはずです)
は、ネイティブではないのでしょうか。
戦後占領されていた頃の沖縄県人は、
ネイティブなのでしょうか非ネイティブなのでしょうか。
父が外国人で母が日本人のハーフの人はどうでしょうか。
やっと言葉を喋(しゃべ)るようになったばかりの子供は?

こういった微妙な例に対して、たとえば、
標準的なネイティブの意見を参考にすれば良い、
という意見があるかも知れません。
しかしこの“標準的なネイティブ”というのは、
具体的にどういった人を指すのでしょうか。
東京(しかも山の手)生まれ東京育ちで、
NHKのアナウンサーのような話し方をする人だったりするのでしょうか。
実際にはそんな人はいないでしょうし、
居たとしても、僕はそんな人は標準的でもなんでもないと思います。
それは結局、
あまりに標準的すぎて逆に変な人、でしかないのです。

けっきょく、
“標準的なネイティブ”というのは、
(さらにはネイティブと非ネイティブの境界も)
あくまで論理的な仮構物でしかなくて、
現実に存在している日本語のネイティブはみんな
多かれ少なかれ偏りをもった極端な例でしかない

ということになるのではないでしょうか。
僕たちが質問をする外国語のネイティブはみんな、
多かれ少なかれ新潟県人的な偏りを持っているはず
なのです。


◆ ネイティブがなんぼのもんじゃい
“ネイティブの意見”が孕(はら)むもっとも危険な性質は、
「何万人、何億人といるネイティブのうちのたった一人の意見でしかないのに、
 “ネイティブだから”という理由だけで
 あたかも正解であるかのように見えてしまう」
という点にあります。
“ネイティブの意見”と“言語に関する正確な意見”は
はっきりと分けて考えるべき
です。

たとえば、
「私はネイティブです」と
「私がネイティブです」の
「は」と「が」の違いを正確に説明できる日本人が
いったい何人いるでしょうか。
(僕は出来ませんとも、もちろん)
ところでここに、
日本語の勉強をしている外国人
(ちょうど「は」と「が」の違いを勉強したばかりの人)
がいたとしたらどうでしょうか。
とうぜん、日本語のネイティブの僕よりも
正確な意見を披露してくれるはずです。
ネイティブだからと言って
その言語に関して正確な意見を持っているとは限りません。
使うことと説明することは別なのです。
そして、通常無意識のうちに
言語のルールを身につけているネイティブよりも、
その言語を知識として勉強した外国人のほうが、
説明することにかけては上手(うわて)、という例が
案外あるのではないかと思うのです。

“言語に関する正確な意見”を第一に考えるなら、
ネイティブ信仰は捨てるべき
だと僕は思います。
(もちろん、ネイティブの意見は信用できない、というわけではありません)


◆ 日本語のバリエーションとネイティブ
ネイティブの意見をただちに信用するわけには行かない、
というのは、
僕たち日本語のネイティブについても当てはまるはず
です。

たとえば外国人が書いた日本語の文章
こういった文章を見ると、つい僕たち日本語のネイティブは、
外国人が書いた文章だから日本語として変な表現があるかもしれないぞ、
とか、
変な表現は直してやらなくちゃな、
などと考えがちではないでしょうか。
あなたがいま想定した“正しい日本語の表現”は本当に正しいのでしょうか。
あなたと外国人を隔てる境界線は、ほんとうに信用できるものなのでしょうか。

ネイティブが正しいとは限りません。
そして、外国人が書いた“変な表現”を切り捨てるべき理由は、
じつはどこにも無いと僕は思うのです。
それはあくまで、
日本語のバリエーションの一つとして捉えられるべきです。
言葉を喋(しゃべ)るようになったばかりの子供、
“訛(なま)った”しゃべり方をする地方の人、
そして、僕やあなたが多かれ少なかれ持っているはずの偏りと、
じつはまったく同じものであるはずなのです。


◆ 自分の訳文に責任を持つために
最後にもう一つだけ。
僕たちが質問をした外国語のネイティブが、
わざわざ調べものをしたうえで、
“言語に関する正確な意見”を答えてくれることがあるかも知れません。
それはそれで非常に貴重な意見ですし、
大変ありがたいことだとも思うのですが、
それでもやはり、僕はその意見を信用することはできません。
なぜなら自分で調べていないから。
自分の訳文に自分で責任を持つためには、
やはりどうしても、
自分の目で確かめる必要が出てきてしまいます。
厳密に言うならば、
その時々に応じて必要なネイティブ像というのを自分で想定して、
それに似合うような調査をしなければならない

ということになるでしょう。
調査はあくまで自分でやるものです。




――誰かに宛てた私信のような文章になっていますが、
それは説明の便宜のためです。
特に想定している人はいません。
あと、いちおう念のために断っておきたいのですが、
新潟県人が変だとかそういうことを言いたいわけではありませんので
あしからず。
(僕の知人の新潟県人は確実に変なヤツなんですけど)
# by moebius-labyrinth | 2006-11-30 06:06
目次:メビウス、『メトロポリス』を語る
インタビュー記事「メビウス、『メトロポリス』を語る」の
関連記事のインデックスです。


◆ インタビュー本編
メビウス、『メトロポリス』を語る:その1
メビウス、『メトロポリス』を語る:その2


◆ 訳注
訳注『メトロポリス』:『I Can't Stop Loving You』
訳注『メトロポリス』:「大量破壊のトラウマ」
訳注『メトロポリス』:『文明の衝突』『ジャングル・ブック』の引用とメビウスの日本論 - その1
訳注『メトロポリス』:『文明の衝突』『ジャングル・ブック』の引用とメビウスの日本論 - その2
訳注『メトロポリス』:落書きとサウンド・トラック
訳注『メトロポリス』:ティマが部屋の壁一面に愛する人の名前を書く場面
訳注『メトロポリス』:アトラスとユゴーのガヴローシュ
訳注『メトロポリス』:ドラクロワの『民衆を導く自由の女神』
訳注『メトロポリス』:バベルの神話
訳注『メトロポリス』:チェ・ゲバラ
訳注『メトロポリス』:フリッツ・ラングの『メトロポリス』


◆ 補足資料
補足資料『メトロポリス』:作中時間表
補足資料『メトロポリス』:ZONE-1の地図


◆ 総括
総括『メトロポリス』:出典の詮索と作品の可能性


◆ 訂正・追加
訂正『メトロポリス』:マンハッタンにもオベリスクはあった
追加『メトロポリス』:メトロポリスはクリミアにある


その他、準備稿としていくつかの下訳がありますが、
上記の完成稿を参照していただけると助かります。
(できればリンクも張り直していただけると非常に助かります)
誤訳を直した箇所がいくつもあります。


《追記》
● 「アクエリアス・シー」
  *『メトロポリス』のファン・サイトです。
● 同上内「TRAVEL({アトリエ・ナクラ 談義あれこれ})」
  *『メトロポリス』の製作に参加した名倉靖博氏との談話が
  レポートされています。
  イタリアへ取材旅行に行っている等、製作側からも、
  『メトロポリス』の街並みに複数の街のイメージが重ね合わされている
  ことを確認することができます。
# by moebius-labyrinth | 2006-11-15 22:50 | メビウスの子孫たち
メビウス、『メトロポリス』を語る:その1
フランスのアニメ専門誌「AnimeLand」の公式サイトで公開されていた、
メビウスの『メトロポリス』評の訳です。
この記事にはインタビューの前半が収められています。
当サイトの訪問者真さんから提供していただいた資料です。
ありがとうございました。

かなり長い記事になってしまったので、
他の関連記事については以下のインデックスを参照してください。
目次:メビウス、『メトロポリス』を語る


◆ 基本的な情報
『メトロポリス』は2001年に公開された
りんたろう監督のアニメ映画です。
大友克洋もスタッフとして参加しています。
● ウィキペディア日内「メトロポリス (漫画)」
● 『メトロポリス』公式サイト
● アマゾン日内『メトロポリス』
● フランス版『メトロポリス』公式サイト
  *サイトの中が一種のゲーム仕立てになっています。
  とりあえず「PLEIN ÉCRAN→CLIQUEZ ICI(右下)」と進んでください。
  あとは画像のなかの色々な物をクリックで各コーナーに移ります。
  画面左上の「QUITTER」で最初のページに戻ることが出来ます。
  色々なアイテムを集めてティマを覚醒させ、
  懸賞ゲームに参加することがサイトの目的になっているようです。
  腕時計、Tシャツ、そしてなんと、オリジナル・フィルムが当たる、
  などと書いてあるのですが、さすがに解説は割愛します。
● 「手塚治虫のすべて」内「年代別>1949年>メトロポリス<大都会>」
  *手塚治虫の原作『メトロポリス』に関して
  各版の情報がまとめられています。
  初版は1949年09月15日に
  育英出版から書き下ろし単行本として刊行された、とあります。
● 「Yahoo!コミック」内「メトロポリス」
  *最初の数ページを試し読みすることが出来ます。要IE。
● アマゾン日内「メトロポリス 角川文庫」
  *この版がもっとも入手しやすいのではないかと思います。
● 同上内「手塚治虫初期傑作集 (2)」
  *僕はこの書籍に収録されているものを参照しました。
  映画のクレジットで挙げられているのもこの版です。
● 「AnimeLand.com」
  *フランスの日本アニメ専門サイト。
  残念ながら当該ページはすでに削除されています。


◆ インタビュー対訳:前半
Moebius parle de Métropolis
メビウス、『メトロポリス』を語る

Jean GIRAUD, dit MOEBIUS,
est certainement l'un des auteurs fondamentaux
de la bande dessinée moderne française.
Sous son nom, il aura dessiné la vie du fameux Lieutenant Blueberry,
entre autres créations.
Sous son pseudo,
on le connaît pour la saga de L'Incal
et bien d'autres titres de science fiction.
MOEBIUS a eu l'occasion de rencontrer TEZUKA et OTOMO,
et ne cache pas son admiration pour le manga et l'animation japonaise.
Il fut l'un des premiers à prêcher
pour une découverte de l'anime tiré de Akira.
ジャン・ジロー・メビウスは、
現代フランスのバンド・デシネ界の重鎮の一人だ。
本名でもあるジャン・ジロー名義で
あの「ブルーベリー」シリーズを描いていることは、
すでにみなさんご存知のとおりだろう。
主人公ブルーベリー中尉の生涯を中心に数々の傑作が描かれている。
もう一つのペンネームであるメビウス名義では、
「ランカル」シリーズをはじめとしたSF作品でつとに有名である。
メビウスはまた、日本のアニメや「漫画」の熱心なファンでもある。
手塚治虫や大友克洋とも会見を開いているくらいだ。
『AKIRA』をはじめてとして、
ヨーロッパに日本のアニメを紹介して来た先達の一人でもある。
 *「ブルーベリー」「ランカル」はメビウスの代表作です。
 くわしくは以下の記事を参照してください。
 [「Blueberry」(ブルーベリー)シリーズ解説
 [「L'Incal」(ランカル)シリーズ解説
 *メビウスと手塚治虫、大友克洋との関係については
 以下の記事を参照してください。
 [メビウス&大友克洋対談記事:「OTOMOEBIUS」1
 [手塚治虫とメビウス:82年の邂逅

AnimeLand:
Quel est votre sentiment par rapport au Métropolis de RINTARO ?
アニメランド:
りんたろう監督の『メトロポリス』をご覧になって、
どうお感じになられましたか?

MOEBIUS:
Avant tout, pour moi, c’est vraiment un film d’amour.
Tout ce qui est autour de ce film relève de l’amour
et on en ressort avec une impression de beauté,
une beauté secrétée non seulement par les auteurs,
mais aussi par une expression nationale, très asiatique.
Par rapport à tout, aux personnages comme au reste.
Au fond, on voit bien le traumatisme de la destruction de masse,
on comprend tout de suite la référence,
mais cette destruction n’est pas négative, nihiliste.
On voit cela en plus chez TEZUKA,
lorsqu’il introduit toute la problématique du Moderne,
quand il appelle l’Histoire, originelle.
Tout ça pour dire que c’est beau !
Métropolis est un film d’une beauté sans faille.
Il y a une accumulation de tout ce qu’on aime dans une histoire.
Et puis il y a une telle foi dans l’Histoire,
et tout ça s’assemble avec grâce.
Comme l’arrivée de la chanson finale « I can’t stop loving you »,
c’est sublime !
メビウス:
“愛”ですね。『メトロポリス』はまず何よりも愛の物語です。
そしてそこには一種の“美”がある。
登場人物やその他のすべてのものに美が宿っています。
ああいう美意識というのは、たんに作者の資質だけではなくて、
お国柄のようなものもあるんでしょうね。
すごく東洋的なものを感じました。
あと、この作品には、
日本の敗戦の影響が出ているんじゃないかと思います。
第二次世界大戦で受けた大量破壊の癒えない爪痕がね。
でもその破壊は決してネガティブなものじゃない、
ニヒリスティックなものなんだ。
手塚治虫の作品はさらにその傾向が強い。
手塚さんは、現代が抱える諸問題を糾弾し、
真の意味での物語を取り戻そうとしている。
すべてのものが美に通ずるのだとね。
『メトロポリス』はとても洗練されたかたちで美を表現しています。
観客の嗜好をちゃんと押さえたうえで、
真の物語への信条を歌い上げてある。
エンディング・テーマの『I can't stop loving you』が始まるあの一瞬!
この世のものとは思えないよ。
 *『I can't stop loving you』と
 「le traumatisme de la destruction de masse」
 (大量破壊のトラウマ)については、以下の記事を参照してください。
 [訳注『メトロポリス』:『I Can't Stop Loving You』
 [訳注『メトロポリス』:「大量破壊のトラウマ」
 *フランス語の「histoire」は
 「物語」と「歴史」という二つの意味を持ちます。
 英語の「history」と「story」に相当する語なのですが、
 原文中の「 l’Histoire」(大文字の「物語/歴史」)は、
 ここでは「物語」という意味で使われているのではないかと思います。
 大量破壊のトラウマを美として昇華するような、特別な意味を持った物語、
 というほどの意味だと思うのですが、
 この語の解釈については今ひとつ自信がありません。
 インタビューの他の箇所では、
 「l’Histoire」は「歴史」という意味で使われていると思います。

AL:
Comment pensez-vous
que le film Métropolis va être reçu par le public français ?
アニメランド:
『メトロポリス』はフランスでもヒットすると思いますか?

M:
Ce que je vois, c’est que, en France,
on risque d’avoir des réactions d’enthousiasme et de rejet
comparables à ce que l’on a connu avec Akira.
Je me rappelle qu’à la projection d’Akira,
à la suite d’un festival,
les gens étaient pour une part en colère
tandis que d’autres manifestaient leur plaisir,
car tous avaient été déstabilisés par le film.
C’est aujourd’hui un film culte.
De la même manière
beaucoup de gens risquent d’être trompés
par le design des personnages,
qui reprend le trait de TEZUKA.
On pourrait croire que Métropolis relève,
par ce dessin faussement naïf de personnages à l’aspect enfantin,
d’un film pour enfant, or il n’en est rien.
Métropolis est un film grand public
et l’utilisation volontaire de ces design de personnages
sert surtout à augmenter la sympathie que l’on éprouve pour eux.
C’est vraiment voulu pour
que ça rentre directement dans le cœur des gens.
Et le cœur, c’est aussi le fin mot du film.
メビウス:
そこなんですよね。
フランスでは評価が分かれてしまうかも知れません。
熱狂的に受け容れる人もいれば拒絶する人もいるでしょう。
『AKIRA』の時もそうでした。
とあるイベントで『AKIRA』を上映したときにも、
観客の評価はまっぷたつに分かれてしまいました。
怒り出す人もいれば賞賛する人もいました。
でも、いずれにしろ観客の心が動かされたことは確かなんです。
いまや『AKIRA』は確固たる地位を築いているでしょう?
それと同じように、今回は、
手塚治虫風のキャラクター・デザインが鍵になるでしょうね。
手塚さんのキャラは一見すると子供向けっぽいところがあるから、
『メトロポリス』も子供向けの映画だと思われてしまうかも知れません。
でも本当は違う。
『メトロポリス』はあくまで一般向けの映画です。
手塚風のデザインを踏襲しているからこそ、
観客がキャラクターに感情移入しやすくなっているし、
だからこそ、キャラクターが観客の心にじかに届くのです。
「心」、それこそがこの映画のテーマじゃないですか?
 *『AKIRA』がフランスで公開された当初の評判について、
 参考になりそうな情報は見つけることが出来ませんでした。
 ● 「IMDb」内「Akira (1988)>release dates」
 上記のページによると、日本公開は1988年、フランス公開は1991年です。
 ● ウィキペディア仏内「Akira (anime)」
 上記のページに以下のようにあります。
Le public américain puis français a ainsi pu découvrir
un film d'animation vraiment adulte,[後略]
アメリカとフランスの観衆は、
アニメ映画が大人の鑑賞に充分堪えうることを教えられた。

 [メビウス&大友克洋対談記事:「OTOMOEBIUS」1
 上記のインタビューのなかで、
 『AKIRA』のヨーロッパでの評価についてメビウスが語る箇所があります。

AL: Les principaux ambassadeurs de l’amour, dans Métropolis,
sont aussi ceux qui n’en ressentent pas, à savoir les robots.
アニメランド:
さきほど“愛”とおっしゃいましたが、
この作品で愛を教えてくれるのは、じつは愛を知らないものたちですよね。
ロボットですから。

M:
C’est tout à fait clair.
Les obstacles que l’on met à leur accession au bonheur
fait qu’ils rentrent dans une rage destructrice
qui est tout à fait à l’image de la destinée des humains,
on retrouve le même schéma.
Comme c’est surmultiplié par la surpuissance technologique,
ce processus psychique du refus de l’amour
qui débouche sur le désir de destruction
prend des proportions tout à fait spectaculaires.
Comme, à contrario,
c’est pourtant l’amour qui empêche la destruction totale.
Je trouve qu’il n’y a pas beaucoup de films
qui débouchent sur une thématique aussi essentielle,
aussi enthousiasmante de profondeur.
メビウス:
そうだね。
この作品のなかで人々が幸福を手に入れられないでいるのは、
愛を拒絶してしまっているからなんだ。
そしてそれが破滅を招いている。
それはまるで人類全体の運命を物語っているかのようだ。
しかも発達しすぎた科学のために箍(たが)が外れてしまっているから、
愛を知らない人々の破壊衝動は止まるところを知らない。
最後には大規模な破滅を招いてしまった。
しかし一方で、世界を滅亡から救ったのもまた愛なんだ。
これほど深く、かつ面白く仕上がった映画はそうはないと思うよ。

AL:
Métropolis est pourtant issu d’un manga de TEZUKA
datant des années 50, mais les thèmes restent universels ?
アニメランド:
『メトロポリス』は手塚治虫の「漫画」が原作になっていますよね。
50年も前の作品なのに、
そのテーマは未だに生きているということなのですか?

M:
Le miracle également c’est ce fond de complicité
qui s’établi à travers plusieurs générations,
entre TEZUKA, OTOMO, et RINTARO.
Tout ces gens là se comprennent, se « touchent ».
On retrouve cette propension chez tous les grands artistes.
MIYAZAKI, lui, c’est l’apocalypse du passé, ici,
c’est la façon
dont TEZUKA et surtout OTOMO, montrent comment le futur s’effondre
qui est intéressante.
C’est une poésie de l’effondrement.
Et avec, en plus,
une prise de conscience des auteurs eux-mêmes
de la qualité, de la force de ces thèmes.
On sent bien qu’ils se sont rendus compte
qu’ils avaient un matériau unique, extraordinaire, entre les mains
avec le manga de TEZUKA.
C’est pour cela que ce film est « habité »
de la première image à la dernière.
メビウス:
もちろん。
しかも、手塚治虫、大友克洋、りんたろう、という
いつくもの世代を越えて一つの作品が出来上がっているわけだから、
これは本当に凄いことだと思うよ。
この三人の偉大なアーティストには明らかに共通するものがある。
破滅の美学だ。
そのことは彼ら自身も自覚しているんだと思う。
たとえば宮崎駿は、
滅亡を描くとしても、過去に起こったこととして描くだろう?
でも手塚治虫や、とくに大友克洋は、
未来に破滅の予兆を観るんだ。
この違いは興味深いよね。
さらにこの映画の制作者たちは、
自分たちが共有しているこのテーマの質や力を熟知している。
手塚治虫のこの原作、自分たちは特別な素材を手に入れたんだという自信、
それが観ている側にも伝わってくるよね。
だからこそこの映画は、
徹頭徹尾とくべつなものに仕上がっているんだと思うよ。




目次:メビウス、『メトロポリス』を語る
# by moebius-labyrinth | 2006-11-15 22:40 | メビウスの子孫たち
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